風祭文庫・異性変身の館






「危険なダイエット」


作・風祭玲

Vol.668





ガチャッ!

ギィ…

古びた店内に扉が開く音が重々しく響き渡ると、

コツリ

コツリ

ゆっくりと歩く靴の音が鳴り響く。

コツリ

コツリ

20畳ほどのさほど広くない店内を靴音は移動し、

そして、立ち止まると、

『ふんっ、

 さすが黒蛇堂の店を作るときに参考にしたことだけはある。

 何もかもが洗練され、

 そして、陰の力に満ちあふれている…』

足音の主は店内に溢れている闇の気を大きく吸い込み、

そして、長い顎をさすりながら満足げに頷いた。

『店主はいるか、

 俺だ』

一呼吸置いた後、

顎長の男は怒鳴り声を上げると、

『ふぉふぉふぉ

 ここにおるよ』

彼の背後でいきなり老人の声が響いた。

『なにっ!』

背後を取られたことに驚きながら顎長の男は素早く振り返ると

『ん?

 あぁ、お前さんか』

彼の後ろにはグレー色のボサボサの髪に

長く髭を伸ばした小柄の老人が立っていて、

口にしているパイプからタバコの煙を揺らしていた。

『ふっ、

 相変わらず素早いな』

ニヤリと笑いながら顎長の男はそう言うと、

『ふふっ

 若い者にはまだ負けんよ』

と老人は返事をする。

そして、

『で、今日

 来たのはコレが目当てか』

老人はそう言いながら白い包みを顎長の男に見せた。

『判って居るではないか、

 ウイグル星・シェンチャン自治区にある山脈でしか生息が確認されていない

 強精カマキリ・スケコマシ。

 たった1匹のオスが100匹以上のメスを相手に

 身体を張った時分割処理で交尾を行い、

 交尾が終わったメスからの捕食を逃れると言う

 特殊な性質を持ったカマキリ。

 だが、そのカマキリより作った精力剤は、

 バイアグラとは月とスッポン。

 マムシとカナヘビ。

 イソギンチャクにイトミミズ。

 と言うくらいの効き目の差があるということで、

 全宇宙はもとより、

 地獄界・修羅界さらにはこの天上界と

 少しでも良質のを求めて”萎えてしまった男達”が血眼になって

 探しまくる希望の星…』

『可愛くないのぅ…

 おぉ、そうじゃ、

 ふふっ聞いて驚け
 
 この袋の中にあるのはそのスケコマシの中でも幻の超一級品。

 深紅のスケコマシじゃっ

 どうだ』

強精カマキリ・スケコマシの説明をしてみせる顎長の男に向かって、

老人はさらに希少価値のものであることを告げると、

『ふん』

顎長の男は不敵に笑い、

スッ

スーツの中の胸ポケットに手を入れると、

徐にあるものを取り出してみせる。

『うっ

 そっそれは…』

それを見た途端、老人の顔色が変わり、

そして震える手で指さすと、

『いかがかな、ス○ーピーのマグカップ…

 先日、コンビニと言うところで手に入れた。

 ふふっ』

顎長の男は笑いながら白いマグカップを見せつけると、

『貴様っ

 わっワシがス○ーピー・マニアだって言うことを知ってのことかっ』

と老人は口からつばを飛ばしながら抗議をする。

『さぁ?

 それはどうか…』

『ぐぬぬぬ…

 くそぉ!!!
 
 持って行け!!』

顔を真っ赤にして老人が包みを顎長の男に差し出すと、

『商談成立』

顎長の男は笑いながらマグカップを老人に差し出し、

代わりに包みを受け取った。

『何に使うかはあえて聞かないが、

 使用上の注意はしっかりと守るんじゃよ』

立ち去っていく顎長の男に向かって老人は警告をすると、

『あぁ、判っている…』

彼はそう言い残し消えていった。



「だいえっとぉ!?」

「ちょっと大きな声を出さないでよ」

昼休みの教室にこの高校の2年生である神崎美沙の驚いた声が響き渡ると、

それを聞い親友の山中美保は慌てながら美沙の口を塞いだ。

「もごっ」

「あははは…」

彼女の一言でクラスの注目を一身に浴びることになってしまった美保は

美沙の口を塞ぎながら、作り笑いをするが、

しかし、見る見る美沙の顔が蒼白になってしまうと、

「うぐぐっ」

ドンッ!

