泌尿器症状
2、多尿
鳥の尿には固形の尿酸と水分尿がある。多尿とは水分尿が多い場合をいう。そかし全ての水分が真の尿ではなく、腸から分泌されたものや吸収されずに通過しただけの水分もある。多尿は下痢と間違われる場合が多いが、水分が多くても、便の形がある場合は下痢ではなく、多尿という。
ロリキート以外のほとんどのオウム目、スズメ目の飼鳥は正常では一日に0〜数回しか水分尿は出さない(例外種もあり)。もし毎回多尿の場合は、異常と捕らえなければならない。当然多尿の鳥は、多飲症状を示す。
飲水量は鳥種により異なるが、通常体重の5〜15%である。もし体重の20%を超える量の水を飲んでいる場合は、異常と捉えなければならない。
鳥も糖尿病に罹患する。人の場合、膵臓の内分泌腺であるランゲルハンス島のβ細胞から分泌され、血糖値を下げる作用を持つインシュリンの分泌低下が原因である。しかし鳥の糖尿病はランゲルハンス島のα細胞から分泌され、血糖値を上げる作用を持つグルカンゴンの分泌過剰が原因である。多飲多尿の他、多食を呈するが削痩する。また視力低下がみられ、眼圧上昇が疑われる。

多尿(オカメインコ):糖尿病;血糖値500mg/dl以上、飲水量約100cc/day
甲状腺機能が亢進し、甲状腺ホルモンが分泌過剰となる病気である。鳥では原因が不明であり、突如として発症する。症状は多飲多尿の他、極度の食欲亢進を呈するが肥満はしない。また視力低下がみられ、眼圧上昇が疑われる。鳥においてはホルモン定量による確定診断が出来ないため、甲状腺機能抑制薬にて診断的投薬を行う。

甲状腺機能亢進症(セキセイインコ♀):外観に異常はないが、通常の5倍以上の餌を摂取するにもかかわらず太らない
血液中の中性脂肪(トリグリセリド)、コレステロールの値が高い状態であり、通常肥満に伴う症状である。しかし正常体重の鳥にも高脂血症、高コレステロール血症の両方、もしくはどちらか一方を呈し、多飲多尿を呈する個体が存在する。

多尿(セキセイインコ):高脂血症;飲水量約30cc/day
腸内に寄生する原虫による下痢症状にともなう多尿である。
様々な感染症に伴う下痢や多飲による多尿である。
家の中には鳥が食べたり、吸ったりすると危険なものが多く存在する。鳥が中毒を起こすものには壁紙、ペンキ、揮発物(シンナー、マジック、接着剤等)、ホルムアルデヒド、防虫剤、殺虫剤、たばこ、化粧品、観用植物、肥料、薬剤、廃油、菓子類(チョコレート等)、古いナッツ類、陶器、金属類(鉛、亜鉛、錫等)、ストーブ(一酸化炭素)などがある。原因により、吐出、下痢、呼吸困難、神経症状など様々な症状を呈す。
塩土やボレー粉、イカの甲などの鉱物飼料を多食する個体には口渇感がみられ、多飲を呈し、これに伴って多尿となる。特に塩土を多食する場合は週に一回、半日程度与えるようにする。
発情した雌鳥は多食し、それに伴って飲水量も増加する。また貯めて大型便をするため多尿となる。
興奮・緊張状態の時は心拍数が増加し、これに伴い腎血流量が増加するため尿産生量が増加し多尿となる。
種子食の鳥よりもペレット食の鳥の方が水分を多く取るため、やや尿量が増加する場合がある。
換羽時に多尿を呈することがある。飲水量が増加するためだが、詳しくは分かっていない。
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