長時間表示の注意喚起サインの紹介
600mAhの単4電池でも14時間以上の連続動作

製作・著作: (有)テクノアート
 (初版:2018年12月10日)


今年の初めころに、友人を通じてある人が進めている表題の製品の開発についてサポートの打診がありました。高齢化のために手の込んだ製品の開発をお引き受けするのが躊躇されたため、アドバイスだけにしました。
ところがこの依頼人は中国メーカーに製品開発を依頼するとのことで、裏でこっそり進めていた装置の開発はとん挫してしまいました。

しかし「高輝度照明の長時間動作」は興味がありましたので、暇に任せて開発・試作した装置をご紹介します。

電源電圧(6V)と使用する太陽電池パネルはもとの依頼主の要望通りにしましたので、最適な電池とパネルを見つけることと、既存のICを6Vで使用できるようにする必要がありました。

1.注意喚起装置の外観
 

 
試作品には100均ショップで入手できた単三電池4本(6V)を使用するLED照明を改造して使用しました。この製品は正面の白い部分全体がほぼ均一に光るように設計されています。注意表示はJISの図案を切り抜いて貼り付けました。製品内部には、右の写真のように3個の高輝度LEDを並列接続しており、10Ωの抵抗を通して点灯していますので、290mAもの電流が流れます。直視できないほどの輝度が必要ないので、試作品では抵抗を30mAの定電流ダイオードに置き換えています。
もちろん、この表示器の上部に太陽電池パネルと、下部に6Vのパック型ニッケル水素電池を取り付けます。屋外に設置しますので、全て防水機構が必要です。

2.回路説明
 
この試作品の基本回路は開示しますが、ノウハウが含まれていますので、回路の部品名や定数などは開示できません。悪しからずご了承ください。
 
 

重要部品のIC1はガーデンライトなどに使用されているICで、このパルス出力をQ4のスイッチングトランジスタに供給して3個のLEDを目に見えない速度で点滅して省電力化しています。

 

IC1は最大動作電圧が2.4Vですので、6Vの電池やソーラパネルをそのまま接続できません。そこでD1〜D3やQ1〜Q3の回路(Q1とQ2はコンパレータ)で工夫しています。従って電池やソーラパネルが6V系であっても、日の出・日没を検出してLEDをオフ・オンする機能や、昼間の電池充電や電池の過放電防止機能を保持させています。
 
使用可能な6VのNi-Mh電池 6VのNi-Mh電池用のソーラパネル

Aは2/3セルの平面配列型(株式会社ネクセル)で、Bは単4型電池の平面配列型(RSコンポーネンツ)、そしてCは単4型電池の二段積みパック電池(カインズホーム)です。
いずれも高・低温対応品です。装置全体の構造設計でどれかを選べます。
6Vのソーラパネル(7.82V/0.5W)の入手は容易ではありません。唯一入手できたのは、道路標識など安全標識の電光表示装置などの大手メーカー:(株)吾妻製作所の製品でした。受光面を乱反射するように作ってありますので、発電効率が良いはずです。透明のフレームに両面受光動作のパネルを封入した製品もあります。
https://www.azuma-ss.co.jp/

 

試作して実働しているプリント基板

ダイオード・インダクタ・ジャンパー以外はすべて表面実装部品を使用しており、基板サイズは31 X 32mmと小型ですので、100均製品の電池ボックスに十分入ります。

 
性能ですが、6V/1200mAhのニッケル水素電池で35時間以上の連続動作を確認しています。

 

【おことわり】
本来ならばこのような記事にはQ&Aを付けた方が良いのでしょうが、メールアドレスを開示すると大量のスパムメールが入ってきますので開示できません。
悪しからずご了承ください。(2019年2月5日)

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