風祭文庫・異性変身の館






「お姉さんの秘密」


作・風祭玲

Vol.1050





「いってきまーす」

朝、

玄関のドアを開けて僕は表へと飛び出していくと、

「ケン君っ

 おはよう!」

ちょうど通りかかったお姉さんが僕を見るなり、

朝の挨拶をしてくれる。

「おっおはよう」

学校の制服を朝日に光らせながら

笑みを見せるお姉さんを僕は直視できず、

つい俯きながら返事をすると、

「どうしたの?

 元気ないね」

とお姉さんは気遣ってくれます。

「そっそんなことないよ」

真っ赤になっている顔を見られたくない僕は

帽子を深く被り顔を隠してしまうと、

「今日も天気良さそうね」

空を仰ぎ見ながらお姉さんは言うと、

それと同時に、

フワッ

お姉さんから甘くてやさしい匂いが僕を包み込んでくるのです。

「あぁ…

 お姉さんの匂い、

 とっても甘いよ」

その匂いを思いっきり嗅ぎながら、

僕はオチンチンを固くするのです。



お姉さんは高校生。

一方、僕は小学6年生。

お姉さんの家と僕の家は隣同士で、

お姉さんの部屋は僕の部屋の真向かいにあり、

夜遅くまでお姉さんが勉強している様子を

僕は毎晩自分の机から見ていました。

そして、

「はぁ、

 やっぱり、お姉さんは大人だよなぁ」

そんなお姉さんの姿を横目にしながら、

僕はパソコンであるものを検索します。

そして、画面に表示される女の人のアソコの解説画像を見ながら、

机の下で固くなっているオチンチンを弄りはじめると、

「あぁ、お姉さん。

 お姉さんのアソコって、

 こんな形なんですか?

 オチンチンを入れると気持ちいいんですか。

 僕は僕のオチンチンを入れたいです…」

オチンチンを弄りながら僕は卑猥な妄想に耽り、

その世界へと溺れていきます。

この行為がオナニーと呼ばれていることは、

この間知りました。

でも、とっても気持ちよくて、

僕はいけないと思いつつも

つい、してしまうのです。

「あっ

 あっ

 あっ

 あぁっ」

ビクンッ

僕は痙攣しながら弄っていたオチンチンから

ネバネバしたものを吐き出してしまうと、

「はぁ…」

お姉さんに抱かれる幻覚を感じながらまどろみます。

そして、このときにいろんな妄想をするのです。



小学六年生の昼休みは

男子と女子の小競り合いが日課となっていました。

「まったく…

 飽きもせずによくやるよ。

 なぁ、今日のネタはなんだよ?」

観戦中のヤツに小競り合いの原因を尋ねると、

「あぁ…

 放課後のウサギ小屋の清掃をどっちが受け持つかだよ」

と返事が返ってきます。

「ウサギ小屋の掃除?

