| 575号 菊花賞(GT) 京都 芝3000M |
| 3冠馬誕生か!? |
昨年の神戸新聞杯を圧勝してみせたシンボリクリスエスは菊花賞ではなく天皇賞に出走し快勝した。神戸新聞杯前にすでにダービー馬タニノギムレットは引退していたし、皐月賞馬ノーリーズンは神戸新聞杯でシンボリクリスエスにちぎられていた。しかも菊花賞ではノーリーズンが落馬・・・。結局、菊花賞は春のクラシック戦線でまったく実績のなかった連中で行われた。べつに結果が高配当になったからといってそのレースの勝ち馬の実力が低いわけではないが昨年の菊花賞はその時点では低レベルな一戦という評価がされていたように思う。そのあと有馬記念でヒシミラクルがまったく見せ場もなく敗れ、シンボリクリスエスが見事に勝ったことでその評価は定着した。だから天皇賞でヒシミラクルが勝っても「ふーん、すごいね」程度で終わり、宝塚記念ではまったく無視されるかのような人気にしかならなかった。確かにあのメンバーのなかでは仕方がないのかなあというところだったし、かくいう自分も、ひょっとしたら勝つかも、という程度にしか期待していなかった。ところがところが・・・。10月の菊花賞から8ヶ月経ってから不当に貶められていた菊花賞の価値を回復させた。 考えてみると昨年の菊花賞、勝ったヒシミラクルと2着のファストタテヤマの着差はハナ差でしかなかった。単純に考えれば、ハナ差残したヒシミラクルとハナ差届かなかったファストタテヤマにどれほどの差があるのかというところなのだが、その後の両馬の成績は雲泥の差がある。ヒシミラクルは人気面はさておき菊花賞馬にふさわしい結果を残し、ファストタテヤマはある意味では菊花賞2着馬っぽいのだが、いまだにGVさえ勝てていない。レース内容から言えば、要するに、距離を考えれば決して遅いペースではなかったなか、3角手前から仕掛けて押し切ったヒシミラクルと実に安田康彦的騎乗で直線一気に賭けたファストタテヤマでは中身の濃さが違うということなのだが、そういうレース分析よりも重要なのはファストタテヤマが菊花賞馬になれなかったということではないだろうか。つまり、相手関係がどうであれ菊花賞を勝つ馬は強い!ということだ。 長々と書いたがそういう観点から今年の菊花賞を考えてみよう。 どの馬が強いのか?それはもちろん2冠馬ネオユニヴァースだ。 神戸新聞杯の結果からあれこれと言われるが、神戸新聞杯は菊花賞トライアルではあるがあの結果はそう本番でこだわるようなものではないだろう。阪神芝2000Mと京都芝3000Mではレースとしてはまったく異質だ。菊花賞出走に向けての賞金加算や優先出走権云々もあるが、事実上菊花賞の唯一の前哨戦となった神戸新聞杯の存在意義は、有力馬が菊花賞を前に当たり障りのない斤量で負担が少なくて済むように同世代相手に実戦が行える場というほどのものだろう。それ以上でもそれ以下でもない。本番と1000Mも距離が違うレースが真の意味での前哨戦足りうるだろうか? もちろん3000Mのレースが2000Mと同じようなレースになってしまえばどうしようもない。「どうせ上がりの競馬だろうからね」とサクラプレジデント陣営がコメントしていて、だからこそ武豊騎乗で折れ合いに不安がなくなったウチの馬でも勝負になるんだよ、と言外に語っている。たぶんそうなのだろう。超スローの上がりの競馬になってしまえばゼンノロブロイとサクラプレジデントの決着になってもおかしくはない。 超スローの上がりの競馬になってしまうと切れ味の点で不利がわかっているのにそれでもなおタラタラとした騎乗しかしない騎手が多く、これまでに何度失望させられたことかわからない。今回も見渡したところ前へ行きそうな馬が少なくスローペースは必至というところなのだが、今回は安藤勝己がいるところに期待してみたいと思う。 98年のオグリキャップ記念。実力から言えばトーヨーシアトルで鉄板!というレースだったはずなのだが、結果は安藤勝己が乗るサンディチェリーが勝った。後続に影さえ踏ませない逃げ切りだった。あのレースの再現がこの菊花賞で起こるのではないかと考える。神戸新聞杯でのザッツザプレンティの敗因は決め手の差。これは橋口先生も安藤騎手も認めている。今回は「道悪なら」という評価が定着しつつあるようだが、道悪=時計がかかる、という意味ではない。この馬には芝の良馬場で戦うスピードが不足しているのではない。それは血統を見てもわかる。