松田 宣浩(まつだ のぶひろ)

 岐阜・中京高から亜細亜大を経て05年ドラフト希望枠でソフトバンクホークスに入団。大学時代は歴代5位タイの通算15本塁打と長打力を発揮。1年目は開幕から三塁スタメンで起用されるが62試合で打率.211と粗さが目立ち、シーズン後半はファーム暮らしとなった。ファームでも43試合で打率.252と、目立つ成績ではなかった。2年目はプロの水にも慣れ、ファームでは37試合で.331と格の違いを見せた。一軍では49安打と前年並みの安打数だったが、打率は.254とアップした。そして3年目の08年は初めてシーズンを通して一軍定着。142試合で154安打を放ち、打率.279に17本塁打をマークした。

 さらなる飛躍が期待された09年は開幕戦でいきなり右手中手骨を骨折。6月に復帰したものの、7月には死球で右手尺骨を骨折。46試合で8本塁打、24打点は前年を上回るペースであり、悔しいシーズンとなった。10年も5月に今度は左手首有鉤骨を骨折。長期欠場したが、復帰後は自己最多の19本塁打・71打点の活躍でチームの優勝に貢献。11年は6年目にして初の全試合出場。打率・打点・本塁打で自己最高の成績を残し日本一に大きく貢献した。両リーグでただ一人、25本塁打・25盗塁をクリアした。
 12年は8月初めに死球で右手甲を骨折。長期欠場を余儀なくされ、終盤に復帰したものの95試合の出場に留まった。確実性が増し、自己ベストの打率.300も規定打席には大きく不足した。

 13年は2年ぶりに怪我なくシーズンを乗り切り、2年ぶりの全試合出場。2年ぶりの20本塁打を含む自己最多の163安打を放ち、90打点も自己最高。ベストナインは逃したが、2度目のゴールデングラブに輝いた。14年はまたも骨折に泣いた。7月上旬の練習中に右手人差し指を骨折し、8月下旬まで2カ月近く戦列を離脱。打率.301をマークしながら規定打席不足と、12年の二の舞のようなシーズンだった。それでもチーム2位の18本塁打に5年連続二桁盗塁と持ち味を発揮して、チームの3年ぶり日本一に貢献した。
 15年は2年ぶりに全試合出場と怪我なく乗り切り、リーグ2位の35本塁打と胴位の94打点は共に自己ベスト。打率も規定打席以上では最高の.287でベストテン7位となり、チームの日本シリーズ連覇に大きく貢献した。

 16年も2年連続4度目の全試合出場と奮闘したが安打数や打撃3部門などほとんどの数字で前年を下回る不本意なシーズン。打率も.259と、6年ぶりの低打率で波に乗り切れない1年となった。17年は3年連続5度目の20本塁打をクリアしチームは2年ぶりに日本一となった。しかし打率こそ前年を上回ったが、安打・本塁打・打点などほとんどの部門でここ3年間の最少を記録し、成績面ではやや不本意なものとなった。
 18年は前半戦、低打率に苦しみ5月末で丁度.200とスタートで出遅れた。夏場以後、持ち直したものの結局.248とルーキーの06年以来の打率.250未満に終わった。それでもリーグ3位の32本塁打、7位の82打点とポイントゲッターとしての役割を果たし、13年目で初のベストナインに選ばれた。

 19年は開幕戦第1打席に本塁打で通算1500安打を達成。後半戦に数字を落とし打率こそ.260止まりだったが、自己初の2年連続30本塁打を達成。オフのプレミア12にも選ばれ、打撃面では振るわなかったがムードメーカーとしてチームを盛り上げ優勝を支える存在となった。
 20年はシーズンを通して打撃不振が続き、90安打止まりで連続100安打が10年でストップ。規定打席以上ではワーストの打率.228に終わった。あと26本だった300本塁打も半分の13本塁打の上積みに留まった。

 21年も14本塁打・47打点に打率.236とほぼ前年並みの数字に終わった。スタメン機会も減少し、7年ぶりの規定打席不足。通算300本塁打は達成したものの、2000本安打達成には来季の巻き返しが不可欠である。

 14年8月26日の対日本ハム戦から20年9月9日の楽天戦まで815試合連続試合出場。

 ベストナイン1度(18)、ゴールデングラブ8度(11、13〜19)受賞。オールスター出場9度(11〜13、15〜19、21)。WBC出場2度(13、17)、プレミア12出場2度(15、19)。1983年5月17日生まれ。右投げ右打ち。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率(順位)
06 ソフトバンク 62 204 17 43 8 3 3 66 18 0 3 0 13 53 .211
07 ソフトバンク 74 193 28 49 13 2 7 87 22 3 6 2 20 35 .254
08 ソフトバンク 142 551 68 154 33 10 17 258 63 12 8 1 35 115 .279(18位)
09 ソフトバンク 46 160 21 45 13 2 8 86 24 1 7 0 8 32 .281
10 ソフトバンク 113 424 61 108 20 3 19 191 71 17 8 6 20 90 .255(29位)
11 ソフトバンク 144 525 77 148 31 7 25 268 83 27 3 3 51 128 .282(10位)
12 ソフトバンク 95 360 41 108 28 7 9 177 56 16 0 2 28 63 .300
13 ソフトバンク 144 584 86 163 26 5 20 259 90 13 2 7 33 124 .279(20位)
14 ソフトバンク 101 392 54 118 20 3 18 198 56 12 1 4 26 80 .301
15 ソフトバンク 143 533 91 153 22 2 35 284 94 8 0 8 62 135 .287(7位)
16 ソフトバンク 143 548 79 142 23 5 27 256 85 6 0 5 56 141 .259(23位)
17 ソフトバンク 143 531 64 140 19 6 24 243 71 5 0 2 44 128 .264(18位)
18 ソフトバンク 143 517 72 128 21 3 32 251 82 3 0 3 60 113 .248(23位)
19 ソフトバンク 143 534 64 139 25 2 30 258 76 5 2 4 36 115 .260(18位)
20 ソフトバンク 116 395 36 90 16 3 13 151 46 1 0 3 33 76 .228(24位)
21 ソフトバンク 115 354 30 83 13 3 14 144 47 5 3 4 29 67 .234
                                 
16年 1867 6805 889 1811 331 66 301 3177 984 134 43 54 554 1495 .266