風祭文庫・異性変身の館






「ニップル」


作・風祭玲

Vol.705





「おーぃ、

 ホルちゃん

 ホルちゃん

 これぇ」

昼休み、

教室を出ようとした吉野美紀恵は

突然そう呼び止められると、

「はぁ?

 あたしのこと?

 なによっ

 そのホルちゃんって…」

と尋ねながら振り返った。

「あっ(やべっ)」

美紀恵の質問にプリント用紙を持ってきた男子生徒は

慌てて口を手で塞ぐと、

「あーっ

 いやっ

 吉野さん、

 えーと、

 三瓶先生から保健委員にこれを渡すように、
 
 と、言われたので…」

彼は大粒の冷や汗を吹き出しながら

恐る恐る手にしていたプリント用紙を美紀恵に渡し、

「じゃっ」

と言い残してそそくさと離れようとした。

だが、

「お待ちっ!」

ブルン!

制服を持ち上げるGカップはあるであろうか

たわわなバストを震わせながら美紀恵は声を上げると、

逃げ去ろうとする男子生徒の襟足を握り、

グリッ!

っと彼の身体を回すようにして自分の正面に立たせる。

そして、

「このプリントの件はありがとう。

 で、さっきのホルちゃんについて説明して」

と詰め寄った。

「えぇ…

 いやっ
 
 あの、
 
 その」

巨大なバストが迫ってくるのを見ながら、

男子生徒は盛大に冷や汗を流し、

そして、

「ごっごめんなさい。

 その、

 ほらっ

 ホルスタインってウシ居るだろう?

 うん、その…

 吉野の胸がそのホルスタインを彷彿させるので
 
 つい…
 
 なっ」

と男子生徒は言い訳をした直後、

ダッ!

一瞬の隙をついて飛び出したが、

次の瞬間、

「ホルスタインで悪かったわねぇ!!!」

と怒鳴り声が響き渡った後、

美紀恵は男子生徒に向かって飛びかかると、

ズーーーン!!

「うげぇぇぇ」

その巨大なバストを武器に彼を押しつぶしてしまった。



「美紀恵…

 みっともないから

 あぁいうことは止めたら…」

保健室に男子生徒が運ばれた後、

美紀恵の友人である中沢柚乃が話しかけてきた。

「だってぇ」

ブルンと胸の膨らみを揺らしながら美紀恵が言い返すと、

「まぁ…

 美紀恵の気持ちも判らなくはないけどね」

柚乃はチラリと美紀恵のバストを眺め、

「はぁ…」

とため息を一つつく。

「なによ、

 そのため息は…」

柚乃が吐いたため息に込められた意味を美紀恵は探ると、

「いえ別に」

そう返事をしながら柚乃は視線を反らし、

「神様って不公平ですわ…」

と小声で呟くが、

柚乃の言った言葉が届いたのか、

「はぁぁぁ…

 あたしだって男になりたいよ…」

と美紀恵も嘆いていた。



「え?

