
![]()
THE FACT OF HOME TREATMENT
以前から様々な素人療法が飼育指導書に紹介されてきたが、それらのほとんどが経験的な物であり、科学的な根拠のない物ばかりである。人でいう素人療法は、生薬や健康食品などを使ったも物多いが、鳥の素人療法にはかなりの荒治療が多く、実際にはまず効果がない物ばかりである。ここでは良く知られた素人療法の実際について解説する。
これは卵が詰まった時に、総排泄孔よりオリーブ油を注入し、産卵を促すといわれている方法である。しかしこの方法には何の効果もえることは出来ない。卵が停滞しているのは卵管の子宮部である。卵が産めない原因は卵管孔が開かないためであり、オリーブ油を注入しても、卵管内に入ることはなく、腸内に入ってしまうことになる。よって卵が産みやすいよう潤滑を与えることも出来ず、また陣痛を起こさせることも出来ないのである。

これはお酒を飲ませることにより、鳥の体温を上げて血液の循環を良くし、産ませようという方法である。しかし単純に考えてみれば分かるように、お産に失敗しているというのに、お酒を飲ませるとはもっての外である。もし飲ませ過ぎれば、酔ってしまったり、場合によっては死亡することも考えられる。絶対にやってはならない方法である。
鳥は常に高い血糖値を維持することにより、高い体温を保ってる。よって食欲がなくなった場合、鳥は直ぐに血糖値が下がり、体温が低下する。これを防ぐためには、以前から蜂蜜や砂糖水を飲ませると良いとされている。しかしこれはあくまで応急処置であり、飲ませながら病気が回復するを待つための処置ではない。この処置ではまず鳥の体重を維持することは出来ない。とにかく食欲がない場合には一刻も早く病院に連れて行き、適切な対処を受けなければならない。
食欲がない時は、皮を剥く手間を省くためにむき餌にし、また消化を良くするためにすり潰したり、ふやかしたりすると良いとされている。しかし鳥は極力種を剥いて食べようとする。またふやかしたり、すり潰したりすると消化が良いとはまったくの素人考えであり、鳥は弱っていても十分生の餌を消化することが出来る。よってこのようなことはする必要がない。またふやかした餌は腐りやすいため、カンジダ症の原因やその症状を悪化させることにもなる。
ビオフェルミンなどの整腸剤とは乳酸菌のことであり、腸内細菌を整えるための薬である。しかし基本的に動物種それぞれ由来の菌でなければ腸に定着しない。つまり人には、人由来の乳酸菌でないと腸に定着しないのである。しかし日本において鳥類由来の乳酸菌製剤はない。よって市販されている鳥用の整腸剤とは、本来は人用、もしくは豚用の物を使っているため、腸には定着することはないのである。下痢をしているのであれば、一刻も早く病院にて適切な処置を受けなければならない。
体を終始羽繕いしていると痒がっているように見えるため、その部位に痒み止め軟膏を塗ってしまう人がいる。また毛引きをしても、その部位に軟膏を塗ってしまう人がいる。しかし鳥に軟膏を使ってはならない。もともと見当違いで軟膏を使ってしまうのもそうなのだが、軟膏を塗るとその部位の羽毛の機能を阻害し、また軟膏が付着することにより、鳥が嫌がって余計に気にしてしまう。
軟膏自体が体に付着することを、鳥は非常に嫌がり気にするため、余計にその部位を噛んだりする原因となるため、軟膏を塗ってはならない。
鳥が痒がって見えるのは、ほとんどの場合羽繕いであり、ダニやハジラミなどの外部寄生虫が付いていることはほとんどない。よって安易に市販の駆虫剤をかけたりしてはならない。寄生虫がいれば肉眼で見えるはずである。しかし中には本当に寄生虫がいることがあるので、その場合には市販の駆虫剤でも効果が期待できる。ただし薬を使いすぎたりすれば、調子を崩す原因となるため、安易に使うことはえず、病院にて処置をしてもらうとよい。
毛引きの原因は症状から考えられる病気の項で解説しているように、様々な原因が考えられる。よって安易にストレスと決めつけず、その対処法として鏡を置いたりしてはならない。鏡は発情を促進する原因となる。
![]()