風祭文庫・乙女変身の館






「こまちの受難」
(Yes!プリキュア5・二次創作作品)



作・風祭玲


Vol.842





「いやぁ、とんでもない目に遭ったわぁ」

Nattsu House 2階にあるリビングルーム。

その部屋に置かれているソファに制服姿の夢原のぞみは笑いながらどっかりと腰を下ろすと、

「まったく、意地汚いのぞみが悪いのよ」

っと夏木りんはつれなく言う。

「りんちゃぁん、

 そんな風に言わなくても良いじゃない」

りんの台詞を聞いたのぞみは目を潤ませて講義すると、

「でも、りんさんの時と同じように、

 元に戻れてよかったじゃない」

秋元こまちが微笑んだ。

「まぁ、そりゃぁ、

 一週間ほどガマンすれば戻れることはあたしで実証済みだけどさぁ」

そんなこまちを横目にりんはバツ悪そうに頭を掻くと、

「そうそう、

 チョット窮屈だったけどね」

とのぞみが突っ込みを入れる。

その途端、

「なぁに言っているのよっ、

 のぞみまであたしと同じ目に遭わなくても良いのよっ、

 大体、中身も確かめないで真っ先に飲むからこんなことになるんでしょうが」

腰に手を当ててりんは指摘し、

「で、あの物騒な薬はちゃんと捨てたんでしょうねぇ」

こまちの姉・のどかから貰った栄養剤の行方について問いただした。

「あぁ、あれ」

りんの問いにのぞみはハタと手を打つと、

「まっまさか、まだ持っているの?」

それを見たりんは即座に1mほど離れて見せる。

「もぅ、りんちゃんたらぁ、

 あの栄養剤はもぅ持ってませんよぉ。

 おタカさんに預けたからぁ」

それを見たのぞみはふくれっ面をしながらプィと横を向くと、

「おタカさんに…預けたの?」

傍で2人の話を聞いていた水無月かれんは驚きながら聞き返した。

すると、

「うん。

 どこに捨てたら良いのか判らなかったから、

 おタカさんに相談したの。

 そしたら”そんな危ない薬はあたしが預かっておくよ”って言って、

 預かってくれたのよ、

 だから、もぅあたしは持っていませぇん」

腕を組み胸を張りながらのぞみは経緯を話す。

「はぁ…

 おタカさんが預かってくれたのなら大丈夫か」

頭を掻きながら話を聞いたりんは安堵した表情で言うと、

「ナッツ…」

こまちの横で原稿用紙を捲っていた小動物姿のナッツは一言そう呟き、

開いていた原稿用紙を閉じた。

「ど・どうでしょうか?」

それを見たこまちは恐る恐る尋ねると、

リビングに居た全員の視線がナッツに向かった。

「…ナッツ」

それら視線を一身に浴びながらもナッツは小さくため息をつき、

手にしていた原稿を無言でこまちにつき返してみせる。

ギンッ!

その途端、ナッツに降り注ぐ視線の力はさらに増し、

一方で戻ってきた原稿を手にしながら、

「だめですか…」

と小さく呟き肩を落としてしまうと、

メラッ!

視線に殺気が帯びてきた。

今にも八つ裂きにされそうな視線にプレシャーを感じながら、

「…この間の話より面白くなってきたナツ」

ナッツは冷や汗を掻つつ感想を言い始めると、

「だったら、素直に”面白い”って言えば良いでしょう」

と素早くのぞみが突っ込みを入れた。

すると、

「だけどぉ」

ナッツは吹っ切るように声を上げ、

「だけどぉ、

 こまちの話には現実感が無いナツ」

と指摘した。

「?

 なにそれ?」

ナッツの指摘にのぞみは小首をかしげると、

「物語は所詮空想の話ナツ。

 だけど、その空想の話に1%でもいいから本当のことを織り込むナツ。

 そうすれば読む人はこまちが描いた空想に現実感を感じて、

 物語の中に入っていけるナツ」

とナッツは改善点を指摘した。

「現実感…」

ナッツの指摘を聞いたこまちは小さく頷くと、

「それって判る?

 りんちゃん」

「ぜーんぜん、

 あたしには理解不能」

のぞみに話をふられたりんは両手を挙げた。

その時、

「あれ?

 こまちさん。

 他にも別の物語を書いていたんですか?

 これも見てもらったらいかがですか?」

こまちのカバンから覗いている原稿用紙の束を春日野うららが見つけると、

「ギクッ!」

一瞬、こまちの表情が凍りつき、

慌ててカバンを拾い上げ、

「うっうん、

 これは良いのよっ

 まっまだ書きかけだから」

と言いながら覗いていた原稿用紙を中へと押し込んで見せた。



「ただいまぁ…」

ナイトメアが出没することもなく、

皆と別れたこまちが自宅に戻ると、

「お帰り、こまち。

 あぁ、これ、届いていたよ」

とのどかがこまちに向かって一枚の封筒を差し出した。

「え?」

差し出された封筒を受け取ったこまちはそれを見るなり

「そうだった!!!っ」

と封筒を手にしながら自分の部屋に駆け込み、

そして、震える手で封筒を開ける。

「ん?