 ディスカウントストアですか?」

放課後、柚乃は美紀恵から

ディスカウントストアに行かないかと誘われると、

キョトンとした表情で聞き返した。

「うん…

 ちょっと、薬をね…
 
 ほら、あたしって、
 
 良く動くでしょう、だから
 
 胸にアセモが出来ちゃって」

ブルンと胸を揺らしながら美紀恵が理由を告げると、

「判りましたわ」

柚乃は笑みを浮かべながら返事をする。



「いらっしゃいませ」

国道沿いに開店したばかりのディスカウントストアに着いた途端、

恵美を浮かべるアルバイト店員に迎えられ

店内へと入っていった。

「へぇぇ…

 話には聞いていたけど、

 結構、商品があるのね」

天井まで届く勢いで積み上げられた商品の山に

美紀恵が感心をしていると、

「ドラッグストアは向こうみたいですわ」

と案内を見ていた柚乃が店の奥を指さした。

「よしっ」

柚乃の声に美紀恵はそのまま店の奥へと向かっていくと、

「それにしても…

 なんか、いっぱいあるわねぇ…」

ドラッグストアに向かいながらも

美紀恵は山のように積まれた商品をみてしきりに関心をする。

そして、

「あっほらっ、

 柚乃見てっ

 ルーズソックスがまだ売っているよ、
 
 もぅとっくに廃れているのに」

と笑いながら指摘すると、

「こっちは浴衣が売っているわ、

 冬なのに…」

と柚乃は呆れた表情で堂々とディスプレイされている

浴衣のセットを指さした。

そんな中を2人は歩き、

そして、目的のドラッグストアに到着すると、

「すみません…

 あの…アセモの薬は…」

と美紀恵は売り場に居る白衣姿の店員に話しかけた。



「意外と安かったですね」

「うん、

 いつもママに買ってきて貰っていたからね」

薬が入った袋を抱えて美紀恵と柚乃がドラッグストアを後にすると、

いつの間にか2人はレディス衣料のコーナに入り込んでいた。

「うわぁぁ、

 この下着、可愛い…」

棚にディスプレイされている下着をみて美紀恵は目を輝かせるが、

すぐに

「とはいっても、

 こんな可愛いブラをつけられないか…」

と大きく膨らんだ胸を恨めしそうに眺める。

「でっでも…

 ほら、こっちの外国製なら…」

そんな美紀恵を励まそうと柚乃は外国製の大サイズのブラを指さすと、

「うひゃぁぁぁ…

 柚乃さんっ

 一介の女子高生にはそんなブラは高くて買えませんよ」

それを見た美紀恵はそう言いながら手を左右に振り、

「いっそ、援助交際でもしてみようかしら…」

と呟いた。

「ダメよ、そんなことしちゃぁ」

それを聞いた柚乃は美紀恵の手を握りしめて注意をすると、

「はぁ…本当に胸が大きくて良いことがないよぉ…」

と美紀恵は涙を流しながら嘆き始める。

「そんなぁ」

「だってそうでしょう、

 可愛いブラはつけられないし、
 
 アセモは出来まくるし、
 
 肩は凝るし、
 
 男共には好奇の目で見られるし、
 
 うぅ…
 
 この胸を無くしてくれるなら、
 
 男にでも性転換してやるよ」

と困惑する柚乃を尻目にそう訴える。

とその時、

『お嬢さん達!』

いきなり男性の声が響くと、

「え?」

「はい?」

美紀恵と柚乃はその声が響いた方に振り返った。

すると、

ドォォォン!!!

鍛え上げた巨体を黒のスーツに押し込め、

髪を7・3にピシリと分け、

長い顎の男が立ちはだかると、

『お嬢さん達、

 この商品は如何かな?

 我が、黒蛇堂ケミカルが3年の年月をかけて開発した

 究極のシリコンニップル、

 どんなバストでも綺麗に処理して見せますよ』

そう言いながら綺麗に包装された商品を見せ、

パチン!

と指を鳴らした。

すると、

ふわっ

男の横に白銀の髪と済んだ碧い目をした下着姿の女性が姿を見せ、

その均整の取れたプロポーションを2人に見せつけた。

「うわぁぁぁ」

「ひゃぁぁぁ」

胸に張り付き、

そのバストを美しく表現するシリコンニップルに、

2人の目が釘付けになると、

『いかがかな?

 ちなみに彼女がこのニップルを付ける前はこんな姿だったんだよ』

と男が言うなり、

パチン!

と指を鳴らす。

すると、

フッ!

その女性の姿がかき消え、

代わりに醜く太った女性が姿を現す。

「うひゃぁぁぁ、

 この人がこうなったのですか?」

それを見ながら美紀恵が驚く反面、

「いっ一体、どういう原理で?

 どこかに投影装置があるのかしら?」

と柚乃はそこの仕掛けについてあれこれ考え始めた。

その一方で、

「おじさんっ!

 そのニップルを5つください!」

と美紀恵が言いながら男に向かって手をさしのべていた。

「美紀恵っ」

彼女のその声に柚乃が驚くと、

「柚乃にも一つ分けてあげる」

と言いながら美紀恵は男からニップルを5つ受け取り、

「さっ行こう!」

と言うなり、柚乃の手を引いていった。



『ふふっ

 5点、お買い上がりがとうございます』

そんな2人を男は笑みを見せながら見送っていると、

ガツン!

いきなりその頭が殴られ、

『ちょっと、

 あたしをダシになんて事をしてくれているのよっ』

と白蛇堂の怒鳴り声が響き渡った。

『ん?

 なんだ、お前か…』

その声に男が振り返ると、

フワッ!

