風祭文庫・異性変身の館






「あたしの幸せ」


作・風祭玲

Vol.640





トルルルルルル…

ホームから発射のベルの音が鳴り響き、

その音の中、あたしは夢中でエスカレータを駆け上がっていました。

東京行き新幹線…

駆け上がるあたしの視界に次第に車体が姿を現し、

ベルが鳴り止むのと同時に開いていたドアへと飛び込みました。

そして、ドアの閉まる音を背後で聞きながら、

あたしは肩で息をしていると、

クッ!

車両は静かに動き始めます。

”あっ”

電車が動き出したことを感じたあたしは構わず振り返ると、

ドアの窓より動いていく駅の様子が見えます。

”もぅ、ここに来ることはないだろうなぁ…”

それを見ながらあたしはそう心の中で呟くと、

トタトタトタ…

どこからか小さな足音が響き、

何気なくあたしが振り向いたとき、

グググ…

新幹線が本線へと入ったのでしょうか、

車体が大きく揺れました。

すると、

「あっ!」

歳は5歳くらいでしょうか、

よそ行きの洋服を着た女の子がよろめき倒れかけます。

「危ない!」

それを見たあたしはとっさに手を伸ばし女の子を抱きかかえると、

「あっすみません」

その女の子の母親でしょうか、

20代半ばと思われる女性が駆け寄ってきました。

「ママぁ…」

その途端、女の子は泣きながら母親の元に駆け寄っていきます。

「もぅダメじゃないのっ

 ほらっ
 
 助けてくれたお兄さんにお礼を言いなさい」

女の子を抱き抱えながら母親はそう諭すと、

「ありがとう…」

涙を溜めながら女の子はあたしに礼を言います。

「いっいえ…」

女の子からお礼にあたしは笑みで返すと、

逃げるようにして客室へと入り、

指定券に記された座席に座りました。

そして、

”後悔しない…

 あたし…後悔はしない…”

心の中で呟きつつ窓へと視線を向け、

”あたしは彼女のような母親になることは出来ないんだ”

と呟いたとき、

ムリッ!

あたしの股間で偽りのオチンチンが動きました。

「!」

自分の意志では動かないはずの作り物のオチンチン…

でも、こうしてあたかも本物のように動くときがあります。

”あっ溜まってきているんだ…

 出さないと…”

股間に手を置きながらあたしがそう思ったとき、

ドォォォォ!!!

加速する新幹線はトンネルへと突入し、

窓にトンネルの壁と共にあたしの姿を映し出しました。

ギュッ

窓に映る自分の姿を横目にあたしは唇をかみしめます。

短く借り上げられた頭、

厚くなってきた胸板を浮き上がらせる男物のシャツ、

そして、ここで見ることは出来ないけど

お股についている男のシンボル・オチンチン…



2年前、この新幹線に乗って東京に向かったとき、

あたしは未来への夢を膨らませる1人の少女でした。

そしてこの夏、

あたしの秘密が両親に知られ、連れ戻されていたのです。

”お父さん、

 お母さんごめんなさい。

 あたし、男の人になりたいんです”

