伊東　勤（いとう　つとむ）　１９６２年８月２９日生まれ・右投げ右打ち

　熊本工高から所沢高を経て８１年ドラフト１位で西武ライオンズに入団。高校３年夏の甲子園では２試合連続本塁打を放ち、強打の捕手として注目を集めた。
　入団１年目から一軍に登用され３３試合に出場。３年目の８４年には１１３試合に出場して打率.２８４をマークして正捕手の座を掴んだ。また２０盗塁と、捕手としては珍しく走塁面でも出色の数字を残した。この８４年から９５年まで１２年連続で規定打席到達。

　８４年から８８年まで５年連続二桁本塁打、８４年から８６年まで３年連続二桁盗塁と走攻守に活躍。チームも８５年から４連覇と黄金時代に突入した。
　８９年は.２３５と不振に終り連覇もストップしたが、翌９０年は.２８１と復活してチームもＶ奪回を果たす。この年からパ・リーグ歴代最多の５連覇を果たしたチームにあって伊東は守りの要として投手陣の絶大な信頼を集めた。

　９６年、東京六大学で活躍した高木大成捕手が鳴り物入りで入団。伊東の出場機会は減り１３年ぶりに１００試合を切った。規定打席にも届かず不本意な１年だったが翌年すかさず巻き返した。清原の移籍もあって、高木を一塁に追いやり捕手として１２９試合に出場。１６年目にして自己最多の１２２安打を放ち、打率.２８０をマークして５年ぶりにベストナインに返り咲いた。
　その後はフル出場はかなわなかったものの、０２年は４０歳にして１１７試合にマスクを被るなど８７安打、５０打点をマークして気を吐いた。０３年には夏場以後若手に出場機会を譲り、この年限りで２２年の現役生活に別れを告げた。

　９４年４月９日の対近鉄戦で逆転満塁サヨナラ本塁打。０３年８月１６日のオリックス戦で１イニング２二塁打の日本タイ記録。通算３０５犠打はパ・リーグ記録。実働２２年はパ・リーグ歴代３位タイ記録。９７年４月５日のダイエー戦から１０月１２日のオリックス戦まで９４３連続守備機会無失策（同一シーズン）のパ・リーグ記録。９６年９月７日の近鉄戦から９８年５月２７日のロッテ戦まで１２６３守備機会連続無失策（連続シーズン）のパ・リーグ記録。

　ベストナイン１０度（８５〜８８、９０〜９２、９７、９８、０２）、ゴールデングラブ１１度（８５〜８８、９０〜９２、９４、９５、９７、９８）受賞。オールスター出場１６度（８４〜９８、０２）。日本シリーズで９０年に優秀選手賞受賞。