 はぁこれだから、

 お子様はイヤだ」

それを聞いた僕は不満を漏らしますが、

結局、小競り合いは男子が女子に言い負かされ、

どういうわけか僕ら数人が

ウサギ小屋の掃除をする羽目となってしまいました。



「まったく、何で僕が…」

下校途中、

僕は文句を言いいながら歩いていると、

「仕方が無いよ、

 じゃんけんで負けたんだから」

と隣を歩く友人は言います。

「昨日、ピースとサザエさんには勝ったんだぞ、

 何で今日は負けるんだよ」

「知るかよっ」

食って掛かる僕を友人は軽く突き放すと、

「あれは…

 お姉さん」

僕の行く手にお姉さんの姿がありました。

どうもウサギ小屋の掃除で帰りが遅くなったせいで、

お姉さんの帰宅時間とかち合ってしまったみたいです。

そして、

それと同時に僕は見たくないものを見てしまいました。

それは、お姉さんの彼氏。

お姉さんは高校生だから、

彼氏が居てもおかしくはありません。

でも、僕にとっては

天地がひっくり返るほどのショックな出来事でした。

「なぁ、これからカードゲームの…

 あれ、おーぃ」

友人が僕を誘いますが、

僕の耳にはもぅ届きません。

僕のお姉さんが取られてしまう。

僕のお姉さんが遠いところにいってしまう。

そんな悲しい妄想が僕を苦しめる。

「お姉さんを連れて行かないで、

 お姉さんは、

 お姉さんは、

 僕のものなんだ」

僕は思いっきり叫ぶけど、

でも、僕が出来るのは夢の中で叫ぶのが精一杯でした。



お姉さんと顔を合わせずらい日々が何日か過ぎたあと、

思いがけない事が起きたのです。

ある日、お姉さんが泣きながら家に帰ってくると、

自分の部屋の中で大泣きを始めたのです。

「何があったのかな?」

突然のことに僕は混乱してしまうけど、

どうすることも出来ずに

ただ自分の部屋から見守るだけだった。

そして、程なくして、

お姉さんが付き合っていた彼氏と喧嘩別れした。

と言う話を聞かされました。

お姉さんにとっては気の毒なことだけど、

でも、僕にとっては嬉しいニュースだったのは確かです。



「縁結びの赤い糸?」

「はいっ」

赤い糸を僕に手渡したお爺さんは手もみをしながら笑みを見せる。

ディスカウントショップ・業屋。

最近、小学校で話題になっているお店で、

このお爺さんが店長さんなんだそうだ、

でも、置いてある商品はどれも不思議なものばかりで、

僕たち小学生にはまさに夢のお店。

冗談半分にお姉さんと仲良くなれっるモノはないか。って

お爺さんに聞いたところ、

この糸を手渡されたのです。

「異性の方と親睦を深めたいのであれば、

 この糸が一番です。

 この糸で君と、

 そのお姉さんとを結べば、

 お姉さんは君の意のままになりますよ。

 なお、結ぶときにはお姉さんの大事なところと結ぶのが、吉」

とお爺さんは教えてくれますが、

何か違うような気がします。



「赤い糸かぁ」

業屋からの帰り道、

赤い糸を手に僕はワクワクしながら歩いて行きますが、

でも、お姉さんの大事なところって、どこだろう…

と考えると、

僕は不安になってきました。

お姉さんのことは知っているようで、

ほとんど知らないのです。

と、その時でした。

「ないないないない

 ないだわさぁ!」

ちょうど公園を通りがかったとき、

いわく有りげなお婆さんが

声を上げて何かを探しているのが見えたのです。

「どうしたのかな?」

そう思いながら僕はお婆さんを見ていると、

「ん?

 そこのお前、

 わたしの発明品、

 トリツキタクナール

 知らんか?」

と僕を見つけたお婆さんは近寄って問い尋ねます。

フルフル

その問いに僕は首を横に振って見せると、

「あー、

 そーかい

 そーかい

 仕方が無い。

 交番に聞いてみるか」

僕の返事を待たずにお婆さんはそう呟くと、

ダッシュで交番のある方向へと走って行く。

「どこかで見たようなお婆さんだったな、

 でも、トリツキタクナールってなに?」

そう思いながら僕は歩き始めると、

コツン

足に何かが当たり、

コロコロ

と転がっていくものが見えたのです。

「トリツキタクナール…」

転がっていったものを拾い上げ、

そのラベルを僕は読むと、

「あっこれは

 さっきお婆さんが」

とこれがお婆さんが探していたものであるのが判りました。

そして、お婆さんを呼びに行こうとした時、

シュッ!

僕の指がトリツキタクナールのボタンのようなものを押してしまい。

霧のような物が噴出すと、

僕の体に振りかかってしまったのです。

「うわっ」

突然のことに僕は吹き上がった霧を振り払おうとするけど、

いくら手で振っても、

霧は僕の腕をすり抜けてしまいます。

【え?

 すり抜けて…】

その事に僕が気がつくと、

フワリ

僕の体は空中に浮いていたのでした。

【え?

 うそっ

 どうして?】

何が起きたのか判りませんでした。

ただ、僕の足元には僕が座り込むように寝ていて、

僕の体は半透明になって空に浮かんでいたのです。

【わっ、

 どういうことなの?

 これって…】

いったい何がどうなのか全く判らりません。

宙に浮いた僕は足をばたつかせていると、

スーッ

まるで風に流される凧のように

ある方向へと移動し始めたのです。

【え?

 え?

