西岡 剛(にしおか つよし)

 大阪桐蔭高から02年ドラフト1巡目で千葉ロッテマリーンズに入団。1年目はファームで実戦経験を積み、77試合で打率.216ながら10盗塁をマーク。一軍でも初安打を記録した。04年は6月中旬までイースタン46試合で20盗塁と不動のトップバッターに成長。後半戦は一軍に定着して63試合で54安打を放ち、打率.255とレギュラー定着の足ががりを掴んだ。

 3年目の05年は開幕戦こそ出番がなかったが、第2戦でスタメン起用されると4安打6打点の大活躍。これをきっかけに4月末まで打率.340、20打点の好成績で月間MVPに選ばれた。この年は120安打を放ち、41盗塁で盗塁王獲得。また、ベストナイン・ゴールデングラブにも選出され、チームの31年ぶりとなるリーグ優勝に大きく貢献した。
 06年は打率.282と数字を上げ、33盗塁で2年連続盗塁王となった。また開幕前の第1回WBCでも8試合で31打数11安打の打率.355、2本塁打、8打点、5盗塁と活躍した。

 07年は待望の打率3割をマーク、2度目のベストナイン・ゴールデングラブを獲得。翌08年も2年連続3割に自己最多の13本塁打と長打力もアップ。反面、盗塁は3年連続ダウンの18個と物足りなさも残った。この年8月の北京五輪でも22打数10安打で打率.455と、06年WBCに続き国際試合に強いところを見せた。
 09年はチームの不振と歩調を合わせるかのように成績が低迷。118安打、打率.260共にレギュラー定着したここ5年間で最低の数字。チーム最多の26盗塁・5三塁打にその片鱗が垣間見えるものの、不本意なシーズンに終わった。そんな中、リーグタイとなる先頭打者本塁打8本を放つ集中力も見せた。

 キャプテンに任命された10年は心機一転、「野球に全力で向き合う」という強い思いでシーズンに臨んだ。5月には22試合連続安打を記録するなど打率.417で5年ぶりの月間MVP受賞。9月にも打率.467と猛烈な追い込みで2度目の月間MVP。最終的にイチロー以来パ・リーグでは16年ぶりとなる200安打達成に加え、打率.346で首位打者獲得。リーグ新の289出塁に両リーグ最多の121得点と1番打者としてチームに大きく貢献。リーグ3位からの日本一達成の原動力となり、シーズンMVPに輝いた。シーズン後、ポスティングシステムによりメジャーリーグのミネソタ・ツインズと3年契約を結びんだ。

 メジャー1年目の11年は開幕戦から「2番・セカンド」で先発出場したが、わずか6試合目で守備中に左足腓骨を骨折し約2ヶ月間の戦列離脱。6月16日にメジャー復帰したものの打撃の調子は上がらず、6月末での打率は.197と低迷。その後も.240が精一杯で、9月には右脇腹を痛め2度目のDL入り。最終的には68試合で50安打の打率.226にわずか2盗塁と散々な結果に終わった。巻き返しを図った12年は開幕からマイナー暮らしが続いた。8月にメジャー昇格して先発出場のチャンスがあったが3試合で12打数ノーヒットと結果を残せず、再度マイナー行きとなりそのままシーズンを終えた。ツインズとの契約を1年残していたが、それを破棄して日本復帰を希望し、阪神タイガースに移籍した。

 3年ぶりに日本でプレーした13年は122試合で144安打の打率.290で、4度目のベストナインに選ばれた。14年は開幕3試合目の守備中に外野手と激突し、鼻骨骨折や左肩脱臼などの大怪我で6月下旬まで戦列を離れた。復帰後も調子が上がらず、背中を痛め7月下旬に再度の登録抹消。9月に復帰したものの、シーズンでは9安打の打率.237と不本意な成績だった。しかし、クライマックスシリーズでは6試合全てに先発出場して27打数10安打の打率.370と活躍して日本シリーズ進出に貢献した。
 15年は開幕からサードでスタメン出場を続けたが、5月22日の試合中に右ひじに違和感を訴え途中交代。翌日に一軍登録を抹消され、右ひじ内側側副靭帯損傷と診断され、長期間をリハビリに費やした。9月25日に一軍復帰して終盤に代打で6試合に出場したが、年間45安打の打率.262と前年に続き故障に泣いた。
 16年は4月まで打率3割台と好スタートを切ったが同月23日の試合で左足を痛め、6月初めまで戦列離脱。さらに7月20日の試合で走塁中に左足アキレス腱断裂の大怪我で、以降のシーズンを棒に振った。55試合の出場ながら、打率.295と復調ぶりを見せていただけに残念なシーズンとなった。

 07年6月3日のヤクルト戦から5日の巨人戦で2試合連続先頭打者本塁打。09年に年間先頭打者本塁打8本のパ・リーグタイ記録。10年4月29日の対西武戦から5月29日の対横浜戦まで22試合連続安打。10年の年間692打席は日本記録。10年の年間289出塁はパ・リーグ記録。10年の年間猛打賞27回は日本記録。

 MVP1回(10)、首位打者1回(10)、最多安打1回(10)、盗塁王2回(05、06)。ベストナイン4度(05、07、10、13)、ゴールデングラブ3度(05、07、10)受賞。月間MVP3回(05年4月、10年5月、10年9月)。オールスター出場6度(05〜08、10、13)。WBC出場1度(06)、五輪出場1度(08)。1984年7月27日生まれ。右投げ左右打ち。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率(順位)
03 ロッテ 7 9 3 3 2 0 0 5 1 0 0 0 2 1 .333
04 ロッテ 63 212 32 54 8 2 6 84 35 8 2 2 16 37 .255
05 ロッテ 122 447 80 120 22 11 4 176 48 41 6 4 36 51 .268(24位)
06 ロッテ 115 426 58 120 20 7 4 166 27 33 4 3 52 61 .282(20位)
07 ロッテ 130 494 76 148 31 3 3 194 40 27 7 4 54 73 .300(7位)
08 ロッテ 116 473 78 142 26 6 13 219 49 18 4 2 43 68 .300(10位)
09 ロッテ 120 454 70 118 24 5 14 194 41 26 3 2 72 76 .260(28位)
10 ロッテ 144 596 121 206 32 8 11 287 59 22 8 5 83 96 .346(1位)
13 阪神 122 497 57 144 28 3 4 190 44 11 0 6 46 65 .290(7位)
14 阪神 24 38 6 9 3 1 0 14 4 0 1 0 7 6 .237
15 阪神 50 172 20 45 8 0 2 59 14 1 0 1 23 21 .262
16 阪神 55 190 16 56 7 1 0 65 15 6 0 0 15 25 .295
                                 
日本12年 1068 4008 617 1165 211 47 61 1653 377 193 35 29 449 580 .291
                                 
11 ツインズ 68 221 14 50 5 0 0 55 19 2 3 0 16 43 .226
12 ツインズ 3 12 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 1 1 .000
                                 
MLB2年 71 233 14 50 5 0 0 55 20 2 3 1 17 44 .215
                                 
  日米計14年 1139 4241 631 1215 216 47 61 1708 397 195 38 30 466 624 .286