型式番号の解説


●地球連邦軍

  連邦軍製か連邦軍所属の機体は、基本的に頭に「R」を付ける。これは、ほぼ一年戦争以後もほぼ普遍的なものとして受け継がれている。
 一年戦争当時の型式番号は「R」に続いて、試作機には「X」、量産機にはその機体の愛称を略号化したものをつけることになっていた。

   例:
    RX−78 ガンダム
    RGM−79 GM

 しかし、機種が増えると共に、愛称の略号化が繁雑化してきたため、以下のように改定された。

   試作機:RX−□□□
   量産機:RMS−□□□

 数字は上二桁が開発基地のコードナンバー、下一桁が開発された順番を示す。
 ちなみに、一年戦争終結までに開発された機体に関しては、繁雑さや混乱を避けるために、当時の番号をそのまま踏襲した。
 開発基地のコードナンバーは以下の通りである。


10…グラナダ
11…ルナU
12…コンペイトウ(旧ソロモン)
13…旧ア・バオア・クー
14…ペズン
15…ニューギニア
16…キリマンジャロ
17…グリプス
18…ジャブロー
19…ジャブロー
             

   例:RMS−106 ハイザック
        量産機(RMS)でグラナダ製(10)の6番目の機体

 また、以上の表記では9番目の機体までしか示すことが出来ないため、10番目以降は最初の数字1を2とすることで対応している。

   例:RX−272 ガンダムMk−V
        試作機(RX)でグリプス製(17)の12番目の機体

 MAに関しては、頭に開発基地の頭文字と試作機を表すRXを組み合わせて表示する。

   例:MRX−009 サイコガンダム
        ムラサメ研究所製(M)の試作機(RX)で9番目の機体

●地球連邦軍(ジュピトリス)

 ジュピトリス製のMSは単純に、設計オブザーバーであるパプティマス=シロッコの頭文字「P」を最初に入れ、「PMX」と示す。

  PMX−000 メッサーラ
  PMX−001 パラス・アテネ
  PMX−002 ボリノーク・サマーン
  PMX−003 ジ・O

●地球連邦軍 ロンド・ベル隊

 ロンド・ベル隊は連邦軍の外郭部隊なので、型式番号も連邦軍に準ずる方式で表記される。
 しかし、この部隊には新型MSが優先的に供給されており、RGM-089ジェガンやRGZ-91リ・ガズィなど表記の法則から外れた機体もある。
 RGM-89ジェガンのRGM」は、この時代では既にGM系量産型MSを表すものとして定着している。数字の部分はU.C089年に開発されたことを示す。
 RGZ-91リ・ガズィは、アルファベット部分は“Refine-GUNDAM-Z”の頭文字で表わされており、機体名称もそれを略したものだ。数字はU.C0091年に開発されたことを示している。
 これらの機体が連邦軍の表記法から外れた理由としては、アナハイムエレクトロニクス製であることも要因の一つである。
 また、同隊にはRX-93νガンダムが配属されていたが、この機は現用の番号表記に添って伝統の試作機ナンバー「RX」を受け継いでいる。数字は恐らく完成したU.C0093年を示しているものと思われる。

●反地球連邦組織エゥーゴ

 エゥーゴは基本的に地球連邦軍から派生した組織であるため、MSは連邦製の機体を使用していた。
 しかし、独自に開発したRMS-099リックディアスの誕生を期に、分類上の型式番号が必要になった。
 また、リックディアスの開発は極秘で進行していたため、機密漏洩を恐れたエゥーゴは、連邦式の偽装型式番号を付けて情報を混乱させていた。

   例:RMS−099 リックディアス

 上記の番号を連邦軍のナンバリング法に添って解読すると、量産機(RMS)でコードナンバー09の基地で開発された9番目のMSということになる。
 しかし、コードナンバー09の基地などは存在しないし、9番目の機体でもないので、この型式番号は全くのでたらめであることが判る。
 後にティターンズとの戦闘が激化するにつれ、コード番号を区別する必要から以下の様に制定され、RMS-099もこれに準ずるように改められた。

  MS□−□□□
   例:MSA−099

 エゥーゴのMSは、大量生産を想定していないため、試作機も上記と同様に記載された。
 前半のアルファベット部分の末尾の部分は、基本的に生産工場の頭文字が入れられる。エゥーゴは全てアナハイムエレクトロニクス製なので、ほとんどが入れられている。
 しかし、試作機などで一機のみしか生産されなかった場合等には、設計者のイニシャルやプロジェクトの頭文字が入れられることもあった。番号は、開発順に入れられる。
 ただし、MSN-100は正しくはMSN-001になるはずだったのだが、百式というネーミングにこだわりがあった開発主任のM=ナガノ博士の主張で001を100とされた。

