風祭文庫・異性変身の館






「少女の決心」


作・風祭玲

Vol.981





「ただいまぁ…」

その声と共にセーラー服姿の少女が帰宅すると、

「はぁ…」

玄関の中で立ち止まり、

胸に手を当てながら小さく呼吸をしてみせる。

そして、徐にスカートのポケットから携帯電話を取り出すと、

「…………」

既に何度も読み直している文面に目を通し、

キョロキョロ

と周囲を見回し始めた。

それから程なくして、

「あっ」

靴箱の上に置かれた花瓶の裏に文面どおりの紙の包みが置かれているのを見つけると、

少女は恐々と手を伸ばしてその包みを手に取り、

ギュッ

と胸に包みを抱きながら急いで靴を脱いで見せる。

トタトタ

ひとときの間を惜しむようにして少女は小走りで階段を駆け上がっていくと、

そのまま自分の部屋へと飛び込んだ。



「……」

部屋に入った少女は何も言わずにその場に座り込み、

そして、胸に押し当てていた手を動かすと、

抱いていた包みをじっと見つめる。

「…これが…」

包みを見ながら少女はそう呟くと、

バリッ

カサカサ…

紙の音を響かせながら包みを開け、

やがて、何かを包み込んでいる銀紙の包みが姿を見せた。

ゴクリ…

カラカラになっている喉を潤すかのように少女は生唾を飲み込むと、

震える手でゆっくりと銀紙を開き、

カサッ

程なくして白い粉が出てきたのであった。

「はぁはぁ

 はぁはぁ

 これを飲んだら…

 あたしは…」

刑事ドラマなどに出てくる悪魔の粉と良く似た白い粉を眺めながら少女はそう呟くと、

「ハッ!

 駄目よ!

 こんなことをしては!」

と突然そう叫び、

銀紙もろともその粉をゴミ箱に捨てようとした。

だが、

「うっ」

少女の脳裏にある人物の笑顔が出てくると、

捨てようとしていたその腕が止まり、

再び自分の目の前に持ってくる。

そして、

「…お兄ちゃん。

 あたしが変身してくれるのを待っているんだよね

 あたしが女の子じゃなくなるのを待っているんだよね」

と呟くと、

「うん」

少女は何かを決意した表情となり、

一気に銀紙に包まれていた粉を飲み干してしまったのであった。



「はぁはぁ

 のっ飲んじゃった…

 あたし…

 お薬を飲んじゃった…」

ハラリ…

空となった銀紙を床の上に落としながら少女はそう呟くと、

「あっ

 くっ」

早速効能が出てきたのか、

少女の胸元は急激に苦しくなり、

「はぁはぁ

 はぁはぁ」

少女は胸を掻きむしりながら苦しみ始める。

そして、

「あはんっ

 あはんっ」

と顔を赤らめながら体をゆすり始めると、

汗ばんだ手をスカートの中に潜り込ませ、

クチュ…

っとおびただしい愛の粘液を吐き出し始めた秘部を下着越しにいさめ始める。

「あふんっ

 あはんっ

 はん

 はん」

クチュクチュ

クチュクチュ

顔を赤らめ少女は一心不乱に指先を動かしていく、

そして、すっかり濡れてしまっている下着をひき下ろし、

パンパンに充血している肉襞にそって指を上へと動かしていったとき、

「あっ」

いつもは小さく膨れているだけの肉芽が異様に膨らみ、

さらに、その大きさを徐々に大きくしているのに気づいたのであった。

「これって…」

上気していた表情が一気に消え、

バッ!

慌ててスカートをめくり上げると、

グンッ!