 ちょっと、どこに行くの?】

まさに見えない糸で引っ張られている。

その言葉がぴったり合うように

半透明の僕はある方向へと引っ張られていきます。

そして、ビルや家、お店の中を次々と突き抜けていくと、

ピタッ

あるところで止まったのです。

そこは、お姉さんの部屋。

【うそっ】

宙に浮かぶ僕の足元には

ベッドの上で制服のままうたた寝をしているお姉さんが居ます。

お姉さんの寝顔を見ながら僕は浮かんでいると、

【いっそ、お姉さんに取り付けたらいいな…】

と思った途端。

グンッ

強い力が僕を引っ張り、

【うわぁぁぁ】

瞬く間に僕はお姉さんの中へと引っ張り込まれてしまったのです。

そして、

「はっ」

慌てて飛び起きると僕はお姉さんになっていました。



「えっと、どうしよう」

お姉さんの体に取り込まれてしまった僕は途方にくれます。

「別に…

 お姉さんになりたかったわけじゃぁ」

自分の意思に合わせて動くお姉さんの体に困惑しながらも、

顔や胸を次々と触り、

そして、

「お姉さんのからだって

 とっても柔らかくって気持ちいい」

と自分を抱きしめる仕草をしてみせます。

そんなことをしているうちに、

「お姉さんの体ってどうなっているのかな」

と興味が沸いてきますと、

「んしょっ」

着ていた制服をぎこちなく脱ぎ始め、

上着、

スカート

と脱いでいきます。

そして、胸を止めているブラを

手が攣りそうにながらも外しますと、

ブルンッ

胸元でオッパイが飛び出して小さく揺れたのです。

「これが、

 お姉さんのオッパイ…」

揺れるオッパイを僕は持ち上げるようにして揉んでみますと、

ビクッ

電気が流れるような快感が走り、

「あんっ」

口から小さな声が漏れました。

そして、

その声に突き動かされるように、

僕は下から上へとオッパイを揉み、

「あんっ

 はぁん

 んっ」

次第に上気しながら身体をくねらせます。

お姉さんってこんなに気持ちのいいことをしているんだ。

そう思いながら、

「はぁん

 はぁん

 はぁん」

僕はオッパイをもみ続け、

プリッ

と硬くなっている乳首を弄るごとに、

ビリッ

っと感電するような快感が何度も走ります、

そして、さらに気持ち良さを求めて、

次第に手の動きが大きくなっていったのです。

けど、それは余り長続きしませんでした。

一度は上気したものの、

次第にそれが醒めてくると、

手の動きが止まってしまったのです。



「なんか疲れた…

 まぁ、これくらいにしとこうか」

オッパイを揉むことに飽きた僕は手を離すと、

腰を浮かせて座りなおします。

そして、

「さぁて、いよいよ

 お姉さんの大事なとこに…」

そう呟きながら、

僕は手を肌の上を滑らせ、

そっとお姉さんの股間へと下ろしてゆきます。

女の人のアソコはネットの画像でしか知りません。

この目で見たことも、

当然触ったことすらない、

お姉さんの大事なところ。

そこに向かって僕は手を伸ばします。

誰にも邪魔をさせません。

だって、いまの僕はお姉さんだから…

ドキドキ

心臓が高鳴るのを感じながら、

下着の上に手を乗せると、

軽くさすって見ます。

男ならオチンチンの盛り上がりがあって、

手の動きが大きくなってしまいますが、

でも、お姉さんにはそんな盛り上がりがありませんので、

指は素直に直線に動いてくれます。

「なんだろう…

 変な感じ」

男とは全く違う動きの感覚に、

僕は次第に顔を赤らめてしまいます。

と同時に、

…いいのかな、こんなことをして…

と罪悪感をふと覚えてしますが、

「えぇいっ、

 恥ずかしがることはないんだ。

 だって、僕はいまお姉さんなんだから」

頭を振り、

僕は意を決すると、

お姉さんの股間に張り付く下着に手を掛けました。

そして、

それをゆっくり下ろしてしまいますと、

陰毛に覆われたお姉さんの股間が僕の目に飛び込んできたのです。

「うっ」

なんて言っていいのか判りません。

お姉さんのもっとも大事なところを

僕は見下ろしているのです。

「これが…

 お姉さんの…」

お姉さんの股間はお臍からちょっと離れた下の辺りから陰毛が生え始め

真ん中を走る溝あたりでは陰毛は左右に流れています。

そして、溝の周りではヒダのようなものが溝の中から顔を出していて、

それをちょっと触ってみると、

痺れるほどではありませんが、

オチンチンの皮をめくったところを触るよりも刺激がありました。

「んくっ

 これがお姉さんの感じなんだ」

顔を真っ赤に火照らせて僕は呟くと、

指を何度も溝の上を往復させます。

そして、溝の上の方に指を動かしたとき、

更に強く刺激を感じるところがありました。

その部分で指先を軽くねじって見ますと

「あんっ」

更に強い刺激がボクを襲い、

お姉さんの溝が急激に水気を帯びてきたのです。

「はぁはぁ

 はぁはぁ」

これって、ひょっとして…

僕の頭の中にネットで見た女性器の画像が展開され、

その画像の上の方にある男性器に似た触覚がクローズアップされます。