男の後ろに白蛇堂が姿を見せ、

『まったく…いつの間にこんなものを…』

と自分をモデルにした下着姿と醜く太らされた2体の動く人形を

交互に見ながら、逆毛立たせ呆れていた。

すると、

『ふふっ、

 良くできているだろう、

 わが黒蛇堂ケミカルの作品だよ』

と人形を前にして男は胸を張るが、

『ぬわにが、作品よっ

 一体何体作ったのっ

 どうせ作るのならあなたに従順な

 黒蛇堂をモデルにしなさいよ』

とそれを聞いた白蛇堂は怒鳴り込むが、

『いや、黒蛇堂では…

 客ウケが悪いからな』

男は長い顎をさすりながらそう言い訳をすると、

『いーから、

 さっさとこれを処分しなさい』

白蛇堂の怒鳴り声が響き渡る。

そして、その声は店内中に響き渡り、

「なにかしら?」

「さぁ」

響き渡った女性の声に

レジに並んでいた美紀恵と柚乃は振り返っていた。



「ただいまぁ」

「おじゃまします」

美紀恵の自宅に美紀恵と柚乃が到着したのは、

それから程なく立った頃だった。

「あれ?

 お家の方は?」

家の中から返事がないことに柚乃が指摘すると、

「うん、

 ママ達、昨日から温泉旅行なんだ。

 なんでも、結婚20周年とか言って、
 
 浮かれて行ったわよ。
 
 で、あたしはお留守番。
 
 まっ、思い出に花を咲かせようとする、
 
 2人の邪魔をしてはいけないでしょう?」

と美紀恵は屈託もなく説明をすると、

「さーさ、

 上がって」

と柚乃を自分の部屋へと導いていった。

そして、部屋に入るなり

「んしょっ」

美紀恵は制服を脱ぎ、

Tシャツの下の乳房を露わにする。

「美紀恵っ」

そんな美紀恵を柚乃は顔を赤らめながら注意すると、

「あはは…

 女の子同士じゃない」

と美紀恵は笑い、

バリバリバリ

買ってきたニップルの包装を破き始めた。

「見てないで、柚乃も付けてみたら?」

顔を赤らめたまま自分を見ている柚乃に

美紀恵はシリコンニップルを手渡すと

「えーと」

と呟きながら説明書を読み始めた。

そして、

「ふむふむ」

と頷きながらタオルで乳房の汗をふき取り

取り出したシリコンニップルを両胸に貼りつけた。

「へぇぇ…

 なかなか良いんじゃない?」

ピタリと巨大な乳房を固定したシリコンニップルのパワーに

美紀恵は感心していると、

「んしょっ」

いつの間にか柚乃も上半身裸になり、

同じようにシリコンニップルを自分のやや貧相な胸に貼り付け、

「へぇぇ、

 こんな感じなのね」

自分の胸を演出するシリコンニップルの感触に驚いていると、

「いいじゃない、

 これならブラつけないですむわ」

と美紀恵は上機嫌になっていた。

ところが、

ニュル…

ニュルニュルニュル…

美紀恵の乳首に何かが入っていくような感触が走ると、

「ひゃっ!」

美紀恵は悲鳴を上げながら乳房を押さえた。

「どっどうしたの?」

美紀恵の悲鳴に柚乃が尋ねるが、

だが、

ニュルンッ!

その柚乃の乳首にも何かが入ってくる感触が走り、

「あっあぁん」

乳房を押さえながら柚乃はその場に跪いてしまった。

「いっ一体何なの?

 乳首の中に何かが入ってきたみたいだけど」

脂汗を流しながら美紀恵が呟くと、

「うん、

 乳首にはもともと乳管の穴が開いているけど、

 そのなかに入ってきたみたい」

と胸を押さえながら柚乃が言う。
 
「とっとにかく…」

慌てながら美紀恵はシリコンニップルを剥がすと、

シュルン!

彼女の乳首にまるで刺さったかのようにして

糸状の物体が取り憑いていたのであった。

「なっなにこれぇ」

クリンクリン

と一本一本の糸が回っているらしく、

不気味に蠢きながらまるで髭の様に乳首から下がる糸に驚いていると、

「いやぁ

 あたしも…」

その直後に柚乃の悲鳴も響き渡り、

柚乃の乳首にも同じ糸状の物体が蠢いていた。

「こんのぉ!!」

美紀恵は力任せに糸を引っ張るが、

スルスルスル…

糸は指から逃れると、

滑ってそのまま乳首の中へと入っていってしまった。

「うっそぉ、

 なんだったの」

乳首の中に入っていってしまった糸に美紀恵は驚くが、

だが、あの糸状の物体が何か自分の乳首に入ったことは事実である。

そんなことをしているうちに、

フニャッ!

