ベアリングバー式可動レール用の展示台の製作方法
製作・著作: 有限会社テクノアート
(旧)電子技術部
この文書は予告なく加筆・修正などを行いますのでご了解ください。
個人で製作・使用の場合ではなく、この資料を利用して製作・販売する会社や個人からは、ロイヤリティーをいただきます。
お問い合わせは、ロボットに自動ピックアップされないメアド表記では、
techno_artアットマークkrcドットbiglobeどっとneどっとjp
です。不要のメールはご遠慮ください。
ここで使用する機械図面は素人が「自分が分かればよい」とパワーポイントで描いたもので、寸法取りなどのルールに沿っていないと思います。ご了解ください。
ベアリングバー式可動レールは、シンプルに既製品のレールの上にバーを乗せて、その上に鉄道模型車輌を乗せるシステムですが、この展示台を使用すればレールを省くことができ、従って車輌の高さをレールに乗せるよりも2.5センチだけ低くでき、よりショーケース内で展示した場合に見栄えがします。電気配線をすれば、ショーケースの中で車輌を走らせることができます。
【材料】:価格は税抜きの参考価格です。
-
M2.6X5の皿頭ネジ 2本又は4本
-
M2.6のナット 2個又は4個
-
ラグ端子(入手できれば穴径2.6mmのもの)
2個又は4個
-
厚さ2ミリと3ミリの320X180のアクリル板。塗装する場合は白を推奨。
(表面硬化品は避けてください。)
-
アクリル接着液(株式会社 光のABN-1を推奨。瞬間接着剤は作業が困難です。アクリル以外の材料を使用する場合は材料に合った接着剤を選んでください)
-
幅10〜18ミリの銅箔粘着テープ(導電性テープ:
秋葉原の秋月電子通商では株式会社寺岡製作所の製品、同・千石電商ではScotch 導電性テープ 25mm幅 [銅箔エンボス] などが入手可能)
-
アクセサリーアダプター延長コード 90cm(KATOの場合は商品番号24-826)
-
糸はんだ
-
必要に応じて塗料
【工具】
【レール】
【製作手順】
-
展示台の切り出しと穴あけ
電動糸鋸は別として、テーブルソーで厚さ3ミリのアクリル板を32センチの長さ方向に切断するのは、途中で摩擦熱が上昇して先に進めなくなるため、給油しても無理です。
そこで、まず写真のようなプラスチックカッターを使用して1.5ミリ以上切り込みを入れておいてからテーブルソーで仕上げるように裁断します。
穴位置は図のように左右で違いますが、ナット部分がレール台の足にぶつからないようにするためです。レール台の足の一部を切り欠く場合は、両サイドとも同じ位置で構いません。
展示台の裏には足を取り付けていませんので、裏面の穴を面取りカッターで皿ビス用の面取りをする必要があります。
図の長さ方向は短縮して描いてあります。
-
バーガードの切り出し
1.で切り出した展示台に、上の図面のように厚さ2ミリX幅3ミリX長さ320ミリのアクリル棒2本を切り出して接着します。展示台の幅45mm
-
(ガード2mmX2)=41mmがベアリングバー(40.8mm)に残された幅です。
したがって、ガードの位置もバーの長さも正確にできていないと、うまく勘合しませんのでご注意下さい。
1.と同じで、前もって切り込みを入れておく必要があります。
-
Nゲージ線路アダプターの切り出し
ベアリングブロックなどの高さと既製品のNゲージ線路の高さを合わせるために、線路の下にはかせるゲタです。長さは展示台の長さの半分にしています。
幅の40.8ミリは重要です。
図の長さ方向は短縮して描いてあります。
-
線路アダプター足の切り出し
上の図の足の部分を切り出して3.のアダプターに張り付けます。貼り付けたことによって展示台の幅の外にならないようにしてください。接着にはアクリル用の接着液を使用しますが、専用のスポイトが指の熱で暖まって内部の空気が膨張し、予期しない量の接着液が出てしまいますので、スポイトの周りに布やティッシュを巻くのが良いでしょう。
切り出しの際には熱で反りやすいので工夫してください。
-
レールの取り付けと切断
写真のようにレール台の中央にレールを取り付けますが、装飾用のピンがない場合には瞬間接着剤で接着します。使用するレールは、このレールに給電したい場合には写真のような給電スロットがあるものを使用すればよいのですが、展示台には給電ケーブルで給電していますので、面倒でもレールから展示台の導電テープに接続すればスマートになります。
写真ではレール台から接続端子部がはみ出していますが、内側にしてもかまいません。
接着が出来たらレール台に沿ってはみ出している(写真の反対側)線路をテーブルソーで切り落とします。
-
レールの配線
・ |
まず「案ずるより産むがやすし」で、写真1のようにレールの側面に直径0.8ミリの穴を開けます。(レールが高温にならないように、少し進んでは休んでレールを冷やします。) |
・ |
写真2のようにレール内側の道床からレール台を突き抜ける直径0.8ミリの穴を開けます。レールの端からの距離は自由です。 |
・ |
この穴位置から線路アダプターの足の表面まで、銅箔テープを貼り付けて配線します。足裏の部分だけテープの裏側に瞬間接着剤を塗布して補強します。 |
・ |
先ほど開けた穴位置の銅箔テープに穴を開けます。 |
・ |
直径0.5ミリ位のメッキ線を貫通穴とレールの穴に通し、それぞれの接続場所を素早くはんだ付けします。 |
-
展示台の配線
写真は展示台の片側の穴にラグ版を取り付けた例ですが、2か所はネジだけを取り付けておいてもかまいません。これにKATOのパワーパック接続側と反対側のアクセサリーアダプター延長コードの端子を切り取ってはんだ付けします。コードが出ている側を右側に置いた場合、上側のラグ端子には赤のワイヤー(+極性)を、下側には黒のワイヤー(−極性)を接続します。パワーパックで前進を選んだ時の極性で、可動レール上の動輪は左向きに走行する方向に回ります。
以上で完成です。下の写真は展示台に蒸気機関車と客車各一両を連結して搭載した例です。
HOゲージの既製品レールはそのまま設置できますが、設置しても2両編成には出来ません。
試作品のムービーはYouTubeの下記URLにアップしています。
https://youtu.be/pIG0o4bCAyc
(2018年4月2日 Ver.1.0)
|