このことを良い機会と捕らえたあたしは

この胸に秘めた思いを思い切って伝えましたが、

でも、両親にあたしの気持ちを理解して貰うことは出きませんでした。

そして、あたしは勘当同然で実家を飛び出してきたのです。

両親の気持ちも痛いほどに判ります。

東京の会社に務めているはずの娘から、

まさか、会社を辞め、

身体を鍛えて男になりたいだなんて…

いきなりそんな馬鹿げた話を聞かされれば

誰だって同じ反応を示します。



あたしがこうなった切っ掛けは些細なことでした。

初めての東京暮らし…

でも、そのきらびやかなイメージとは裏腹に、

どこか心の寂しい生活の日々を積み重ねていったのです。

そんなあたしの心の隙間に魔物は忍び寄ったのでしょう。

気晴らしにと始めたチャットであたしはとある男性と知り合いました。

なんでも実家は元華族とか言うもので、

いくつも会社を持ちたいそうなお金持ちと言う触れ込みでした。

無論、普通に考えれば怪しさ十分です。

でも、寂しさに耐えかねていたあたしには彼の素性の怪しさに気づきながらも、

彼の世界に引き込まれてしまったのです。

オフ会というのでしょうか、

初めて彼と逢ったときのことを覚えています。

少し神経質そうながらも、

誰かに甘えていたい…

そんな印象がする青年でした。

そして、それを機会にあたし達はネット世界の付き合いから、

リアル世界の付き合いへと発展していきました。

あたしと彼は同棲をするようになったのです。

そして、その時あたしは彼の性癖に気づかされたのです。

もし、そこで別れていれば、

あたしは全く普通の女性として生活をしていたのでしょう。

でも、あたしは彼を見捨てることは出来ず、

彼の要求を受け入れていったのです。

彼はあたしが女性として振る舞うことを禁じました。

その時はなぜだか判りませんでした。

次の要求はあたしが持って来た女物の衣類を全て捨てさせられ、

男物を着る様に命じたのです

さらに、次の要求は髪を短髪にスポーツ刈りにすることを強制されたのです。

学生の頃から手入れをしてきた髪がばっさりと刈り取られ、

あたしの頭は短い毛が立ち並ぶようになりました。

とても女の子とは言えない姿です。

刈られた頭を晒し、

男物のランニングシャツを着たあたしの姿は、

中学生のスポーツ少年を思わせるものでした。

そして、次の要求と共に見せられた物にあたしは驚きました。

たったいま、男性の股間から切り取られたような肉の棒…

肌の色も、

その形も、

何処をとっても男性のオチンチンと寸分も違わない肉の棒にあたしは飛び上がりました。

でも、彼は笑いながらこれは作り物であることをあたしに告げたのです。

作り物…

確かによく見てみると、

肉の棒の背後からは透明な管が2本伸び、

その先には何か小さな物がついていて、

とても精巧に作られた作り物であることが判ります。

あたしは意味が判りませんでした。

作り物のオチンチンを眺めながらキョトンとしているあたしに

彼はそれを付けるように指示をしたのです。

”つけろってどういう事?”

あたしはますます混乱しましたが、

でも、彼はあたしが穿いているトランクスを脱がせると、

その作り物のオチンチンを付けさせ始めたのです。

”やめて…”

彼の指があたしのクレパスを開いたとき、

あたしは思わず叫びましたが、

でも、その時見せた彼の寂しそうな表情にあたしは言葉を飲み込んでしまうと、

そのまま彼の行動を許してしまったのです。

クニュッ

管の片一方が膣に差し込まれ、

その中を遡上してきます。

ヌヌヌヌ…

まだ、男性を知らない処女の膣を汚すように管は子宮へと向かい、

そして、子宮の中に潜りもむと、

クッ!

何かが引っかかりました。

”え?”

コレまでに感じたことのないその感覚にあたしは驚きますが、

スグに次の管がオシッコの穴に差し込まれ、

膀胱目指して遡りました。

”あっあん…”

潜り込んでくるその感覚にあたしは声を上げますが、

でも、彼はそれには耳を貸さずに黙々と作業を続けます。

そして、

クッ!

またしても何かが膀胱の中で引っかかると、

ニュクッ!

彼はあたしのクリトリスを剥き、

作り物のオチンチンに根元に空いていた穴にクリトリスを差し込んだのです。

ビクッ!!!

強烈な刺激があたしの身体の中を突き抜け、

そしてそれが過ぎ去ったとき、

あたしのお股にはあのオチンチンがピッタリとついてしまっていたのです。

まるで、生まれたときからそこにあったかのようにオチンチンは生えていました。

それを見たあたしは彼を見ると、

”たったいま、君は男性になったんだよ、

 そのチンコからはオシッコも出来るし、

 オナニーだって出来るんだ”

と囁きます。

そんな…

それを聞いたとき、あたしの頭の中に後悔の気持ちが渦巻きました。

そして、そんでもない物を付けられたと、

急いで外そうとしましたが、

でも、幾ら引っ張ってもオチンチンは抜けず、

それどころが身体の奥から痛みが走ります。

”外科手術をしない限りそれは取れないよ”

オチンチンを引っ張るあたしに彼はそう告げました。

そして、

”どうして、オチンチンをそんなに嫌がるんだい?

 男になれたんじゃないか”

彼はあたしに言いながら、

オチンチンを握りしめ、扱き始めました。

ビクンッ!

