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 病鳥の看護の基本は、何よりもまず保温するということである。鳥は40〜42℃という高い体温により、病原体、特に細菌に関して強い抵抗力を持っている。鳥が容易に化膿しないのはこの高い体温のおかげである。しかし何らかの原因により食欲がなくなった場合、代謝による熱産生率が下がり体温が下がってしまう。これにより鳥は膨羽嗜眠状態に陥る。この状態では病原体に対する抵抗力が下がり、病気は悪化する一方である。保温の有無は病気の治癒率を大きく左右する。ここでは自宅での保温の方法、看護の意味について解説する。

1、保温の仕方

 鳥は食欲低下により体温が低下すると、体温を保持するため羽を逆立て、嘴を羽の間に入れる。この状態を一刻も早く見抜き、保温を行わなければならない。しかし皆さんはきちんと鳥を保温できているだろうか。カゴに布を掛けたり、暖房をかけたりするだけでは到底鳥を保温しているとはいえない。鳥は膨羽した状態が取れて初めて暖かいと感じているわけであり、そこまでの温度が作れてはじめて保温出来ているといえるのである。しかし自宅では病院で行うような一定の温度管理は出来ない。よって自宅では熱源を横から付け、カゴ内に温度の勾配が出来るようにし、寒ければ暖まり、暑ければ逃げるというように、鳥自身に温度を選んでもらうようにすると良い。ここでは保温法の例を紹介する。

 カゴの横の止まり木の延長上に、スタンドやゼットライトといったものを使い、60〜100wの白熱球をつける。鳥は寒ければ電球によって暖まり、暑ければ逃げて好きな温度を選ぶことが出来る。もし電球をつけても羽の膨らみがとれない場合は、カゴに布を掛けると良い。ただしカゴ全部に掛けてしまうと、暑かった時の逃げ場所が無くなるため、電球の反対側は開けておくようにする。夜は暗くして温めるには、ひよこ電球をつけると良い。

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                   電球を使った保温法                         布で覆う場合

 ペットヒーターRはひよこ電球にオレンジの金属カバーがついた保温器具である。これをカゴ内の角に取り付け、寒ければヒーターによって暖まり、暑ければ逃げるようにさせる。もしこれだけで羽の膨らみがとれなければ、布を掛けても良いが、必ずヒーターの反対側は開けておくようにする。ペットヒーターRには20w〜100wのものがあるが、100wのものを使うと良い。20wを使っている人が多いが、高い温度を作ることは出来ない。もし鳥がヒーターの上に乗ってしまうようであれば、火傷を起こすため、上に乗れないように工夫する必要がある。

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             ペットヒーターを使った保温法                          布で覆う場合

 カゴをコタツに半分入れ、半分は出しておくようにする。寒ければコタツに入って暖まり、暑ければ出てくるようにさせる。この場合十分な温度を作ることが出来るため、けっしてカゴ全部にコタツ布団を掛けてはならない。またコタツは赤外線式の物を使い、温風式の物は風が当たるため使ってはならない。

 カゴにビニールや布を掛け、ホットカーペットの上においておく。この時もカゴ全部に掛けてしまうと、暑かった時の逃げ場所がなくなるため、一箇所は開けておくようにする。

2、病鳥の看護と注意点

 鳥の看護で重要なことは安静にするということである。しかし中には看護することの意味を勘違いしている人が非常に多い。看護をかまってあげることと勘違いしてはならない。また生活を楽にしてあげるということも重要である。ここでは病鳥の看護とその注意点について解説する。

 鳥も病気の時には安静にしなければならない。しかしよほど具合が悪くない限り、手乗り鳥は外に出たがってしまう。皆さんは病気の人が寝てなければいけないのに、起きて遊びたいからといって、これを許すでしょうか。やはり ”いけませんよ”と寝かせることだろう。これと同様に鳥が出たがっても”いけませんよ”と安静にさせておかねばならない。また逆に重症でじっとしてしまっていると、鳥をカゴから出して抱いたり、撫でたりしてしまう人がいる。皆さんは病室で安静にしていなければならない人を連れ出したりするでしょうか。とにかく具合が悪い時には触らずに安静にしておかなければならない。

 安静にとは言えど、外に出さないと鳥が落ち着かない、暴れてしまうという人もいることだろう。しかしこれは人が見えることから、出して欲しいとアピールしているのであって、人が見えなければいつまでも落ち着かないということはない。よってカゴに布を掛けておくか、人がいない部屋にカゴを置くようにすると良い。心配だからとずっと見ていたりはせず、なるべくほっておいた方が安静にできるのである。

 安静にするというと、暗くして寝かせようとしてしまう人がいる。しかし鳥は暗い状態では餌を食べれなくなってしまう。よって必ず餌が見えるように明るくしておかなければならない。食欲が低下している場合は、夜も明るくしておくと良い。こうすれば餌を食べる時間を長くすることができ、回復が早くなる。明るいと寝れないのではと心配する人もいるかと思うが、明るくても好きな時に寝るため、寝不足の心配はない。

 ほとんどのカゴは餌箱は下についており、また鳥は上の止まり木にとまっている。通常はこうすることにより鳥が動くため良いのだが、病気の時は食べるのに下に行って、また上の止まり木に戻ってくるという生活は少々辛くなってしまう。よって次のように楽な生活が出来るよう、カゴ内を変えると良い。

  1. 脚が悪い場合、ほとんど動けない場合

 カゴの下のプラスチック製の糞受けを外し、金網のみとする。止まり木は下に一本のみとし、上は外しておく。下は新聞紙を敷くのみとし、タオル等布類は爪が引っ掛かるため基本的には使わないようにする(例外もある)。こうすることにより鳥を下で生活させ、脚に負担がかからないようにすると良い。

  1. 一般的な病鳥の場合

 1.のようにしても良いのだが、脚が悪くなく止まり木に止まれる場合には、糞受けは付けておいても良い。止まり木は下に一本のみとし、上は外しておく。こうすればとまった位置から直ぐに食事がとれるため、楽な生活をさせることが出来る。

  1. 2.の状態で落ち着かない場合

 2.のような状態にすると鳥が上に行きたがり、落ち着かない場合がある。この時には上の止まり木を少し下げた位置に付けてやると良い。これだけでも傾斜がゆるくなるため、鳥は楽になる。もしくは上の止まり木は付けたままで、餌入れと水入れも上に付けてやると、生活が楽で良い。

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