川口オートふぁん          Blog Page

「オートレース(公営競技)の衰退 ( 2006/7/12up )

 
  近頃の川口オートを見ていると、客数の減少傾向は止まりません。当然売上高も減少の一途です。
  他のレース場では業務の民間委託や、開催日数の減少、また当地川口でも埼玉県が脱退と危機的状況です。
  また競輪や競艇、地方競馬においても同様の減速傾向は著しく、中央競馬もまた、一時のブームを過ぎつつある 
 ことは確実です。
  戦後の混乱期に始まり、それぞれ小型自動車など名目的な振興策を掲げ、実質税収効果を上げてきた公営競技
 でしたが、高度成長期を経て、バブルの到来、その後のバブル崩壊など、長い歴史を走り続けてきました。
  オートレースもダート競技、四輪車競走、舗装路の導入、三連単の導入などの変化をしてきましたが、現在は全くの
 頭打ちの状態です。結局まともに収益が上がっているのは川口市だけとなってしまいました。
  この減退状況はさびしいかぎりで、オートレースを愛してくれるみなさんも同様に思ってくれるものと思います。
  オートレース復活、そして公営競技復活の機はあるのでしょうか。
  実際バブル崩壊後の景気の後退、経済の混乱などから、時期を同じくして公営競技の売り上げや収益が減少して
 きましたが、ここ数年景気動向は回復の方向です。その景気回復も私たち一般庶民には認識が難しい状況ながら、
 政府等から発表される数字は確実に上向き傾向です。これらがいわゆる格差社会の歪として、一部の人たちだけに
 実感できるものだとしても、やはりオートレースを含む公営競技の売り上げや収益には何の影響は全く見られません。 
  また実際問題として、今の社会において小型自動車事業や自転車事業の振興に予算が必要な時代とも思えません。
  各地方自治体としても、公営競技の収益を予算収入としていた自体は終わり、一部で赤字計上で税収不足を悩む
 自治体経営を圧迫しています。小型自動車振興会への売り上げの一部(5%)上納さえ免除を受けている開催自治体
 も複数あるわけです。つまりオートレースは小型自動車振興目的で設立されたにもかかわらず、その目的は全く果たし
 ていません。
  ここまで書いてくると、この場でオートレースの廃止を求めているように聞こえますが、決して本意ではありません。
 ただこういう現状にあるとねみなさんにも知っておいてもらいたいと考えます。
  現在のオートレースや公営競技の方針としては、売り上げの増加を目指すより先に、収益の改善、悪化防止に全力で
 す。経費削減のため多くの窓口の閉鎖や、人件費の削減、自分の開催日数を減らすことによる赤字の防止、場外発売
 による収益の確保などが進められています。実際の開催では、賞金を含め一定の経費が必ず必要で、売上高次第では
 赤字経営になる可能性があります。しかし場外発売では、売上高の15%を発売地区が確実に確保でき、経費を削減すれ
 ば必ず収益が見込まれる仕組みになっています。残念ながら場外発売の方が収益が確実で、本場開催にはリスクを伴
 うというのが現状です。
  しかし主催者としてはこういった選択肢しかなくなってきている厳しい状況といえるでしょう。
  現在のオートレース業界の基本方針は存続に努力する方向ですが、これからの状況次第では最悪な方向への意思
 転換も現実になってくるでしょう。
  ではオートレースの衰退の原因危難なのでしょうか。エンジンの改良や単一化、タイヤの劣化、三連単による的中率
 の低下、主催者の努力不足、選手のいい加減さ、設備の不備、宣伝不足など、みなさんもいろいろ複数のご意見はある
 ことでしょう。
  しかし最大の要因は、やはり社会情勢の変化、娯楽の多角化、若年層のギャンブル離れ、これらの尽きると思われま
 す。ここ数年のレース場を見るかぎり、若者の入場者の減少、客層の年齢層上昇は確実です。若い新しいファンの増加、
 獲得がなければ、やはりオートレースや公営競技の復活や存続は難しいでしょう。
  一時は未成年者の車券購入などが問題になった時代もありましたが、今は残念ながらそんな場面も見当たらず、
 場内で20代前半のお客さんはほとんど見当たりません。
  若者のファン獲得が最大の命題となりますが、実際今の世の中、娯楽は多種多様に多角化されてきました。
  これからのオートレースを含む公営競技にとっては、更に厳しい時代に突入することは確実です。
  今、オートレースを楽しんでくれているみなさん、応援してくれているみなさん、また選手を含め関係者のみなさん、
 一緒にがんばっていきましょう。出来れば若い人をどんどん巻き込んでいきたいものです。