少女の股間より肉の棒がゆっくりと先端の肉の傘を開き、

伸びている最中であった。

「あぁ…

 おっオチンチンが…」

男性のそれと比べるとまだ小さなものだが、

しかし急激にサイズを大きくしている肉の棒を見ながら少女は驚きの声を上げる。

さらに、

「あっ、

 いつの間に…」

着ていたセーラー服の上着がパンパンになりつつあることにも気づくと、

「あっあっあっ」

少女は慌ててセーラー服を脱ぎ始めるが、

だが、肩に引っかかってしまうと、

「うっうーんっ」

少女は力任せに制服を引っ張り、

バリッ!

どこかが裂ける音と共に少女は制服を剥ぎ取るように脱いで見せる。

「あーぁ」

袖の付け根が裂けてしまっているのを見ながら少女は声を上げるが、

「あっ」

その声が低いトーンになっていることに気づくと、

慌てて手で口を塞ぐが、

ジョリ…

口の周りに生えている髭の感覚を感じると、

少女は手を喉元に滑らせていく。

コリッ!

喉には喉仏が盛り上がり、

その下の乳房の膨らみを失った胸には胸筋が盛り上がっていく。

「凄い…

 あっという間に男の子になっちゃた…」

腹筋が溝を刻むお腹の下からニョッキリと突き出す出来立てのイチモツと、

その下に下がっている袋を弄びながら少女はそう呟くと、

「なぁ、

 TSDの威力って凄いだろう…」

という男性の声が少女の耳元で響く。

「ひぃ!」

突然響いた声に少女、いや少年は驚くと、

「なんだよ、

 男の癖に気が小さいな」

と笑ってみせる少年となった少女の兄の姿があった。

「おっお兄ちゃん…

 あっ

 見ないで!」

声を掛けたのが自分の兄であることに少年は安堵するが、

直ぐに自分の裸が見られていることに気づくと、

その声と共に兄の体を突き飛ばしてしまった。

「おっおいっ、

 なんだよっ、

 男同士で見ないで。もないだろう」

兄は少年の裸体を見て興奮しているのか、

股間を大きく突き上げながら笑って見せると、

「お兄ちゃん…

 本当にお兄ちゃんは同性愛者なの?」

と少年は兄の股間を凝視しながら尋ねる。

「なんだよっ

 いまさら?」

少年の質問に兄は笑い、

そして、

「それを知っていて、

 TSDを飲んだんだろう?」

と指摘した。

「うっ」

兄の指摘に少年は黙ってしまうと、

「座ってないで立てよ」

といきなり兄は少年に指示をした。

「え?

 あっはい」

その指示に少年は慌てて立ち上がると、

ストンッ

立ち上がったのと同時にスカートが下に落ち、

男のイチモツを下げる少年の股間が露になった。

すると、

「ふーんっ」

兄は腰を落として、

そっと少年のイチモツに手を伸ばすと、

ギュッ!

っと掴み上げる。

「あっ、

 そんなに強く…」

イチモツを握られるのと同時に少年は腰を引こうとするが、

「おいっ、

 腰を引くなっ

 もっとチンポを突きだせ」

と兄に命じられると、

「はい…」

少年は腰を前に突き出してみせた。

「ふぅーん…

 これがクリトリスが変化して出来たチンポかぁ、

 男のチンポを何も変わらないな…」

少年のイチモツを掴みながら兄は物珍しそうに眺め、

そして、

パクッ!

っとそのイチモツを口に含んで見せた。

「あっ、
 
 何を!」

突然イチモツをしゃぶられた少年は驚くと、

「ふふっ」

兄はイチモツを口に含みながら笑い、

チュプチュプ

チュプチュプ

っと首を降り始めた。

「あっ

 やっ

 やめて、

 そんな、

 汚いよぉ

 あぁっ

 あんっ

 感じちゃうぅっ」

突然の兄のフェラチオに少年は兄の頭を抑えて自分から引き離そうとするが、

だが、兄が繰り出すテクに次第に翻弄され始め、

「あっあっあぁぁぁ…

 でる

 でる

 でる。

 でちゃぅ!」

と訴えた直後、

ビクンッ!