 受かったの?」

少し間を置いてのどかがこまちの部屋に入ってくると、

「コクリ」

封筒を抱きしめながらこまちは頷いて見せた。

「それはおめでとう。

 で、来年はこまちも高校生なんだから、

 あんたのサークル活動にあたしを巻き込むのはやめてよね」

そんなこまちに向かってのどかは釘を刺すが、

「あっとぉ、まだ”冬”があるんだっけ。

 やれやれ、サークルの代表にコピー本の印刷・製本・売り子、

 妹の為にここまでしてあげている姉さんにちゃぁんと感謝するんだよ」

妙に薄い本がぎっしりと詰め込まれている本棚を指差してのどかは笑うと、

「そうそう、今度は仲間が大勢居るんだから、

 徹夜の製本作業は彼女達にも手伝って貰ったら?」

そう言い残して立ち去って行く。

「もぅ、お姉ちゃんったら、

 そんなこと…

 ……のぞみさんたちにお願いできるわけ無いでしょう」

のどかの言葉にこまちは呟くと、

「あれって、結構スキルが居るんだから」

そう付け加えた。



サンクルミエール学園の制服から私服へと着替えたこまちは

テーブルの前に座ると

カバンの中からうららに見つけられたあの原稿用紙の束を取り出し、

そして、ペラペラと原稿用紙を捲りながら

「受かったとなると急がなくっちゃね。

 確かにナッツの言うとおりだわ」

そう呟くと、

ナッツに指摘された注意事項がこまちの頭の中に再生されていく。

「うーん、

 でも…

 本当のことを織り込むだなんて…

 どうすれば良いのかしら」

原稿を置いたテーブルに頬杖をつきながらこまちはふとそう漏らすと、

カバンの方へと視線を動かしていく、

そして、カバンから白い錠剤が転げ落ちていることに気がつくと、

「あら

 これって…」

こまちは錠剤を拾い上げた。

それは、りんとのぞみをマッチョな男性に性転換させたあの栄養剤であった。

「やだ、あたし、

 これ捨ててなかったんだわ」

錠剤を見ながらこまちは慌ててそれをゴミ箱に捨てようとするが
 
「!っ」

ふとあることに気づくと、

「これを飲めば男の人になれるのよね…」

と呟き、改めてテーブル上の原稿用紙を見る。

「本当のことかぁ…

 あたしに足りないのは男の人の感覚…

 男の人になって”あの感覚”を実際に感じれば、

 納得の行く作品が書けるかも」

錠剤を原稿を交互に眺めながらこまちは次第に考えを纏め、

そして改めて錠剤を見つめると、

「でも、全部飲んじゃうと、

 りんさんやのぞみさんの様にとんでもないことになっちゃうから、

 半分か1/3に割って飲めば良いかしら…」

と手にした錠剤をテーブル上に置き、

スクリーントーンを切るためのカッターナイフで錠剤を3分割にして割ると、

カケラの小さい方を口に運んだ。



「なにも…起こらない?」

錠剤のカケラを飲んでから一時間近くが過ぎても何も起こらないことに、

こまちは少しガッカリすると、

「足りなかったのかな…」

とさらにカケラを細かく割り、

割れたカケラを飲もうとしたとき、

ビンッ!

急に股間が突っ張り始めた感覚が走った。

「あんっ、

 これって、まさか」

ツッパリからムクムクと膨らんでくる感覚に

こまちは頬を赤らめながら股間に手を入れると、

グッグッグッ

突っ張るものが何も無いはずの股間に膨らみが盛り上がり、

急速にそれが成長していっているのがスカートの上からでも感じられた。

「あっあっ、

 伸びている、

 あぁ伸びる伸びてる」

股間を持ち上げてくるそれの感触にこまちの口から、

思わずその言葉が漏れ、

そして、急いでスカートを捲りあげると、

ビクンッ!

ビクンッ!

下着を突き上げて、

こまちの股間から男性の性器が硬く勃起していたのであった。

「うわぁぁ、

 凄い…」

震える手でこまちは下着を持ち上げてみると、

ブルンッ!