思いっきり美保を突き飛ばし、

「ゼハァゼハァ

 こっ殺す気かぁ!!」

と涙ながら抗議をする。

「あはは、

 悪い悪い…
 
 って美沙が大声を上げるからよ」

抗議をする美沙に美保はそう告げると、

「ふんっ!」

美沙はプィっと横を向き、

「で、ダイエットって何をする気?

 まさか、この期に及んでどこかの部活にでも入る気?」

と尋ねると、

「ふふっ

 よくぞ聞いてくれました」

この問いを待っていましたとばかりに

ガサッ

美保は鞄から一枚の広告を取り出すと、

「これよ、これ」

とある所を指さしながら美沙に見せる。

「へ?

 なになに?

 身長をもっと伸ばしてみませんか…、

 もっとのびーる…¥3,980…」

「何処を見ているのよ、

 こっちよこっち」

広告に掲載されている健康器具の文句を読み上げる美沙に

美保は下の方にあるドラッグストアの方を指さすと、

「ん?」

美沙の目はそっちへと移動し、

「ふむ、

 中国4千年の奇跡…

 究極のやせ薬、日本上陸。

 たった2週間で…あなたもナイスバディ?
 
 まさか、美保…
 
 コレを買う気なの?」

その商品の説明を読んだ美沙は呆れながら美保を見ると、

「ふふっ

 その通りよ」

と美保は返事をした。

「やめときなよ、

 中国製ってマジやばそうじゃない。
 
 何が入っているか判らないわよ」

「そんなに神経質にならなくても

 大丈夫だって」

「後で後悔することになるよ」

「もぅ、美沙ったら、

 まるであたしが失敗するような事を言わないでよ」

薬のいかがわしさを指摘する美沙に、

美保はそう文句を言うと、

「うーん…」

そんな美保を横目に見つつ、

美沙は唸るばかりだった。



「で、そうは言いながらもついてきてくれたんだ」

夕日を背にして美保はそう言うと、

「どんな薬か、この目で見ておこうと思ってね」

手にした鞄を肩に引っかけながら美沙はそう言った。

「うふっ

 ありがとう」

そんな美沙の心配りに美保は礼を言うと、

「ふんっ」

美沙はぷぃっと横を向いてしまった。

二人が向かったのは学校からそう遠くないところにあるディスカウントストアであった。

国道沿いに先日開店したばかりのディスカウントストアを眺めつつ、

二人が店内に足を踏み入れた途端、

ドワッ

あふれかえる買い物客が二人に襲いかかってきた。

「うひゃぁぁ」

「迷子にならないで」

そう声を掛け合いながら二人は買い物客を掻き分け、

併設されているドラッグストアへと向かっていく、

「ひゃぁぁ、

 スゴイ人…」

「ホント、

 開店してから日にちが経っているのに、
 
 なんで、こんなに居るのかしら?」

呆れ気味に買い物客の多さを指摘しつつ、

ドラッグストアにたどり着いた二人は広告の品を探し始めた。

そして、

「ねぇ、美保、

 コレじゃない?」

陳列棚を眺めていた美沙が控えめに置かれている袋を見つけると、

「どれ?」

美保は袋を手に取り、

表裏にひっくり返しながら調べ始めた。

「うーん…

 なんか違うみたい…」

「そう?」

「よく似ているけど、

 袋の柄も違うし、

 それに黒蛇堂製薬ってなんか怪しくない」

「そっか…、

 じゃぁ違うんだ」

美保の指摘に美沙は残念そうな表情をしながら、

その袋を棚に戻そうとしたとき、

1人の店員が棚を整理している姿が目に映った。

そして、

「あっ店員さん」

とその店員を呼ぶと、

「この広告のものって、

 もぅ無いんですか?」

と尋ねた。

「えぇっと、

 それは、
 
 あっこれですね…」

そう言いながら棚を一通り見た店員は

さっき美保達が見ていた袋を取って見せる。

「えぇ?

 でも、違うんじゃ…」

店員が差し出した袋を指さし美保が指摘すると、

「あぁ…

 問題ないですよ、

 広告の品物は売り切れてしまったのですが、

 でも、この商品も同じ素材を使っているんですよ」

と店員は説明をした。

「どうする?

 美保?」

それを聞いた美沙は美保に尋ねると、

「ふーん」

美保は感心しながら袋を見た後、

「判ったわ、

 ありがとう」

と目を輝かせながらその袋を買い物カゴに入れてしまった。



「ありがとうございました」

レジの店員に送られて美保と美沙はディスカウントストアから出てくるが、

「本当に大丈夫なの?」

と美沙は心配そうに美保に尋ねた。

「え?

