風祭文庫・異性変身の館






「性転の雨」


作・風祭玲

Vol.731





僕の住む地方では竜神祭の日、

局地的に特殊な雨が降る。

その雨に濡れても大抵の人には何も起こらないが、

だが、雨に濡れて体に変化が起きてしまった人は…



サァァァァ…

梅雨時の小雨が降り続く放課後、

「ちょっとぉ!

 香山君っ

 掃除サボる気?」

学級委員の真田萌の怒鳴り声が響くと、

「別に僕がいなくたって掃除は出来るだろう?

 折角の雨で部活が休みなんだから、

 さっさと帰らせてもらうよ」

かばんに手をかけた僕はそう言い返すなり、

ダッ!

脱兎の如く教室から飛び出して行く。

「あっこらぁ!

 今日という今日は!!」

逃げる僕を追いかけて真田も飛び出してくるが、

だが、男の足に女の足、

さらに加えて陸上部で校内記録を持つ僕に

簡単に追いつくことは出来るはずも無く

あっという間に引き離してしまった。

「よぉ、香山。

 傘も差さないで帰る気か?

 びしょ濡れになるぞ」

置き傘には手をかけずに飛び出そうとする僕に向かって

悪友達から声がかけられると、

「あはは、大丈夫。

 平気、平気。

 これしきの雨だし、

 走って帰ればずぶ濡れにはならないよ」

と返すと小雨が降りしきる表へと飛び出して行った。



僕の名前は香山敏志(15才)

高校受験を控える中学3年生で陸上部に所属、

彼女は居ない。

まぁ、彼女なんていても鬱陶しいだけで、

いらないと思っている。

そんな僕の自慢は足が速いことで、

地区の大会ではいつも上位に入賞をしている。

そして、さっき僕を追いかけてきたのは

クラス委員の真田萌。

なにかと僕を目に敵にして、

いつも小言を言ってくる。

まっ”彼女にはしたくないNo1”ってやつだな。



チャッチャッチャッ!

小雨の中を、僕は走る抜けていく。

やがて、僕の視界に竜神様を祭る杜が姿を見せてくると、

「…そういえば…

 今日は竜神様のお祭りだっけ…」

と僕は忘れていたお祭りのことを思い出した。

その途端、

ザッザザザザー…

次第に雨脚が強くなってくると、

瞬く間に小雨が本降りの雨となり、

容赦なく僕の体を濡らし始めた。

「えぇ、

 うそぉ!」

瞬く間に頭のてっぺんから足の先まで

スブ濡れになってしまった僕は、

かばんを濡らさないように抱えながら

祭の準備が終わっている社へと飛び込んで行く。

「ひゃぁぁ!!

 ズブ濡れだ…」

雨音が響く社の軒下で

僕はぴったりと張り付くシャツの裾を着たまま絞るが、

ザァァァァァ…

雨は降り止む気配を見せずに降り続いていた。

「参ったなぁ…」

止む気配のない雨を軒下より見上げながら、

僕は傘を持たずに飛び出してきたことを後悔していると、

ブルッ

雨に濡れて体が冷えてきたのか、

思わず身を縮める。

「まずいっ、

 このままじゃぁ風邪を引くぞ」

身体を震わせながら僕は本殿を見上げると、

日ごろ閉じてある拝殿の戸が開いているのが目に入った。

「あっ

 ラッキー!

 ちょっと神様、中に入れさせて」

閉め忘れなのか戸が開いていることに感謝しながら

僕は中へともぐりこんだ。

「へぇ、

 神社の中ってこうなっているのか…」

普段は硬く施錠され

見ることなど出来ない本殿の様子を物珍しげに眺める。

そして、

「あっ着物だ…」

ご神体の前に折りたたまれている装束があることに気づくと、

早速それを手にとって見たが、

「あれ、

 これって、巫女さんの着物じゃないか」

と手に取ったそれが巫女の装束であることに気づくと、

あわてて元あったところに戻そうとした。

ところが、

ゾクッ!

さらに強い悪寒を感じてしまうと、

「ちょっとだけ…

 いいか」

と、この濡れた服がある程度乾くまでの間、

装束を拝借をすることにして

躊躇いもなく袖に手を通した。



キュッ!

キュッキュッ!

「へぇぇ、

 こんな感じなのか」

以前、巫女だった従姉妹の着付けを手伝ったことがあるためか、

巫女装束の着付けはさほど苦労は無かったが、

いざこうして着てみると、

奇妙な気恥ずかしさを感じてしまう。

そして、することが無くそのまま座り込んでしまうと、

ムクッ

ムクムクッ!

っと僕の体が…

特に胸の辺りが蠢き始めていることに気づいた。

「あれ?

 なにこれ?」

蠢く胸周りに不審に思った僕が胸に手を当てて見ると、

プクッ!