美紀恵のGパップのバストが一瞬柔らかくなると、

シュルシュルシュル

っと萎みながら縮始めだす。

「えっ?

 なっなになにこれぇ?」

乳房の異変に美紀恵が驚くまもなく

彼女の乳房は消えて行き、

そして代わりに下半身が熱くなり始めだした。

「あっ、

 お股が…
 
 熱い…」

慌てて股間を押さえながら美紀恵は声を上げると、

「やっやっ

 なっなんなの、
 
 お股から変なのが出てくるぅ」

と柚乃が悲鳴を上げた。

「え?

 どうしたの柚乃?」

その声に美紀恵は振り返ると、

ムリッ

ムリムリムリ!

胸がぺっちゃんこになってしまった柚乃の股間が膨らんでいき、

制服のスカートを下から何かが持ち上り始めだしていた。

「うっそぉ!!

 柚乃が男になっていくぅ」

それを見た美紀恵は驚くモノの、

だが、その美紀恵の股間からも肉の棒が鎌首を擡げあげはじめ、

ビンッ!

ググググググッ!!!!

穿いていたショーツから飛び出してしまうと、

大きく膨らんでいった。

「あぁぁぁ…

 いっいやぁぁぁ!!!」

瞬く間にその肉の棒の長さは30cmを優に超え、

太さも片手では指が届かないくらいの巨根へと成長してゆく姿を見て

美紀恵は両手で顔を覆った。

だが、

ビクン

ビクン

と成長する巨根はスカートを押し退け、

先端には巨大な亀頭が姿を見せると、

その勇姿を周囲に晒す。



「どっどうしよう…

 あたし達、男になっちゃったよ」

巨大なペニスを揺らしながら美紀恵は柚乃に迫ると、

ジッ!

柚乃は美紀恵の股間に目を落としながら、

「こっちも小さいわ…」

と柚乃は自分の股間から生えたペニスと

美紀恵の巨根とを見比べながら呟いていた。

「ゆっ柚乃っ

 そんなことを言っている場合では」

そんな柚乃に美紀恵は抱きつくと、

「仕方がないでしょう…

 ねぇ…
 
 男同士ってどうするか知っている?」

と囁きながら柚乃は美紀恵を見つめた。

「え?」

予想外のその言葉に美紀恵は柚乃を突き飛ばして離れると、

「うふっ、

 前々から興味があったのよ…

 ほらっ、
 
 あたしったらこんなに逞しくなったし、
 
 美紀恵も武道家みたいな身体になっているわよ」

そう言いながら柚乃は立ち上がると、

ジワジワ

と体毛を濃くしながら美紀恵に迫っていく、

「柚乃…」

そんな柚乃の姿を髭面になっていく美紀恵は見つめていると、

キュッ

柚乃はそそり立つ自分のペニスを鷲づかみにした。

そして、

トロッ

亀頭の真ん中に出来た割れ目から先走りを垂らせると、

「ねぇ…

 なぁ美紀恵…

 おっ俺のチンポ…

 しゃ、しゃぶってくれないか」

と呟く。

「柚乃…

 なっなにを…」

迫る柚乃に怯えながら美紀恵は聞き返すと、

「おっ俺…

 がっ我慢が出来ないんだ、
 
 お願いだ、
 
 こっコイツをしゃぶってくれ、
 
 おっ俺もお前のデカマラしゃぶってやるからさ」

荒い息をしながら体中から体毛を生やした柚乃は

美紀恵にそう言うと、

いきなり美紀恵を押し倒し、

股間から起立する肉棒を美紀恵の顔に押しつけた。

「いやぁぁ、

 くっ臭い!!」

自分の顔に押しつけられる肉棒から漂う臭いに

美紀恵は顔をしかめるが、

チュパッ

「あふっ」

柚乃が美紀恵の肉棒にしゃぶり付くと、

ビクン!

「あんっ」

その感覚に美紀恵は身体を強ばらせ、

「あはっ

 うんっ、
 
 くはぁ…
 
 きっ気持ちいい…」

と肉棒から響いてくる快感に身を委ねると、

チュ!

美紀恵は柚乃の肉棒にしゃぶり付いた。



ハァハァ!!

ウォウォ!!

オグォワァァ!!

ウォォォッ!!

着ることが出来なくなった制服の元で、

二人の男と男は絡み合い、

そして、愛し合っていたのであった。



おわり