下着に絡まって引っかかっていた先端部分が外れ、

勢い良く赤黒い亀頭が上を向いた。

「あんっ

 凄い、

 ビンビンってくる

 これが、男の人の…」

股間から突き出た肉の棒を興味津々に見つめながら、

こまちはそう呟き、

そして、恐る恐るいきり立つ肉棒に触れると、

ビクッ

「あんっ」

その細い指で肉棒を掴みながら身をよじった。

「はぁはぁ

 はぁはぁ、

 熱いし、

 とっても硬いわ」

感じたことの無い感触にこまちは身体をピクピクと震わせながらも、

肉棒から手をはなさずに興奮した口調でそう呟く、

そして、

「でも、これだけじゃだめ。

 あの感覚はまだまだよ」

息を乱しながらこまちは呟き、

ゴクリっ

生唾を飲み込むと、

スッー

と指を上に向かって動かし、

キュッ

っと亀頭の根元で引き締める。

その途端、

ビクンッ!

こまちの体が大きく跳ねた。

「あんっ!!!!

 もうダメっ

 これだけでイッちゃいそう」

頭をテーブルにくっつけ、

肩で息をしながらこまちは高みに上りかけた身体をクールダウンすると、

グッ!

っと歯をかみ殺して、

シュッシュッ

シュッシュッ

初めはゆっくりで、

次第にスピードを上げながら手を動かし始めた。

「あぐっ

 あぁ…

 ダメ、

 ダメ、

 ダメ

 あんっ

 手が止まらない…」

最初は敏感すぎて扱くことすらままならなかった肉棒だが、

次第に慣れてきたのかこまちの手の動きは大胆になり、

さらに背後のベッドに背中を預けると、

こまちは大股を開いて肉棒を扱き始めた。

「はぁはぁ、

 はぁはぁ、

 これが男の人の感覚…

 想像していたのとはまるで違うわ」

先走りが流し、

ネチョンチョと音をたてながらこまちはその快感に身をゆだねた。

そして、

「あぁ…

 なにか…

 なにか…

 身体の奥から出てくる…」

体内で高まってきた精の力を感じてくると、

クッ!

こまちは歯をかみ締め、

その時を導くように肉棒を激しく扱く。

そして、

「あっあっあぁぁ…」

ビクッ!

ビクビクビク

体が激しく痙攣したとき、

シュッ!

シュシュシュッ!!!

こまちは白濁した精液を吹き上げてしまったのであった。

そして、

「はぁはぁ…

 はぁはぁ…

 あぁ…

 出ちゃった…」

テーブルから畳の上にベットリと付着し

栗花の匂いを漂わせている精液を見ながら

「この感覚とっても気持ち良いわぁ

 …原稿、全部書き直さなくっちゃ」

こまちはそう呟きながら、

ココとナッツを主人公にしたBL本の原稿を丸めると、

それをゴミ箱へと放り投げてしまったのであった。



「また現れたわね、ナイトメア!」

「ふんっ、

 私が出てきたからには

 今日こそドリームコレットを納品させてもらいますよ、

 さぁ、君たちも変身したまえ」

翌日、のぞみ達の前にナイトメアのブンビーが姿を見せると、

プリキュアへの変身を促した。

「あんたに言われなくても、判っているわよっ

 みんなっ

 変身よ!」

それを受けてのぞみは声を張り上げるが、

「あれ?

 今日は増子さんは居ないのですか?」

うららが増子美香の姿が無いことを指摘した。

「あぁ、のぞみが復活したので増子さんは外れてもらったココ」

その指摘にココはそう返事をするが、

「ちょっとぉ、

 それって良いの?」

スグにりんが怪訝そうに言い返した。

すると、

「大丈夫ナツ。

 ちょっと増子さんの記憶を操作して、

 プリキュアのことを忘れてもらったナツ」

りんに向かってナッツはそう説明をすると、

「ナッツは記憶操作の達人ココ、

 プリキュアのことを夢だったと信じさせれば良いココ、

 しかも悪夢だと思わせれば二度と思い出さないココ」

とココが追加説明をした。

「それって、

 一体どっちがナイトメアよぉ」

その説明を聞かされたりんは肩を落とすと、

「あれ?

 こまち、さっきからなにそわそわしているの」

とかれんが落ち着かない様子のこまちに尋ねた。

「え?」

かれんの問いにこまちは慌てて返事をすると、

「こまち?

 今日なんかヘンよ」

そう尋ねながらかれんはこまちの額に手を乗せるが、

「だっ大丈夫よ

 さっ変身しましょ」

と話を逸らすようにこまちは構え、

そして、

「プリキュア・メタモルフォーゼ!」

の掛け声と共に5人は変身をする。

そして、変身後、

「変身したらまた勃ってきちゃった、

 でもプリキュアの戦闘服がスパッツで助かったわぁ

 誰にもばれてないみたい」

とキュアミントは呟きながら

肉棒が盛り上がる股間を手で押し込んだのであった。



おわり