小鶴 誠(こづる まこと) 1922年12月17日生まれ・右投げ右打ち

 福岡・飯塚商から八幡製鉄を経て42年名古屋に入団。戦後はホームランブームに乗って大活躍。49年は大映で.361のハイアベレージを残し首位打者獲得。前年、1厘差で打率2位に終った悔しさを晴らした。翌50年は松竹に移籍して51本塁打、161打点、打率.355で本塁打・打点の二冠王。打率は7厘差の2位で惜しくも戦後初の三冠王を逃した。当時「水爆打線」と呼ばれた松竹の看板打者として、チームを優勝に導いたこの年はMVPも獲得している。

 53年、広島カープに移籍。爆発的な長打力は影を潜めたが、ベストテン10位前後のアベレージをコンスタントに残し、草創期のチームを引っ張った。55年に200号本塁打、56年には1500本安打を達成。「和製ディマジオ」と呼ばれた華麗なスイングでファンを魅了したスラッガーである。

 50年の年間143得点、161打点、376塁打はいずれも日本記録。

 MVP1回(50)、首位打者1回(49)、本塁打王1回(50)、打点王1回(50)。ベストナイン2度(49、50)受賞。オールスター出場3度(51、53、56)。1980年野球殿堂入り。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 四死球 三振 打率(順位)
42 名古屋 102 370 35 80 9 9 2 113 29 8 46 49 .216(10位)
43 名古屋 80 314 31 65 10 4 3 92 21 4 32 20 .207(19位)
46 中部日本 96 374 54 102 21 7 10 167 63 6 52 40 .273(23位)
47 中日 114 375 43 79 17 5 9 133 38 9 57 49 .211(40位)
48 急映 113 429 57 131 14 7 16 207 65 27 53 66 .305(2位)
49 大映 129 501 112 181 26 8 24 295 92 15 76 45 .361(1位)
50 松竹 130 516 143 183 28 6 51 376 161 28 90 53 .355(2位)
51 松竹 97 387 68 101 16 4 24 197 85 20 54 43 .261(31位)
52 松竹 119 450 57 128 24 0 17 203 49 19 52 44 .284(15位)
53 広島 130 488 80 138 32 2 14 216 74 33 69 57 .283(13位)
54 広島 121 454 67 135 25 3 15 211 72 20 47 48 .297(9位)
55 広島 130 494 62 141 17 7 18 226 67 26 46 68 .285(6位)
56 広島 122 428 48 111 12 0 11 156 43 16 49 60 .259(11位)
57 広島 107 387 31 99 12 0 8 135 38 7 29 70 .256(10位)
58 広島 65 174 21 43 4 0 8 71 26 2 19 29 .247
                             
  1655 6141 909 1717 267 62 230 2798 923 240 771 741 .280
歴代順位 94位 60位 52位 59位 79位 18位 66位 58位 45位 45位 47位 120位 84位
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 四死球 三振 打率(順位)