 何のこと?」

その声に美保は聞き返すと、

「薬よ、

 やっぱりやめておいた方が…」

「うふっ

 大丈夫って言っているでしょう」

そんな美沙に美保はガッツポーズをしながら返事をした。

「それは判るけどさ、

 でも、ねぇ」

「あはは…でも、今日はありがとう、

 付き合ってくれて…」

ドラッグストアの包みを抱きかかえながら、

美保は別れの挨拶をすると

「うっうん、

 じゃぁね…」

美沙は不安げに手を振り別れた。



パタン…

夜、

湯上がりの美保が部屋に戻ると、

「さぁて…」

バスタオルを身体に巻いたまま、

ガサゴソと夕方買ってきたあの薬の袋を取り出し、

そして、その封を切ると、

ムワッ

部屋の中に青臭いような饐えた匂いがわき上がり始める。

「ゲホゲホゲホ

 何この臭い…」

その臭いに美保は驚きながら窓を開けると、

フワッ

適度に冷えた秋の風が部屋の中に吹き込んでくる。

「なんかスゴイ臭いだけど…

 本当に効くのかな…」

美保は怪訝そうにそう言うと

「よしっ、

 美保の肉体改造、その1!

 ふふっ、少し多めに飲んじゃお」

と宣言をするなり、

ザザザッ!

一気に3袋分を口に入れてしまうと、

持ってきたコップの水と一緒に飲んでしまった。

「うぇっ

 気持ち悪い…
 
 でも、良薬口に苦し。っていうから

 これくらいの方が良く効くかも…」

薬を飲んだ後、

美保は額に皺を寄せながらそう言うと、

「ふふ〜ん」

鼻歌を歌いながら寝間着に着替え始めた。

だが…

カリカリ

カリカリ

それから2時間後…

今日の復習と明日の予習のため机に向かっていた美保に

異変が襲いかかった。

ムラッ

ムラムラムラ…

どこからか得体の知れないパワーが胸の奥からこみ上げてくると、

「ん?」

サワ…

美保の空いていた左腕が自然と下がり、

自分の股間の中へと潜り込んでいく。

そして、

「んっくっ

 んん」

そのパワーに翻弄されるように、

股間のワレメから小さく顔を覗かせている

肉塊・クリトリスをいじり始めた。

そして、

「あんっ

 なっなに…
 
 この燃え上がってくるような感覚って…
 
 あんっ
 
 なんか…
 
 なんか…
 
 突っ張って…
 
 だめっ
 
 こんな事をしては…
 
 でも、
 
 しないと…
 
 あたし、どうにかなってしまいそう…」

ドッ

いつの間にか美保は机に突っ伏し、

盛んに左手を動かし続ける。

そして、

「あんっ
 
 んっ
 
 んんっ
 
 ううううんっ
 
 あっあぁぁぁん!!」

それから数分後、

股間に押し込んだ腕を動かしながら、

美保は絶頂へと達してしまったのであった。



翌朝。

「おはよう美保っ」

いつもと同じ様に美沙が声を掛けると、

「あぁ美沙?」

その声に振り向いた美保の目には大きな隈が出来ていた。

「どっどうしたの?

 その隈…」

美保の顔に出来た隈に美沙が驚くと、

「え?

 えぇ…
 
 ちょっと夕べ眠れなくて」

と美保は返事をする。

「眠れないって…?」

「ううん、

 大丈夫よ」

心配そうに美保を見る美沙に

美保はそう返事をするが、

しかし、昨夜の美保は、

敏感に感じまくる秘所を慰めるために、

ほぼ一睡もしていなかったのである。

結局、その日の授業は、

まるでこの就眠不足を補うかのように美保は眠り続け、

ようやく目が冴えてきたのは、

午後の6時限目のことであった。

「あの薬飲んだんでしょう?

 止めた方が良いんじゃない?」

帰り道、美保を心配して美沙はそう言うが、

しかし、

「大丈夫よ、

 大丈夫。

 夕べのことは薬とは関係ないよ」

と美保は美沙に言う。

そして、その日の晩も美保は薬を飲んだ。



ハァハァ

ハァハァ

「あんっ

 んくっ」

明かりが消えた美保の部屋に喘ぎ声が響き渡る。

シュッシュッ

シュッシュッ

パジャマを引き下ろし、

激しく上下に動く美保の手には真っ赤に充血をしたクリトリスが抓まれ、

昨日よりも一回り大きくなった姿で、揉まれて続けていた。

「あはっ

 あぁん
 
 あぁん、
 
 あぐぅ…」

身体をビクンと痙攣させ、

美保は絶頂を迎えるが、

だが、既に美保は10回を超える絶頂を迎えた後のことであった。



「あたし…

 どうなっちゃんだろう…
 
 なんか、ここんところ毎晩エッチなことばかりしている…」

それから数日後の体育の授業前、

薬の効き目が出たのであろうか、

制服を腕まくりし、

筋肉の張りが出てきた腕を見ながら美保はそう呟くと、

テンッ!

