(9)マリアナ沖海戦

本当の敗因とは?

兵力 経過 結果
 この戦いは「マリアナの七面鳥打ち」とアメリカでは呼ばれて、日本が無惨に惨敗した戦いである。太平洋戦争の中でも最大規模で行われたこの戦いで、日本が負けた原因は、アメリカのハイテク(レーダーとVT信管の新兵器の開発)と日本の航空機の搭乗員が未熟だった為と言われている。しかしこれは納得できない。アメリカの戦兵器は米軍の事であるからともかくとして、日本の航空機の搭乗員が未熟だった事などは日本軍の事なのであるから事前に分かる筈である。にも関わらず、この作戦を実行したとなると、作戦自体に無理があり、その作戦を指導した司令官の問題ではないだろうか?。従って敗北の原因は他にあると考えざるを得ない、のではないだろうか?。
(9−1)アウトレンジ戦法
 この戦いでの日本の作戦はアウトレンジ戦法である。アウトレンジ戦法とは、日米の艦載機の航続距離を比べると日本のそれの方が長く、米軍の艦載機が届かない距離から艦載機を発進させ、攻撃するという戦法である。この戦いでの日本の作戦は、米機動部隊を発見後、米軍機の攻撃圏外から搭載機を発進させ、まず米機動部隊の空母に致命傷を与える。その上で先行させている戦艦を中心とした部隊を接近させ、砲撃戦を行い米機動部隊を壊滅させる。という立派なものであった。作戦自体は完璧である。戦後の軍事評論家も評価するこの作戦だったが、このアウトレンジ戦法には問題があるのである。
(9−2)捕捉
 単純に考えただけで問題点は二つある。まず敵艦隊を捕捉できるかである。今みたいにレーダーが発達していなかった当時は、偵察機を飛ばして敵艦隊を発見して、空母搭載機を発進させるのが普通である。そして、通常は一時間から一時間半くらいの時間で敵艦隊発見の位置に到着し攻撃開始となる筈なのだが、、発見から一時間もの間に敵艦隊が同じ場所にいる訳がないから、その付近を探し、発見次第攻撃開始となる。しかし発見できない場合も考えられる。現実に発見できなかった事もかなりある。アウトレンジ戦法の場合は更に時間が長くなる。米機の攻撃範囲の外から攻撃する為、二時間から二時間半の時間がかかる事になる。単純に考えて敵艦隊を捕捉する確率は通常時の半分となるので、出撃しても敵艦隊発見できない可能性が高くなるのである。