1.ブルーノート 「リンゴの3点セットはブルーノートというセットである」というのは、少なくとも今(2005年11月3日現在)30代以上の人にとっては10年近く前迄は常識だったと思います。何故なら多くのビートルズ関係書籍にそう記されていたからで、それ以外のことを書いてあるものは殆ど(一部に型番が書いてあるものがありました)見なかった上、他に資料らしいものも見当たらなかったので盲目的に信じるしかなかったという事情が有ります。 仮説1:以前はセット名がブルーノートであると言われていたと同時にその色もオイスターブルーであると言われていた為、たまたま当時知り得たセット名の中のブルーの付く名前であったブルーノートがそれだろうと推測した(注、ブルーノートという名称自体は周知の通りジャズに由来)。 こんなところでしょうか。上記の何れも当たっていないかも知れませんが、不思議な話です。 |
2.オイスターブルー?ブラック? 1のブルーノートの話同様、リンゴの3点セットがオイスターブラックだという事実が確定したのはつい最近のことです。 やはり「ビートルズギア」が出版される数年前迄は「リンゴのセットはオイスターブルーだった、いやブラックだった、実は両方共所有していた」など各所で議論されていた様です。 その理由の大きなところは言うまでも無く写真から来ています。 ビートルズ時代の写真の多くは白黒で撮られている為、それらの白黒写真や白黒フィルムからはドラムがオイスターカラーの何れかであることは判ってもそれがブルーかブラックかまでは判別がつきません。 そこで、カラー写真やカラーフィルムでの判別となりますが、これがまた曲者で、ステージでの写真など周辺が青っぽかったり写真自体の色合いが青系になっていたりするとドラムも青っぽく見えてしまっていました。 そうすると、同じ様なセットに青系のものと黒系のものが見られ、上記の議論の発端となっていた訳です。 それに加えて、60年代のオイスターブルーとオイスターブラックの色調は実に微妙(70年代に入ると模様自体が変わると同時に青黒の区別がつき易くなります)で、見慣れていれば割と簡単に見分けがつきますが、そうで無いと並べてみてやっと判る位の時も有りますし、ましてや現物に至っては40年も経った現在では色褪せや変色も有って、詳細に見ないとどちらが黒でどちらが青やら非常に判り辛くなっているものさえあります。 |
3.オイスターブラックのカバーリング
オイスターブラック又はブラックオイスターと言えばビートルズを知っていてドラムのこともある程度知っていればラディックと言わなくてもそれだけでラディックのBOP=リンゴのドラムセットを想像するでしょう。 |
4.リンゴのスネア リンゴのドラムセット名に始まってその特徴的な色に関してお話ししたところで、ドラムセットのメインとなるスネアについて幾らか書いてみたいと思います。 註1:1964年にはリンゴのラディック社に対する貢献度を称えられ金メッキのスーパーセンシティブをプレゼントされており、又後期にはセットがハリウッドセットになりますが、それでも変わらずジャズフェスティバルを使い続けています。
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5.左が大で、右が小?
タイトルを見てピンと来た方は結構なマニアでは無いでしょうか。 |
6.リンゴのセット、そのハードウェア 4でリンゴのジャズフェスティバルが希少だと書きましたが、実はリンゴの使っていたドラム機材の殆どが非常に希少なものです。 その理由はそれぞれ作られた期間がごく短期間のものが殆どで現存するものの総数が少数だと想像されるからです。 とりわけジャズフェスティバルのリンゴと同一仕様のものは非常に入手困難と言えますが、以下のハードウェアも相当に入手し辛いものです。
以上の様に今となってはどれを取っても簡単に安価に入手出来るものは無くなってしまっています。 |
7.コピーバンドは音楽か否か
ここまで、ドラムに関して書いて来ましたが、一旦小休止して違う話題で書いてみたいと思います。 コピーバンドは音楽じゃなく猿真似だ、いや音楽だ、などと論議されることが往々にして有ります。 コピーバンドのやる演奏が音楽かそうで無いかは、演奏する側の意識に掛かっていると思います。 その話をするには先ずコピーバンドとは何かを考える必要が有りそうです。 では、順を追ってみてみましょう。 |
8.リンゴのシンバル 上記5で、リンゴが使っていた当時のシンバルの種類について少しだけ書きましたが、50、60年代のジャズドラマーの写真などを見てみるとクラッシュとライドの大きさに差が無かったり、リンゴの様にクラッシュ、ライドの径が逆転しているドラマーも見られることに気付きます。 ドラムスの歴史を考える上でジャズは欠かせないものです。 何故ならドラムセットはジャズと共に発展して今の形になって来た楽器であると言えるからです。 |
9.リンゴのセッティング ビートルズコピーバンドのドラマーさんで、リンゴのドラムセッティングまで忠実に再現しようとしている方が幾らか有ります。 そういったドラマーさんのセット持込で、それ程まで拘らないドラマーさんの居るバンドさんがジョイントになった場合、多くの場合後者のドラマーさんの目は点になります。何故ならそのセッティングがあまりに現在普通になっているセッティングとかけ離れているからです。 |
10.団扇はたき? リンゴの奏法の特徴として良く挙げられるものに、HHの叩き方が有ります。 |
11.何故にヴィンテージか?
楽器購入ガイドのドラムのところに究極はヴィンテージだと言う様なことを書きました。 それは、何故でしょうか。
楽器のことを何も知らなくてもこれだけ違えば音も当然違って来るだろうことは想像に難くないと思います。 何よりコピーバンドにとっては外観が全く違うのが許せないところです。 復刻版と謳っておきながら(実際にはメーカーは復刻版とは言っておらず、それを暗示するに留まっています)何故にあそこまで違うものになってしまうのでしょうか? その理由はメーカーに訊いてみないと判りません。 しかし、現実にはヴィンテージを買うことは出来ないけど復刻版の出来はあんまりじゃないかと思っている人達は多いと思います。 多くの人達が復刻版をヴィンテージに近づけようと、パーツを交換したり、カバーリングまで巻き直したりして来た筈です。 それでも結局「本物(ヴィンテージ)」にはならないので、結局頑張ってヴィンテージを買うことになるのです。 メーカーが本気を出して、何から何まで当時のままを再現して発売してくれたら、それはヴィンテージを既に所有していても欲しくなる位魅力のある商品が出来るでしょう。 良い例がリッケンバッカーのCシリーズですが、製造が追いつかずそれぞれのモデルを入手するのにかなりの時間を要している様です。 ラディックがそこまでやらない理由の大きなところはやはり採算性なのでしょうか。 |
12.リンゴのスネアその2 リンゴのスネアその2というと、リンゴが持っていたメインのJazz Festival以外のJazz Festivalのことか、はたまたプレゼントされたスーパーセンシティブのことか、それともそれら以外に当時リンゴが使っていたスネアが在ったのか等期待された方には期待はずれで済みません。 |
13.ビートルズコピーバンドというもの 久しぶりの更新です。 |
14.ビートルズコピーバンドのドラマーについて |
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