そんな美保の頭にバスケットボールが当たった。

「痛たぁ

 だれよぉ」

頭を押さえながら美保は振り向くと、

「なんて格好をしているのよ、

 今日はバスケットボールだって」

と体操着姿の美沙がそこにあった。

「やったなぁ…」

それを見た美保は転がるボールを手に取ると、

「どりゃっ!」

のかけ声と同時にお返しにとボールを美沙に投げるが、

美保が投げたボールは素早く飛び、

バチン!

それを捕球できなかった美沙は

自分の顔面でボールを受けてしまったのであった。

ドタン!!

「あっ美沙っ」

ボールの直撃を受けた美沙がそのまま崩れるように倒れてしまうと、

美保は慌てて駆け寄るが、

だか、幾ら呼びかけても美沙は鼻血を流すだけで目を覚ますことはなかった。

「おいっ、

 何をしている」

騒ぎに気づいた体育教師が駆け寄ると、

「山中さんが神崎さんにボールを…」

と子細を見ていたクラスメイトが事情を説明する。

「山中っ

 何をやっているんだお前は、

 とにかく保健室だ」

意識を失っている美沙の容態を診た体育教師はそう叫ぶと、

「あっあたしが連れて行きます」

と美保は声を上げた。



「よいしょっ」

気を失った美沙を背負い、

美保は保健室に向かっていくが、

「…あれ?

 美沙ってこんなに軽かったっけ?」

と美沙の体重があまり感じてられないことに気づくと、

「はぁ、いいなぁ美沙は…

 体重が軽くってさ…」

と小さな声で小言を呟きながら道を急いだ。



「ちょっと、ボールがぶつかったタイミングが悪かったみたいね、

 少し休ませてあげなさい」

美沙の様子を診た養護教諭はそういうと、

「はぁ…」

それを聞いた美保は頭を下げる。

「まったく、

 女の子同士なんだから、
 
 あんまり無茶をしちゃぁだめよ」

「はぁ…」

ベッドの上で寝ている美沙を見ながら美保はうなだれると、

「まぁまぁ、

 そんなに落ち込まないの。

 でも、目が覚めたらボールをぶつけたこと、

 ちゃんと謝るのよ」

そんな美保に養護教諭はそう諭すと、

「はい…」

美保は小さな声で返事をした。

そして、

「ごめんね、美保っ」

と謝りながら美沙は美保の頬を撫でたが、

だが、

ムクッ!

美保の股間が急速に突っ張り始めると、

ムクムクムク!!

穿いている下着を押し上げるようにして、

一本の肉棒が突き上がったのであった。

「!!」

バッ!

それに気づいた美保が慌てて股間を押さえるなり、

「どうかしたの?」

それを見た擁護教諭が尋ねる。

「え?

 あっいえっ
 
 なっ何でもないです」

その言葉に美保はその場を繕うが、

スンスン…

「あら?

 あなた、この汗の臭い…」

と擁護教諭は美沙の身体から漂い始めた汗の臭いが、

女子の臭いと違うことに気づく、

「え?

 いやっ
 
 大丈夫です。
 
 あたし大丈夫です」

美保はまるで逃げる様にして保健室から飛び出し、

そのまま、女子トイレへと駆け込むが、

「うそぉ…

 なにこれぇ…」

個室の中で下着を下ろした美保は自分の股間から突き出す、

人差し指サイズに膨れあがったクリトリスに愕然としたのであった。

ビクン

ビクン

「うわぁぁ…

 うそ…
 
 これって、あたしのクリ?
 
 そんな…
 
 まるで、男の人の…オチンチンみたいじゃない」

心臓の鼓動と併せて上下に動くクリトリスの様子に美保は声を失うが、

だが、

「うっ

 なんか…
 
 あっだめっ
 
 そんなことをしては…
 
 でも…
 
 こうしないと…
 
 あたし…」

身体の奥からわき上がってくる衝動に突き動かされるように、

美保はクリトリスを両手で掴むと、

キュッ

キュッ

っと扱き始めてしまった。

「あうっ

 んくっ
 
 あぁっ
 
 いいっ
 
 いいよぉ
 
 気持ちいい…
 
 あぁん…
 
 あひっ」

ペニスのようになってしまったクリトリスを掴む手を

さらに小刻みに動かしながら、

美保は個室の壁に自分の体を預け手を動かす。

そして、

「あっ

 来るっ
 
 あっあっ
 
 あひっ
 
 ひぃぃぃっ」

自宅以外のところで絶頂を迎えてしまうと、

ビシャッ!

