田中 賢介(たなか けんすけ)

 東福岡高から99年ドラフト2位で日本ハムファイターズに入団。高校時代は2年春・夏、3年夏と3度甲子園に出場し通算15打数4安打。優れた打撃センスで、1年目にイースタンでいきなり打率.313(8位)の好成績。終盤一軍に上がり初安打も記録。2年目は一軍で56試合に出場するが打率.141と苦戦。翌02年は60試合で40安打を放ち、打率.253と進歩を見せレギュラーの座に手を掛けたかと思われた。
 しかし03年は.216と低迷しチャンスを逃すと、04年は3割台も21試合の出場に留まり05年にはとうとう年間5安打と1年目以来の低い数字に終わった。イースタンでは03年12本塁打・打率.286、04年6本塁打・打率.290、05年16本塁打・打率.307と安定した成績を残していたが、一軍ではなかなか力を発揮出来ずに6シーズンが経過した。

 06年も控えでのスタートだったが、外国人選手の不振から二塁を任されるとリーグ最多の34犠打を記録しつつ、打率も.301の活躍でポジション奪取。チームの25年ぶりリーグ制覇に貢献してベストナイン・ゴールデングラブに選ばれ、7年目にしてついに大輪の花を咲かせた。翌年は全試合出場して打率こそ.255と大幅に下がったが、リーグ新記録の58犠打をマークするなど、定位置を不動のものとした。
 08年は2年ぶりの3割は逃したが、安打・本塁打・打点・得点など各部門で自己最高の成績を残した。09年も引き続き安定した成績で、得点・安打・二塁打・盗塁・四死球で自己記録を更新。2年ぶりのリーグ優勝に貢献し、ベストナインに返り咲いた。

 10年は06年以来の連続試合出場こそストップしたが、自己最多の193安打に34盗塁と1番打者として活躍。リーグトップの得点圏打率.419をマークするなど打率.335でベストテン2位に名を連ね、ベストナイン・ゴールデングラブに選ばれた。11年は6月中旬の試合で左足を骨折し、以後のシーズンを欠場。6年ぶりに規定打席に届かず不本意な1年となった。
 12年は好調で最多安打のタイトルも狙える勢いだったが、8月29日の西武戦で守備中に相手走者と交錯し、左腕の骨折及び靭帯断裂の大怪我。それまで全試合に出場していたが、以後の公式戦を棒に振った。それでも規定打席はクリアして2年ぶり3度目の3割打者となり、5度目のベストナインに選出された。オフにFA権を行使してメジャー行きを目指し、サンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結んだ。

 マイナーでスタートした2013年は7月にメジャー初昇格し、7月9日のメッツ戦に「2番・レフト」で先発出場して3打席目に初安打を記録。この試合から4試合連続安打と好スタートだったが7月13日以降は15打数2安打と不振が続き、28日の試合を最後にマイナー降格。シーズン中のメジャー復帰はならなかった。3Aフレズノでは107試合で343打数113安打の打率.329と好打者ぶりを発揮した。オフにフリーとなりテキサス・レンジャーズとマイナー契約した。14年はレンジャーズの3Aラウンドロックで62試合に打率.258、4本塁打、27打点、12盗塁の成績でメジャー昇格出来ないまま、自らの希望で7月に自由契約となった。この年オフに古巣の日本ハムに3年ぶりに復帰した。

 3年ぶりに日本球界で迎えた15年は得点圏打率.346で、4本塁打ながら自己最多の66打点と勝負強さを発揮。打率.284でベストテン9位となり、6度目のベストナインに選ばれた。16年は7年ぶりの全試合出場で147安打を放ち、打率は.272と前年より下がったが、22盗塁と6年ぶりに20盗塁をクリアして足の健在ぶりを見せチームの日本一に貢献した。

 05年9月28日のロッテ戦で代打サヨナラ本塁打。06年6月3日の横浜戦から10年8月14日のソフトバンク戦まで620試合連続出場。07年に年間58犠打のパ・リーグ新記録(当時)。

 ベストナイン6度(06、07、09、10、12、15)、ゴールデングラブ5度(06〜10)受賞。月間MVP1回(10年6月)。オールスター出場3度(08、10、12)。1981年5月20日生まれ。右投げ左打ち。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率(順位)
00 日本ハム 5 5 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 2 .200
01 日本ハム 56 99 12 14 1 1 3 26 9 0 3 1 13 28 .141
02 日本ハム 60 158 18 40 7 4 0 55 10 3 9 0 10 36 .253
03 日本ハム 52 102 10 22 4 1 1 31 16 1 2 2 8 30 .216
04 日本ハム 21 40 4 13 3 2 1 23 7 1 2 0 3 7 .325
05 日本ハム 22 24 2 5 0 0 1 8 2 1 0 0 4 10 .208
06 日本ハム 125 376 68 113 10 6 7 156 42 21 34 4 36 60 .301(12位)
07 日本ハム 144 526 66 134 24 7 3 181 31 27 58 2 52 107 .255(29位)
08 日本ハム 144 536 89 159 32 9 11 242 63 21 26 3 73 80 .297(11位)
09 日本ハム 144 575 93 163 34 4 3 214 49 31 17 4 84 105 .283(15位)
10 日本ハム 143 576 88 193 24 4 5 240 54 34 7 5 74 66 .335(2位)
11 日本ハム 49 200 25 58 6 1 1 69 10 8 2 1 17 21 .290
12 日本ハム 114 457 49 137 14 3 3 166 32 13 8 3 37 36 .300(5位)
15 日本ハム 134 532 62 151 20 2 4 187 66 9 5 1 58 58 .284(9位)
16 日本ハム 143 541 61 147 14 1 2 169 53 22 3 4 78 56 .272(17位)
                                 
日本15年 1356 4747 647 1350 193 45 45 1768 444 192 176 30 547 702 .284
                                 
13 ジャイアンツ 15 30 4 8 0 0 0 8 2 2 0 0 4 3 .267
14 レンジャーズ 出場なし                        
                                 
MLB2年 15 30 4 8 0 0 0 8 2 2 0 0 4 3 .267
                                 
  日米計17年 1371 4777 651 1358 193 45 45 1776 446 194 176 30 551 705 .284