糸井　嘉男（いとい　よしお）

　京都・宮津高から近畿大を経て２００３年ドラフト自由枠で日本ハムファイターズに入団。入団時は投手だったが一軍登板は果たせず。１年目はファームで１８試合・４勝５敗１セーブの防御率４．４２。翌０５年も１８試合・４勝４敗２セーブながら防御率５．４６と打ち込まれた。３年目の０６年に打者転向し、イースタン５２試合で８本塁打を含む６３安打を放ち、打率.３０６とその高い能力を発揮し、いきなり結果を残した。
　０７年は入団４年目で初の一軍出場を果たし、初安打も記録。この年もファームでは５４試合で１２本塁打・１４盗塁・打率.３１９とその後の活躍を予感させるような好成績を残した。

　０８年は６３試合で４５安打を放ち、一軍定着の足がかりを掴んだ。続く０９年にレギュラーに定着すると、１３０安打の打率.３０６でベストナイン・ゴールデングラブをダブル受賞。１０年は打率.３０９、１１年は首位打者を争いベストテン２位の.３１９と数字を上げて、リーグを代表する外野手に成長した。
　１２年もトップと８厘差の打率.３０４で４年連続３割打者。９月には打率.３８０で２度目の月間ＭＶＰを受賞した。

　２０１３年は交換トレードでオリックスに移籍。この年は自己最多の１５７安打を放ち、５年連続の打率３割を達成。１７本塁打・３３盗塁も自己最多と、チームが変わっても引き続き活躍を見せた。そして翌１４年は前年をさらに更新する１６６安打で打率.３３１をマークして首位打者のタイトルを獲得。本塁打・打点も自己最多を記録するベストシーズンとなった。
　１５年は一転して打撃不振に陥り、連続３割もストップする打率.２６２に終わった。しかし１６年は２年ぶり７度目の３割打者となり、５３盗塁で盗塁王を獲得しベストナインに返り咲いた。この年オフにＦＡ権を行使して阪神タイガースに移籍した。

　阪神１年目の１７年は怪我で出場１１４試合と０９年以降では最少の試合数で、１２７安打止まり。それでも１７本塁打・打率.２９０とますまずの数字を残した。１８年も１１９試合と引き続き欠場が多かったが、２年ぶり８度目の３割打者となり１６本塁打・６８打点・２２盗塁とほぼ前年並みの成績を残した。
　１９年も６月に打率.３５４で自身３度目の月間ＭＶＰに輝くなど、打棒好調。しかし８月上旬に左足首を痛め登録抹消されると、復帰する事なくシーズンを終えた。５本塁打・９盗塁は不本意な数字だったが、打率.３１４は歴代９位タイとなる９度目のシーズン３割となった。

　２０２０年は開幕から打撃不振が続き、８月末で打率.２２８と低迷。９月に月間.３５２と巻き返したが、最終的には１５年以来の２割６分台に終わり、１２年ぶりの規定打席不足と苦しいシーズンとなった。

　１０年６月１５日のヤクルト戦で１試合４二塁打の日本タイ記録。

　首位打者１回（１４）、盗塁王１回（１６）、最高出塁率３回（１１、１２、１４）。ベストナイン５度（０９、１１、１２、１４、１６）、ゴールデングラブ７度（９〜１４、１６）受賞。月間ＭＶＰ３回（０９年６月、１２年９月、１９年６月）。オールスター出場１０度（０９〜１８）。ＷＢＣ出場１度（１３）。

　１９８１年７月３１日生まれ。右投げ左打ち。