要するに切れる脚がないのだ。だから切れ味を要求されない馬場で好走するのだ。渡辺薫彦ではなく安藤勝己なのだ。自分の馬のよさを殺して相手に合わせる乗り方をするはずがない。サウスポールが行くようなことを言っているようだがペースが遅ければザッツザプレンティがハナを切るのではないかと思う。そこそこのペースで引っ張り、4角先頭でそこから突き放す競馬をすれば、本質的に3000Mは長いサクラプレジデントとゼンノロブロイが2000Mと同じ脚を使えるとはちょっと考えられない。 そこそこのペースになればネオユニヴァースには願ってもない展開だ。4角で同じ位置にいてヨーイドンではゼンノロブロイにあっという間に引き離された神戸新聞杯の二の舞になるのは必至だしサクラプレジデントにさえやられるかもしれない。ゼンノ、サクラに比べると瞬発力で見劣るのは否めないだけに、一歩(か二歩)先に仕掛けて押し切る競馬が必要だ。むろんデムーロは心得ているだろうからそういう競馬をしてくれるのだろうけれど、そこにさらに安藤勝己が超スローにさせないペースを作ってくれるなら言うことはない。この2頭が本命と対抗だ。 ゼンノロブロイは強い。流れが遅くなれば勝っても不思議ではない。押さえることは押さえるがあまり信用したくない。神戸新聞杯のあとの藤沢先生のコメントを考えるとなぜ菊花賞に出走したのかよくわからない。最終的には藤沢先生が馬主を説得したというが不可解だ。つまるところシンボリクリスエスとの兼ね合いだろう(神戸新聞杯のあとは、シンボリとは馬主が違うから2頭出しでも問題なしと言っていたが・・・)と思う。春天と違って菊は距離適性よりも絶対能力がモノを言うとの判断なのだろう。しかし距離適性も問われる流れになるように思うのだけれどもね。それにそもそも藤沢厩舎が菊花賞ということ自体に違和感があるしねえ。ペリエはBCを蹴って来日したので意気込みが違うらしいがやる気だけで勝てればナリタトップロードはGTをいくつも勝てただろう。もっともナリタトップロードの鞍上はペリエではなかったが。 サクラプレジデントはゼンノロブロイよりもさらに距離適性で劣る。いまの日本では「掛からなければ距離はもつ」というのは確かに真実ではあるがそれだけ勝てれば苦労はない。確かにタフな東京コースよりもスピードが活かされる淀がいいというのはわからなくはない。相手も古馬相手より軽い。ただやはり3000Mというのはこの馬には長すぎる。神戸新聞杯で捲くりが失敗に終わったのは長くいい脚を使えるタイプではないという証拠だろう。この手の馬でも菊花賞を勝てなくはないが、今回はメンバー、騎手を見渡すとやはり厳しい。ここは無印。たぶんこのあとはマイル路線に転じるのでは? 3頭でよさそうだが、いちおう押さえに、ニシノシンフォニー、リンカーン、チャクラを推してみよう。前へ行ける馬かロングスパートができる馬がいい。この3頭はそういう競馬ができそうだ。 馬券はいちおう2冠馬に敬意を表して馬単流しだが、ザッツザプレンティ絡みも押さえたい。 |
| 1着ザッツザプレンティ 2着リンカーン 3着ネオユニヴァース |
| 敗者の戯言 いやー、痛恨・・・。「ザッツザプレンティ絡みも押さえたい」と書きながら完全に買い忘れ・・・。うーん、うーん、うーん。展開が読みどおりだっただけに言葉もない。ゼンノロブロイとサクラプレジデントの敗因は流れが向かなかったということに尽きるだろう。控えたサクラは末脚を出す前にガス欠を起こしたようだし、前に行ったゼンノも伸びを欠いた。ザッツザプレンティが中団に控えたときにはどうなるのかと思ったがさすが安藤勝己、早めに仕掛けて3角過ぎにはもう先頭に立っていた。そのまま押し切った内容は京都の外回りの長丁場の典型的な勝ち方。お見事だ。ネオユニヴァースが2番手に追い上げたときには馬単本線的中か?と思ったのだが、残念ながらそこから伸びを欠いた。ああいう負け方はちょっと想像できなかっただけに残念。道中行きたがったのが響いたのだろうか?惜しい。リンカーンは勝負どころで内にいて動くに動けなかったのが響いたのかもしれないが、あそこでタメた分伸びたのかもしれずなかなか難しいところ。ただこの馬も春の強さを取り戻した。このあとが楽しみだ。マッキーマックスはいい脚を使い一瞬見せ場もあったが、止まった。切れるタイプではあれが精一杯だろう。京阪杯あたりなら面白いのでは?以上。とにもかくにも痛恨の菊。 |