とした小さな膨らみがいつの間にか僕の胸にあり、

しかも、急速に成長して行く様子が手に伝わってきた。

「うっ、

 これってもしや…」

膨らむ胸に僕はこの地に言い伝わる言い伝えを思い出すと、

バッ!

あわてて胸元を開いた。

その途端、

プリン!

胸元からピンク色に染まる乳首を突き出し、

さらに、小さく膨らんでいる乳房を見た途端。

「あっ」

と声を上げてしまった。

「まさか、この雨が!!」

その時になって僕はいま降っている雨が竜神の涙と呼ばれる、

性転換雨であることに気づき、

そして、今年の竜姫に僕が選ばれたことを悟った。

ムニッ!

ムニムニっ

さらに膨らみを増してくる胸が巫女装束を持ち上げ、

次第に胸のところに膨らみによる影を作っていく、

「うわっ

 マジでオッパイが膨らんできたよ」

その様子を僕は驚きながらつぶやくと、

いま僕の体を濡らしている雨の滴の一滴一滴が

僕の体を男から女へと変化させる。

部活で鍛え上げた筋肉が湯気の様に消え、

喉の出っ張りが引っ込み、

股にあった男の象徴が瞬く間に小さくなってしまうと、

代わりに刻まれていく縦溝の中へ

溶ける様に姿を消してしまった。

「うわぁぁ、

 まっマジで女の子になっちゃったよ」

ムッチリとした色気を醸し出す姿になってしまった僕は

驚きながら自分の体を見ていると、

ジワッ

体の中が芯から火照りはじめだした。

「あんっ、

 どうしたんだろう…

 体が…

 熱く…

 ムズムズしてくる…」

雨ですっかり冷えてしまっていた筈なのに、

カッと頬を赤らめる僕は、

無意識のうちに片手で胸を揉みはじめ、

そして、もう片方の手で股に出来た小さな突起、

クリストスを押さえてしまうと

女の子の一人エッチ…そうオナニーをはじめ出してしまった。

「あんっ

 ダメッ

 そんなに強くしちゃぁ…

 でも、

 指が…

 指が止まらないの…」

清楚な巫女装束を卑猥に乱して、

僕は一人エッチを続ける。

そして、

「んんっ

 あはっ

 いっイク…

 イク

 イっちゃうよぉ」

鈴の音を思わせる甘い声を上げながら僕は

女の子絶頂に達してしまうと、

プシャッ

クリストスの下に開いている穴より

噴出すように愛液を漏らしてしまった。



「はぁ
 
 はぁはぁはぁ」

僕はその場に突っ伏しながら、

「凄い…

 これが女の子の…」

次第に伸びてくる髪を顔にまとわらせ、

僕は引いては押してくる快感の波に浸っていると、

ギィ…

閉じていた本殿の戸が開いた。

「え?」

戸が開く音に僕は顔を上げると、

「香山君?」

と男の声が響く。

「誰?」

プルン!

とゆれる胸を襦袢で隠しながら聞き返すと、

そこには女子の制服を着た筋骨逞しい男が

ずぶ濡れになって立っており、

「そこの女の子…香山君でしょ?

 私よ真田萌よ」

と男は僕に尋ねる。

「え?

 真田さん?

 ほんとに真田さんなの?」

思いがけない問いかけに僕は驚いていると、

「そっか、

 香山君が今年の姫になってしまったのね、

 ふふっ、

 あたしはそのお相手の彦よ」

メガネを光らせながら真田さんはそういうと、

グンッ!

雨が滴り垂れ下がっているスカートの一点が勢いよく持ち上がった。

「いっ」

まるで僕を突き刺してしまうかのように、

持ち上がってしまったスカートに僕は驚いていると、

「ふふっ、

 香山君…

 あたしね、

 香山君のことが前から好きだったの」

と真田さんは僕に向かって告げた。

「うそっ」

思いがけないその言葉に僕は固まってしまうと、

「だから…

 だから…」

真田さんはそう言いながら、

ゆっくりと持ち上がっているスカートに手を添え、

そして、

ギュッ

と握り締める。

真田さんの手の上にクッキリと浮かび上がる男の凶器の姿に

僕はたわわに膨らんだ胸を隠して震え始めるが、

その姿が真田さんを刺激してしまったのが、

「うふっ

 その姿とっても可愛いわ香山”さん”」

と僕をさん付けで呼び、

ニヤリ

不気味な笑みを浮かべながら、

「あたしのオチンチンで犯してあげる」

というなり、

ゆっくりと手を伸ばしてきた。

「いやぁぁぁ!」

迫ってくる手に僕は女の子のような悲鳴を上げてしまうが、

降り続く雨にその声はかき消されてしまったのか、

誰も駆けつけてくることはなく、

ギュッ!