   例:
    MSN−100 百式  (Nは開発主任のM=ナガノ博士を示す)
    MSA−003 ネモ  (Aはアナハイムエレクトロニクスを示す)
    MSZ−006 Zガンダム  (Zは「Zプロジェクト」の頭文字)

 だが「Zプロジェクト」からの派生MSは、アナハイムエレクトロニクス社内の別プロジェクトと同時進行されたため、グリプス戦争中期以降は矛盾が見られるようになった。
 故に、ロールアウト時の繁雑化を避けるため、基本形を踏襲しつつ、各プロジェクトチームで独自の識別手段を織り込んでいる。

   例:MSA−0011 Sガンダム

     MSA−0012 Λガンダム

 上記の機体は、本来ならばMSZ-011、MSZ-012と記すべき存在であるが、MSZ-010ZZガンダムがMSZ-006Zガンダムの後継機として決定したため、上記の「Zプロジェクト」派生MSは仮ナンバーとして開発が進行された。
 これは、複数の設計が同時に存在し、どの設計が本格化するか明瞭には判らなかったためである。

●ジオン公国軍

 ジオン公国軍は他のものに比べ、単純でわかりやすい。
 前半のアルファベット部分の「MS」はモビルスーツを、「MA」はモビルアーマーを指す略号である。
 頭に「Y」が付く番号は実験機を、末尾に「M」の付く番号は水陸両用を、同じく末尾に「N」の付く番号はニュータイプ専用を、それぞれ示している。
 数字の部分は、開発された順番につけられている。数字の後に付くアルファベットは、装備や仕様の違いを表している。

   例:
    MS−06F ザクU(モビルスーツ)
    MS−06D ザク・デザートタイプ(モビルスーツ)
    YMS−07 プトロタイプ・グフ(実験用モビルスーツ)
    MSM−07 ズゴック(水陸両用モビルスーツ)
    MAN−07 グラブロ(水陸両用モビルアーマー)   
    MSN−02 ジオング(ニュータイプ専用モビルスーツ)
    MAN−08 エルメス(ニュータイプ専用モビルアーマー)

●ネオ・ジオン(第一次ネオ・ジオン抗争時)

 基本的には、「A」はアクシズ、「M」はモビルスーツ、「X」は試作機を示し、番号は開発順を示している。
 番号は、000番代と100番代があるが、これは開発部門が2系統あるためである。

   例:
    AMX−003 ガザC(アクシズ製試作モビルスーツ開発部門1の3機目)
    AMX−101 ガルスJ(アクシズ製試作モビルスーツ開発部門2の1機目)

 MAに関しては、「A」(アクシズ)の後にモビルアーマーの略である「MA」を付け、番号は開発順を示すというのが基本だが、結局、これに当てはまるのは以下に上げる1機のみであった。

     AMA−01X ジャムル・フィン

 この機は、数字の後に「X」が付いているが、これは完成前に仮の手足を付けて実戦投入されたためで、あくまでも例外である。

●ネオ・ジオン(第二次ネオ・ジオン抗争時)

  この時期のネオ・ジオンは旧ジオン公国軍の表記に近い形に戻っている。

   例:AMS−119 ギラ・ドーガ

 「A」はアクシズを指し、「MS」はモビルスーツを示す。
 アルファベット部分末尾にが付く場合には、旧ジオン公国軍と同様にニュータイプ専用機を示している。

   例:
    MSN−03 ヤクト・ドーガ(ニュータイプ専用モビルスーツ3機目)
    MSN−04 サザビー(ニュータイプ専用モビルスーツ4機目)

 MSNナンバーの機体はMSN-02ジオング以来、実に13年振りにそれを継承した形で表記された。
 また、唯一のMAであるNZ-333αアジールは、旧ネオ・ジオンのNZ-000クィン・マンサを踏襲する形で表記している。

●火星独立ジオン軍「オールズモビル」

 この組織は、旧ジオン公国軍がそのまま存続していたと言っても過言では無い組織であるため、機体は元より、その形式番号の表記も基本的には旧ジオン公国時のものを使用している。
 ただ、頭にオールズモビルを表す頭文字「O」が付き、更に末尾には恐らくリファインの略と思われる「RF」が付けられている。

   例:
    OMS−06RF RFザク

 リファインとは言っても、一年戦争時の機体を改修したり、強化したものではなく、UC0090年以降の技術を投入して再設計されたもので、中身は全く異なると言って良い。

●クロスボーンバンガード

 クロスボーンについては、正式な形式番号は一切公表されていない。
 「XM」というコードは、連邦軍が識別のために付けたものとされている。

   例:XM−01 デナン・ゾン

 「X」は未知、「M」はモビルスーツを表し、数字は連邦軍が認識した順らしい。
 形式番号を隠蔽する理由はいくつか考えられるが、一番の理由は開発、製造をしている企業や工場を知られないようにするためだろう。