「そっか、

 これがあれなんだ」

指を離してそう呟き、

僕は体をベッドに倒して、

溝の周囲から触角の周りを丁寧に撫で回します。

そして、次第に気持ちを高めていきますと、

「うんっ」

ついに意を決した僕は

「よしっ」

と気合を入れると身を起こし、

左右に流れている陰毛の両側に親指を置くと、

グッ

と力を入れます。

そして、その指を両側に向かって動かして、

指を沈めますと、

くにゃっ

お姉さんの溝は左右に向かって開かれたのです。

ゴクリ

赤い線が走り、

それが次第に太くなっていきますと、

お姉さんのもっとも大事な部分が僕の目に飛び込んできます。

姿を露にしていくヒダがゆっくりと開き、

その下の中身が見えてきました。

と同時に

ヒヤッ

とした空気の流れを感じたとき、

ツンッ

異様な臭いが僕の鼻に飛び込んできたのです。

スンッ

「うっ!」

それは何といいましょうか、

何かが腐ったような臭い…といいますか、

生ゴミの臭いといいますか、

明らかに腐敗をしている臭いです。

「うっ、

 くっ
 
 くっ
 
 くっさい」

さっきまでのドキドキ感がどこかに吹き飛び、

ゲホゲホゲホ

僕は咳き込みながら、

顔をベッドに押し当てます。

そして、落ち着くのを待って顔を上げますと、

「なっなに

 この臭いは」

と驚きながら、

再度、お姉さんの股間を開いたのです。

すると、

ムワッ

またしてもあの悪臭が立ち上ったのです。

間違いありません。

この悪臭はお姉さんの性器のにおいです。

「えぇ…

 なんで、

 どうして」

憧れだったお姉さん。

そのお姉さんの股間がこんなに臭かっただなんて、

はっきりいって幻滅でした。

「どうしよう…」

指の臭いを嗅いで見ますと、

股間の臭いが移っています。

「臭い…」

僕は急いで風呂場に向かい、

お姉さんの股間を洗おうと考えましたが、

「あっでも、

 洗って良いものだっけ」

と躊躇してしまいます。

「どうしよう…」

せっかく、お姉さんの体を自由に出来たのに、

残念と悔しさに僕は泣き出したくなりましたが、

でも、もし

お姉さんが気づかずに変な病気に罹っていたら…

そのことが頭によぎりますと、

「そうだ、

 お医者さんに見て貰った方がいいんじゃ…」

僕はお姉さんの股間から立ち上ってくる悪臭が

お姉さんが何か病気に罹っているのではと判断すると、

居ても立ってもいられなくなりました。

乱雑に制服を着ると、

診てくれる医者を探して

お姉さんの家を飛び出したのです。



お姉さんは難しい名前の細菌に感染しているそうで、

悪臭はそれが原因と病院の女の先生から指摘を受けました。

そして、適度なお手入れの方法と

お薬を処方してもらうと、

僕はお姉さんの家へと戻りました。

保険証というものを持っていかなかったので、

お姉さんのお小遣いはほとんど残っていません。

とにかくお姉さんにこのことを知ってもらおうと、

僕はお姉さん宛に手紙を書いて、

お薬と先生からもらったお手入れの方法についての紙を置きました。

お姉さんの体が動きにくくなってきました。

どうやらトリツキタクナールの効果が切れてきたみたいです。

ふと気づくと僕の手にはあの赤い糸が握られていました。

どうやら、この糸は僕の心と共についてくるみたいです。

「そうだ」

あることを思いついた僕は、

お姉さんの股を開くと、

股間の奥にある突起にその赤い糸を結びつけたのです。

糸は一瞬光を放つと、

フッ

と消えてしまいました。

「あれ?

 これでおしまい?」

それ以上何も起こらないことに

僕は首をひねりますが、

プツンッ!

トリツキタクナールの効き目が切れたらしく、

僕はお姉さんから弾き出され、

一気に自分に戻されます。

そして、

「あっ」

目を覚ますと、

僕は夜の公園に座り込んでいて、

その周囲にはノラネコが寄り集まっていました。



翌朝、

「おはよう!」

お姉さんの姿を見た僕は挨拶をすると、

「あっおはよう…」

お姉さんは顔を真っ赤にして僕を見ます。

「どうしたの?」

そんなお姉さんを見ながら僕は聞き返すと、

「あの…」

お姉さんは何か言おうとしますが、

直ぐに首を横に振ると、

「なんでもない、

 なんでもないからね」

そういい残して足早に立ち去ろうとします。

「もぅ、

 お姉さんは恥ずかしがり屋さんなんだから」

お姉さんの後姿を見ながら、

僕は小指の先を

クンッ!

と引っ張る仕草をすると、

「きゃっ!」

突然、お姉さんが悲鳴を上げて、

その場に座り込んでしまったのです。

そして、涙目で僕をみながら、

「あなた…

 あたしに何をしたの…」

と口が動いたように見えました。



…たいした事はしていないよ、

 ただ、赤い糸でお姉さんのアソコと

 僕の小指を結んだだけ。

 はやく、アソコの匂いを治してね。

 トリツキタクナールはまだ残っているから、

 もっといろんなエッチをしようね…



おわり