真田さんの手は長く伸びた僕の髪を鷲づかみにすると、

思いっきり引き寄せる。

「香山さんの体、

 とっても柔らかくて、

 オッパイも膨らんじゃって

 本物の女の子みたい…」

僕を抱き寄せながら香山さんはそういうと、

強引に唇を寄せてくる。

「あんっ、

 いやっ

 こんなのって…

 こんなのって…」

唇から乳房を吸われ、

さらに、股間を弄る指が僕の秘所に潜り込んでくると、

「あっ」

ビクビクッ

と僕は思わず声を上げてしまうと体は大きく震えた。

「うふっ、

 すっかり洪水になっているじゃない」

卑猥な音を立てさせながら香山さんはそう指摘すると、

「ねぇ、

 あたしのオチンチンを握ってぇ」

と言いながら僕の手を掴み、

自分の股間へと導いていった。

「あっ

 熱くて…

 とっても硬い…」

筋肉質の体になってしまった香山さんの股間から

逞しくそびえる肉棒の姿に僕は驚いてしまうと、

「硬いでしょう?

 いまにも爆発しそうなのよ…」

と香山さんは僕の耳元でささやいた。

「え?」

その言葉に僕は香山さんの顔を見ると。

ニコッ

香山さんは笑い。

「一つになりましょう」

というや否や、

僕の太ももに手が添えられると

体が大きく持ち上げられる。

「あぁぁぁ」

まるで、赤ちゃんがオシッコをさせられるポーズのまま

僕は持ち上げられてしまうと、

ヒタッ

股間に刻まれている縦溝に割り込むようにして、

肉の球が押し当てられる。

「やめて

 やめて

 やめて」

グリグリとねじ込まれてくる肉球を感じながら

僕は泣き叫び訴えるが、

「いくよ…」

真田さんが意地悪そうにそう告げた途端、

メリッ!

「!!っ」

激痛とともに真田さんは僕の体内に入ってきた。

それからのことはわからない。

ただ、着ていた巫女装束を淫らに肌蹴させながら大股を開き

真田さんのペニスの激しい突きを体全体で味わっていた。

ペニスから熱い男の体液が放たれると、

真田さんを思いっきり抱きしめながら、

絶頂の高みへと駆け上っていったのであった。

「はぁはぁ」

「ふぅふぅ」

すべてが終わった後、

僕達は離れるが、

いまだ逞しい肉体を見せる真田さんを僕はチラリと見ると、

「あの雨の力って凄いんだな…

 真田さんがこんなになっちゃって…

 しかも男になった途端、

 僕を襲うだなんて

 真面目そうな顔して意外にエロいんだな…

 真田さんって…」

と小声でつぶやく。

降り続いていた雨がいつの間にか上がり

雲間から久しぶりの夕日が顔をのぞかせると、

シュルルル…

大きく膨らんでいた僕の胸は小さくなり始め、

消えていた筋肉が戻ってきた。

「あっ、

 元に…

 男に戻っていく」

僕は男に戻っていくのを感じると同時に

股間の溝が消えるとともにペニスが飛び出してくると、

横になったままの真田さんもまた胸が膨らみ、

腰はくびれ、筋肉が削ぎ落とされる様に無くなり、

男から女の体へと戻っていった。



こうしてすっかり元の性に戻った僕は

同じ様に戻った真田さんの体を見ると、

「あっ…」

急に恥ずかしくなったのか顔を赤らめ、

俯いてしまった。

そして、

「真田さんって

 近くで見るとこんなに可愛いな」

と思いながら、

いまだ眠り続けている彼女を揺すが

それでも目を覚まさなかったので

そっと彼女に口にキスをした。

すると、

「!!」

僕のその行為でようやく目が覚めたのか、

真田さんは驚きながら僕を見ると、

「さっきはよくもやってくれたな」

と怒った口調で言う。

その途端、真田さんは動揺し、

「あたしが悪かったわ。

 香山君、許して」

と言い訳をするが、

「許さない。

 お前の事、変態って言いふらしてやるから」

と僕は意地悪ぽく言い返すと、

ジワッ…

真田さんは僕を見つめながら涙をため始めた。

「あっいや、

 そう言うつもりじゃぁ」

そんな真田さんの姿を見て今度は僕が慌てふためき、

そして、つい真田さんを抱きしめてしまうと

「あの…

 なんて言ったらいいのかわからないけど、

 でも、僕も、

 その、君のことが好きだよ」

と言ってしまった。

「え?」

僕のその言葉に真田さんは嫌がっている様な素振りも見せず、

それどころか嬉しそうな顔をすると、

「嬉しい」

と言いながら抱きしめてきた。

こうして、竜神様の祭の日に起きた不思議な体験は終わったのだが、

ただ、後遺症が残ってしまったらしく…



「あんあんあんあん」

雨に濡れてしまうと、

僕と萌は性が逆転してしまい。

こうして萌のチンポに貫かれてしまうのであった。



おわり