その途端、あたしの中をまた強烈な刺激が突き抜けると、

あたしは思わず喘ぎ声を上げてしまいました。

オチンチンを扱かれて声を上げてしまったのです。

女の子では絶対に上げない声を…

そしてあろうことか、

ムクッ!

この作り物のオチンチンが固くなりながら、

長さが伸び始めだしたのです。

勃起…

作り物のはずのオチンチンが勃起してゆく…

それを目の当たりにしてあたしは混乱します。

女の子なのに…

女の子のはずなのに…

オチンチンを弄られ勃起させている。

あたしは自分が女の子なのか男の子なのか判らなくなってきました。

そして、それを見透かすように彼の手の動きは速くなり、

あたしは絶頂へと突き進んでいきました。

ついに…

ビクビクビク

ビュッ!!

あたしは絶頂に達してしまったとき、

この作り物のオチンチンが液体を噴き上げたのです。

透明な粘性を持った液体…

それはまさしくあたしの愛液でした。

どういう理屈なのかは判りません。

でも、このオチンチンはあたしの愛液を精液のように射精したのです。

身体を覆う”けだるさ”を感じながら

あたしは萎えていくオチンチンと、

そのオチンチンより噴きだした愛液を手で掬っていました。



このことを境にして彼はさらにあたしを男に染めはじめました。

男らしい肉体を作るためにウェイトトレーニングをさせ、

さらに、効果を上げるために、

力仕事のアルバイトもさせました。

無論、その時にはあたしは仕事を辞めていましたので、

時間は自由になっていました。

こうして時を重ねながらあたしは男性化して行ったのです。

そして、連絡が途絶えたことを心配して上京した両親に見つかり、

強制的に連れ帰されたのです。



あと、1時間ほどで新幹線は東京に着きます。

あたしは席を立ちました。

向かう先はトイレです。

男女兼用のトイレは使用中でしたが、

でも、男性専用の小便器は空いていました。

あたしは躊躇うこともなくドアを開け、

小便器に立つと、

ズボンの中からオチンチンを出しました。

作り物のはずのオチンチンでしたが、

いまではすっかり馴染み、

生まれたときからついている器官のような気がします。

固くなっているオチンチンを小便器に向け、

そして、それを掴むと、

シュッ

あたしは扱き始めました。

ビクッ!

「うっ…」

その瞬間、あたしの身体の中を電気流れ、

さらに、その感覚を得ようと、

シュッシュッ

シュッシュッ

何度もオチンチンを扱いていきます。

このオチンチンを付けられてから生理はありません。

子供を産むことが出来ない身体になってしまったみたいです。

「んはっ

 あっ
 
 あっ
 
 あっ」

うっすらと髭が生えたアゴをやや上に上げ、

あたしは手を素早く動かします。

シュッシュッ

シュッシュッ

あの日以降、何度も繰り返してきた儀式をあたしはここで行います。

そして、

ビクン!

頂点に達したとき、

”!!!っ”

ビュッ!!!

あたしのオチンチンは粘液を吐き出しました。

このオチンチンが吐き出すのは愛液のはずです。

でも最近、その液体が白く濁り始め、

微かに栗花の香りを漂わせるようになってきたのです。

このオチンチンに何か薬でも仕掛けられているのでしょうか、

身体の筋肉も以前と比べて逞しくなったようにも思えます。

「ハァハァ

 ハァハァ」

”射精”後の余韻に浸りながら、

あたしは粘液を垂らすオチンチンを便器に向けますと、

シャッ

シャァァァァァ!!!

今度はオシッコが吹き出しました。

立ってするオシッコ…

とても女の子では出来ないマネです。

そう、あたしは彼の手によって男性になってしまったのです。

そして、最近、彼についてある事実を知りました。

それは、彼が男性同性愛者であること…

そう、彼はあたしを愛したいためにあたしを男にしたのです。

ジワッ…

お尻がうずき始めました。

どうやら、彼のオチンチンを欲し始めたようです。

本来、男性を受け入れるはずの穴を封じられ、

排泄しか知らないはずの穴がオチンチンを欲してします。

「くす」

あたしの口から小さな笑いが漏れ、

オシッコを出し終わったオチンチンをしまいます。

あたしが男性も女性でも良いじゃないですか、

あたしはそんな彼を愛してしてしまったのですから…

お父さん、

お母さん、

利香はいまとっても幸せです。



おわり