松永　浩美（まつなが　ひろみ）　１９６０年９月２７日生まれ・右投げ左右打ち

　福岡・小倉工高から７８年ドラフト外で阪急ブレーブスに入団。高校を中退して阪急の用具係を務めながら、入団機会を待ってのプロ入り。３年目に一軍昇格すると、９２打数ながら.３２６の打率を残して注目を集めた。翌８２年からは不動のレギュラーとなる。足を生かした小粒なスイッチヒッターが多い日本球界にあって、ホームランも打てるタイプで８５年の２６本を最高に通算２０３本塁打。スイッチヒッターの最多本塁打記録となっている。

　８４年から３年連続で打率３割台をマーク。８８年、９１年と僅差の打率２位。一厘差以内で２度も２位に泣いたのは日本プロ野球史上、この松永一人である。９２年オフ、野田投手とのトレードで阪神に移籍するが、わずか１年でＦＡ権を行使して福岡ダイエーに移籍。移籍１年目の９４年はベストテン４位と活躍したが、翌年以降は年々成績も下降し９７年限りで引退した。　　

　８２年５月１５日の日本ハム戦、８３年９月２３日の南海戦、８５年４月１３日の近鉄戦、８７年１０月１５日の日本ハム戦、９０年５月９日のロッテ戦、９０年８月１２日のダイエー戦で左右両打席本塁打を歴代最多の６度記録。８２年１０月８日の南海戦と９１年５月２４日のロッテ戦でサイクルヒット達成。８３年８月３１日のロッテ戦で中居投手から史上１３人目の逆転サヨナラ満塁本塁打。８４年９月１６日のロッテ戦で史上４人目のサヨナラランニング本塁打。８８年１０月２２日のロッテ戦第３打席から翌２３日のロッテとのダブルヘッダー第２試合第４打席まで日本記録の１１打席連続四球。９３年８月２０日から２２日のヤクルト戦で日本記録の３試合連続初回先頭打者本塁打。９６年４月２７日の西武戦で史上２人目の全打順本塁打。

　盗塁王１回（８５）、最高出塁率１回（８９）。ベストナイン５度（８８〜９１、９４）、ゴールデングラブ４度（８４、８９、９０、９４）受賞。オールスター出場１１度（８３〜８６、８８〜９２、９４、９５）、８５年第３戦でＭＶＰ受賞。