クリトリスの下から液体を噴いてしまったのであった。

「はぁはぁ

 はぁはぁ
 
 どうしよう、あたし…
 
 段々エッチになっていくよぉ…」

絶頂後の脱力感の中、

ムリッ

制服の下から割れ始めた腹筋を覗かせ、

美保はそう呟き続けていた。



ドンドンドン!

「美保ちゃん!

 どうしたの?」

さらに数日後の朝、

ドアを叩く母親に向かって美保は声を張り上げる。

『美保ちゃん

 美保ちゃん
 
 どこかからだが悪いの?
 
 お医者さんに行く?
 
 ねぇ答えて頂戴?』

心配し、

そして、幾度も母親は声を掛けるが、

「いいから、

 あたしのことはほっとおいて」

頭から布団を被る美保はそう返事をするだけだった。

そして、しばらくして、

『わかったわ…

 身体の具合が悪いって先生には電話していくわ』

美保の頑な姿勢に根負けした母親はそう言い残して離れていくと、

バサッ

美保はベッドから起きあがった。

だが…

ムキッ!

ビシッ!

締め切ったカーテンから差し込む日の光に

シルエットのように浮かび上がる美保の身体には

乳房の膨らみは無く、

代わりに分厚い鋼板のような胸板が盛り上がり、

また、以前はなだらかな曲線を描いていた

ウェストからヒップにかけても、

盛り上がる筋肉によって幾筋もの筋が刻まれていたのであった。

「ハァハァ

 ハァハァ…」

それらを見ながら美保は荒い息をし始めると、

ムクッ

ムクムク!!

股間から迫り上がってきた肉棒を鷲づかみに握りしめ、

シュッ

シュッシュッ!

っと扱き始めた。

「くはぁ…

 あぁ…
 
 たまらねぇ…
 
 何度出してもスグに次が溜まてくる…

 くそっ
 
 どれだけ白いションベンを出せば良いんだよ」

肉棒を扱きながら美保は譫言のようにそう呟き、

さらに激しく扱いた。

シュッシュッ

シュッシュッ

「はぁ…

 入れてぇ…
 
 女のマンコに俺のコイツを…
 
 くはぁ…
 
 行くぜ
 
 へへっ
 
 みんな犯してやる…
 
 みんなのマンコにコレを突っ込んでやる」

ガマン汁を垂れ流し、

さらに大きさと硬さを増してゆく肉棒を扱き続けながら美保は、

クラスの女子に襲いかかり、

彼女たちを突きまくる自分の姿を妄想した。

そしてそれから程なくして、

「うっ!」

美保の口から小さな声が漏れると、

ビュビュッ!!

真上に向けた肉棒の先より、

生臭い臭いを放ちながら白濁した粘液を噴き上げた。

「ハァハァ

 ハァハァ
 
 あぁ…」

筋肉で盛り上がった肩を動かしつつ、

美保は”射精後”の脱力感に身を任せる。

すると、

トントン!

閉じられていたドアが外から叩かれ、

『あの、美保ちゃん?』

と母親の声が響き渡った。

「なんだよ」

肉棒から流れ出る”精液”を処置しないまま美保は聞き返すと、

『お友達…

 神崎さんがお見舞いに来たんだけど、
 
 どうする?』

と尋ねた。

「神崎?

 あぁ美沙か…」

母親から美沙が来たことを告げられた美保は、

射精後萎えてしまった肉棒をムクムクと勃起させながら返事をすると、

「入って貰って良いよ」

と返事をする。

そして、

ガチャッ!

閉じていたドアが開き、

制服姿の美沙が恐る恐る入ってくると、

「待っていたよ美沙、

 俺…変身したんだぜ、

 ほらっ、見ろよ、

 こんなぶっといチンポを持った野郎にさ」

顔を引きつらせる美沙に向かって

美保はそう言うと、

「なぁ、

 俺、
 
 お前のマンコに俺のチンポを入れさせてくれよ」

と身体の筋肉を盛り上げながら

ゆっくりと迫っていった。



おわり