少年の体が一瞬硬直した後、

シュシュシュッ!

っと兄の口の中に精液を飛ばしてしまったのであった。

「うごぉ、

 ごほっ」

口の中に飛ばされた精液で咽ながら兄は顔を離すと、

「あぁっ、

 お兄ちゃん。

 ごめんなさい」

と少年は謝ってみせる。

すると、

「ふふっ、

 旨かったぜ、

 お前の初ザーメン。

 もぅ立派な男じゃないか」

兄はそう言い、

そして、上着を脱ぎながら、

「俺の部屋に来いよ、

 お礼にたっぷりとかわいがってやる」

と言いながら少年を自分の部屋に連れ込んだのであった。



「あぁっ

 はぁはぁ」

「おぉっ

 はぁはぁ」

カーテンを閉め切った薄暗い兄部屋の中に

男と男が上げるあえぎ声がもれ響くと、

モノトーンのベッドの上では裸の兄と少年が絡み合い、

69の姿勢となって互いのイチモツを扱きあっていた。

「はぁはぁ」

「はぁはぁ」

全身から汗を流し、

あるときはイチモツを扱き、

またあるときはイチモツに口をつけたりして二人は絡み合うが、

不意に兄が少年のイチモツから手を離すと起き上がり、

「おいつっ、

 お前のチンポ、もうこんなになっているぞ」

と囁きながら少年の目の前に粘液が絡む指を差し出すと、

「やめて、

 そんなこと、言わないで…」

野太い声を上げながら少年は女言葉で訴え、

兄の胸に自分の顔をうずめようとするが、

しかし、兄は自分の胸に埋めようとする少年の顔を押しのけ、

「ゲイの俺に愛されたいのなら

 男になっても構わない。

 ってお前はヘンな奴だな」

と少年の額を突っついてみせる。

「やめて、

 だってあたし、兄さんのことが…

 好きになっちゃったんだもん」

額を突っつかれた少年はしなを作りそう訴えると、

「TSDを使って一度、男の味を知った以上、

 薬が切れてももぅ普通の女には戻れないぜ。

 本当に後悔しないんだな」

と兄は念を押す。

すると、

「後悔なんてしない。

 あたし…うぅん、おっ俺っ、

 あっ兄貴のことが本当に好きなんだ…だから」

と少年は返事をしてみせると、

「ふんっ、

 親の再婚で兄妹になった男と女が恋仲に堕ちる。

 って話はよく聞くけど、

 まさか、義理の兄になった男がゲイだったなんてな、

 お前も相手が悪かったな。

 だけど、そんな義理の兄に惚れ、

 男になる道を選んだお前はもっと変な奴だよ」

股間からいきり立つイチモツを見せ付けながら兄は言う。

その途端、

「見て、兄貴っ、

 俺のチンポ…こんなに大きくなっているんだよ、

 体の中で熱いものが煮えたぎっているんだ。

 お願いです…兄貴の手で抜いて…抜いてください」

それを聞いた少年は股間を思いっきり開いてイチモツをさらし、

兄に向かって頭を下げてみせる。

「あぁいいぜ、

 その代わり、

 お前のケツマンコに俺のチンポをぶち込んでやるからな。

 それでいいなら貧弱なチンポを見せてないで俺にケツを向けろ」

と指示をする。

「はい…」

その指示に少年は頷き、

その場でクルリと体を回すと尻を開いて見せ

「おっお願いします。

 俺のケツマンコに兄貴の熱いのを入れてください」

と懇願をしたのであった。

それから程なくして部屋中に男と男の咆哮が響き渡ると、

二人は固い愛を確認しあったのであった。



現在、闇の世界からTSDという新しい麻薬がひそかに広がっていたのであった。

この薬は服用すると強い快感と共に一時的に女性は男性に男性は女性へと性転換してしまい、

この兄妹のように性を変えて愛するカップルが至る所に誕生していたのであった。



おわり