栗山 巧(くりやま たくみ)

 兵庫・育英高から01年ドラフト4巡目で西武ライオンズに入団。イースタンで1年目は51試合で16安打の打率.205だったが、2年目は91試合で80安打をむ放ち打率.274と成長の跡を見せた。3年目の04年はイースタン3位の打率.338をマークしてシーズン最終戦で一軍デビュー。3打席目に初安打を放った。

 4年目の05年は一軍で84試合に出場して85安打の打率.297と活躍。本塁打も二桁の10本を記録し、好守好打の外野手として脚光を浴びた。レギュラー定着が期待された06年は骨折もあって63試合で打率.268と不振。07年は84安打の打率.278と巻き返し、迎えた08年についに打率.317とブレークを果たした。この年はリーグ最多の167安打を放ち、最多安打のタイトルを獲得。また初のベストナインにも選出された。
 09年は開幕から26打席無安打と苦しいスタートとで、打率は.267と不本意だったが得点・本塁打・盗塁・四死球の各部門では自己最多を記録した。

 10年は打撃好調で自己最多の172安打を放ち、打率.310をマーク。初の全試合出場も達成し、ベストナイン・ゴールデングラブのダブル受賞に輝いた。11年もリーグ2位の171安打で2年連続3度目の3割打者と安定した成績で、2年連続ベストナインを受賞した。
 12年も打率.289とまずまずの成績を残していたが、8月21日の試合で死球を受け左尺骨を骨折。それまで全試合出場を続けていたが、以後閉幕まで戦列に戻る事はなかった。13年は2年ぶり3度目の全試合出場。1000試合出場と1000本安打の記録を達成し、2000本安打への折り返し点を回った。打率は21位ながら自己最多の105四死球で出塁率.396はリーグ2位だった。

 14年も99四死球でリーグ4位の出塁率.3937とチャンスメークに貢献。リーグ2位の34二塁打を含む3年ぶりの150安打到達で、前年を上回る打率.288を記録した。15年も欠場1試合とほぼフル出場したが、打撃面では4月末で打率.167とスタートダッシュに失敗。7月末には.269まで盛り返したが、それ以降は上積みできずに最終的には.268と、6年ぶりの低打率に終わった。
 16年は6月末で打率.306と好調で、プロ入り15年目にしてオールスター初出場を果たした。第1戦で史上16人目のオールスター初打席本塁打で敢闘選手賞に選ばれ、第2戦でも3打数2安打と存在感を発揮した。シーズンでは通算1500安打の達成もあったが、9月に月間.211と不振に陥ったこともあり、133安打の打率.279に留まった。

 17年はコンディション不良もあり、10年ぶりの規定打席不足で84安打に終わった。打率も.252と一軍定着以来ワーストと不本意なシーズンとなった。巻き返しが期待された18年もほぼ前年並みの出場数で、打撃成績もほぼ横ばいの数字が並んだ。その中で9月17日のソフトバンク戦では先制満塁ホームランと要所で光る活躍を見せた。
 19年は3年ぶりに規定打席に到達して103安打の打率.252。チームの2連覇に貢献し、下位打線で渋い働きを見せた。8月11日のロッテ戦で、プロ入り18年目にして通算100本塁打を達成。

 2020年は開幕から好調で、常時スタメンに名を連ねた。自己最多タイとなる12本塁打を含む11度目の100安打をクリア。得点圏打率.330と勝負強さを発揮して、チーム2位の67打点を挙げた。打率も4年ぶりに2割7分台と復調して、健在ぶりを見せた。
 21年は開幕戦で2打数2安打と好スタートを切ったが、その試合での死球の影響もあり3月末から20日間の登録抹消。復帰後は4月28日のロッテ戦で決勝本塁打を放つなど安打を積み重ね、9月4日の楽天戦で球団初の2000本安打を達成した。シーズン100安打は惜しくも逃したが、通算2000試合出場・1000四死球も達成した。
 22年はコロナ禍による抹消期間もあって出場機会が減少し、16年ぶりに100試合未満の出場となった。それでも前年を上回る打率.264と健闘、チーム最多の4犠飛と勝負強さを見せた。

 23年はさらに出場機会が減り、05年の一軍定着以来では最少の34安打で打率も.217と苦戦した。打率は低くとも、前年を上回る7本塁打で存在感を発揮した。

 2021年9月4日の対楽天戦で9回に牧田投手からレフト前ヒットを放ち、史上54人目の通算2000本安打達成。

 最多安打1回(08)。ベストナイン4度(08、10、11、20)、ゴールデングラブ1度(10)受賞。月間MVP1回(13年3・4月)。オールスター出場1回(16)。1983年9月3日生まれ。右投げ左打ち。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率(順位)
02 西武 一軍出場なし                        
03 西武 一軍出場なし                        
04 西武 1 3 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 .333
05 西武 84 286 45 85 11 2 10 130 28 1 2 1 27 59 .297
06 西武 63 142 18 38 8 1 2 54 22 3 4 0 18 32 .268
07 西武 112 302 39 84 18 2 5 121 29 8 9 1 50 53 .278
08 西武 138 527 76 167 31 3 11 237 72 17 22 8 55 61 .317(4位)
09 西武 140 569 78 152 24 6 12 224 57 18 8 3 63 106 .267(22位)
10 西武 144 554 77 172 35 2 4 223 74 14 18 3 85 69 .310(11位)
11 西武 144 557 87 171 30 2 3 214 60 6 9 6 81 90 .307(4位)
12 西武 103 394 57 114 17 1 2 139 33 3 12 3 58 62 .289(8位)
13 西武 144 527 77 147 29 3 12 218 73 6 1 4 105 96 .279(21位)
14 西武 144 532 64 153 34 4 3 204 61 3 2 9 99 100 .288(11位)
15 西武 142 533 66 143 25 0 10 198 42 3 8 4 77 88 .268(17位)
16 西武 135 477 52 133 30 2 3 176 41 0 0 3 89 87 .279(13位)
17 西武 116 333 28 84 13 0 9 124 46 0 4 7 30 64 .252
18 西武 114 305 32 78 18 1 8 122 52 1 0 3 55 78 .256
19 西武 123 409 35 103 21 0 7 145 54 0 3 3 51 100 .252(23位)
20 西武 111 372 37 101 22 0 12 159 67 0 0 2 54 77 .272(12位)
21 西武 117 387 33 97 15 0 4 124 43 1 0 7 52 58 .251(20位)
22 西武 89 239 20 63 14 0 3 86 29 0 0 4 24 57 .264
23 西武 77 157 17 34 4 0 7 59 19 1 0 2 32 32 .217
                                 
22年 2241 7605 938 2120 399 29 127 2958 902 85 102 73 1105 1370 .279