 ただし一説では、「XM」は正式な形式番号で、「X」はクロス、「M」はモビルスーツを表しているという見方もある。
 また、コスモバビロニア戦争から10年後に木星圏に出現したクロスボーンも、同じ表記方法を使用しているらしく、これが正式な形式番号であるという説も現実味を帯びてきた。

●木星帝国軍

 木星帝国はそれほど形式番号にこだわりは無いようで、非常に単純な表記方法である。
 「E」はジュピターエンパイア、「MS」はモビルスーツ、「MA」はモビルアーマーを示し、数字は開発順に付けられている。

 例:
  EMS−06 バタラ(6機目のエンパイア・モビルスーツ)
  EMA−06 ディビニダド(6機目のエンパイア・モビルアーマー)

 ただし、対クロスボーンガンダム用の機体には専用の番号が与えられている。

 例:
  EMS−VSX1 クァバーゼ
  EMS−VSX2 アビジョ
  EMS−VSX3 トトゥガ

 最初の「EMS」は前述の通りだが、「VSX」「VS」がバーサス、「X」がクロスボーンガンダムを指し、対クロスボーンガンダムを示している。数字はそれぞれ1号機、2号機、3号機を表している。この表記は以上の3機のみである。

●神聖軍事同盟「リガ・ミリティア」

 リガ・ミリティアは、非常に複雑で長い型式番号を組んでいる。
 これはこの組織がエゥーゴと同じような反抗組織であるため、番号から製造場所や用途を容易に知られないようにするために、意図的にやっているものと思われる。
 表記の基本形は下記の通りで、□部分には数字が入る。

  LM△

 頭の「LM」はリガミリティアを略したものだが、それ以降の表記が難解なので順に解説していく。
 まず、最初の部分は機体を構成するユニット数が入る。例えば3機が合体してMSとなる場合は3、合体をせず1機のみでMSとして完成している場合には1が入れられる。
 続く部分は搭載しているジェネレーターの数、部分は装備しているメインスラスターの数をそれぞれ表記している。
 そしての部分は、機体のタイプを表している。V0ならばVガンダム、E0ならばガンイージ、V2ならばV2ガンダムを示している。
 最後の部分は登録ナンバーで、登録された順に付けられる。

   例:LM314V21 V2ガンダム
        リガ・ミリティア所属、ユニット数3機、ジェネレーター数1基
        メインスラスター数4基、V2タイプ、1番機

     LM111E03 ガンブラスター
        リガ・ミリティア所属、ユニット数1機、ジェネレーター数1基
        メインスラスター数1基、E0タイプ、3番機

 また、リガ・ミリティアではサポート装備にも、同様の長い型式番号が付与されている。

  SD−△□□

 頭の「SD」はサポートディバイス(SUPPORT DEVICE)の略称で、は適応機種タイプ、△は基本機能、□□は登録ナンバー、は用途をそれぞれ示している。

   例:SD−VB03A オーバーハングキャノン
        サポートディバイス、Vタイプ適応、ブースター機能、登録ナンバー03
        用途アタック=攻撃型

 適応表示はEとするとガンイージタイプを示す。
 用途表示にはA(アタック=攻撃型)、B(ボンバー=爆撃型)、C(クルーズ=長距離侵攻型)等がある。

●ザンスカール帝国「B.E.S.P.A」

 基本的な表記は旧ジオン公国軍に近いものがあるが、用途や形式がより細かく表記されている。基本形は以下の通りである。
試験機:ZMT−□□  量産機:ZM−□□

 「Z」はザンスカールの頭文字で「M」は機動兵器(Mobile)を表す。試験機の場合は、その次に「T」(TEST)が付く。は機体の種別で、「S」(SUIT)はモビルスーツ、「A」(ARMOR)はモビルアーマーの略で、他に「D」(DUAL)というものがあり、それはMSからMAへの可変機構を持つ機体を示している。
 部分は開発順に番号が付けられる。 は使用環境を表し、「S」は宇宙用(SPACE)、「G」は大気圏内専用(GROUND)、「M」は水中用(MARINE)を示している。

   例:ZM−S06S ゾロアット
       (ザンスカール機動兵器:宇宙用モビルスーツの6機目)

     ZM−S06G ゾリディア
       (ザンスカール機動兵器:大気圏内専用モビルスーツの6機目)

     ZM−D11S アビゴル
       (ザンスカール機動兵器:宇宙用可変型モビルスーツの11機目)

     ZMT−S15M ガルグイユ
       (ザンスカール機動兵器:水中用試作モビルスーツの15機目)