井端　弘和（いばた　ひろかず）

　東京・堀越高から亜細亜大を経て９７年ドラフト５位で中日ドラゴンズに入団。大学時代は３年秋から３季連続ベストナイン。４年春には打率.４３９でベストテン２位に入った。入団１年目はファームで打率.２７１（１１位）。９月に一軍昇格して１８試合で１２安打を放った。飛躍が期待された２年目はファームでも.２６８と目立たない成績に終わり、最後まで一軍に上がれなかった。

　００年に２年ぶりに一軍に上がると９２試合で７４安打を放ち、打率.３０６をマーク。翌０１年はついにレギュラー定着を果たして全試合に出場。０２年は打率.２９０でベストナインに選ばれた。
　そして０４年からは２年連続で全試合出場・打率３割・２０盗塁を達成。ベストナイン・ゴールデングラブも２年連続で受賞し、リーグを代表する遊撃手に成長した。０６年は前半戦、打撃不振だったが後半戦は巻き返し堅実な守備も健在で３年連続の全試合出場にベストナイン・ゴールデングラブ受賞の活躍でリーグ優勝に貢献した。

　０７年は３割こそ逃したが自己２番目の１７４安打を放ち、通算１０００本安打も達成。自己最多の２３盗塁もマークし、その地位を不動のものにしている。０８年は怪我で連続出場がストップするなど苦戦し、安打・打率・盗塁の各部門の数字はここ５年間でワーストになった。オフに５年契約を結び生涯ドラゴンズ宣言をした。
　０９年は自己タイの１７４安打を放ち完全復活。２年ぶり６度目の全試合出場と４年ぶり３度目の３割を達成し、そのしぶといバッティングにはますます磨きがかかる。

　１０年は６月に通算１５００安打を達成するが、直後に体調不良で登録抹消され後半戦を棒に振った。結局５３試合で４７安打と００年以降では最低の数字に終わった。終盤戦に復帰したがポストシーズンでも打率.１５６と本調子には程遠かった。１１年は前年の倍近い１０４試合に出場し８８安打を放ったが打率は.２３４と自己ワーストに終わった。
　１２年は大きな怪我もなく、３度目の打撃ベストテン入りとなる打率.２８４を残し３年ぶりの規定打席到達に加え７度目のゴールデングラブ獲得で復活を果たした。続く１３年シーズンは開幕前の第３回ＷＢＣで１８打数１０安打、打率.５５６と活躍して大会ベストナインに選ばれた。しかし開幕後は４月に２９打席ノーヒットなど不振に陥り、１００試合で７７安打の打率.２３６と２年前の不振時と同じような数字に終わった。２０００本安打まで残り１９３本となったが、契約がこじれてオフに戦力外となり巨人に移籍した。

　１４年は貴重な控え戦力として時には先発出場もし、８７試合で４２安打を放ち打率.２５６。２０００本まで残り１５１本という数字は、過去６度クリアしたものではあるが不動のレギュラーでない今、１本ずつ着実に減らしてまずは１９００本台突入を目指したい。

　０２年９月２１日の横浜戦でサイクルヒット達成。０４年４月２日の広島戦から０８年６月１５日のオリックス戦まで６３７試合連続出場。

　ベストナイン５度（０２、０４〜０７）、ゴールデングラブ７度（０４〜０９、１２）受賞。オールスター出場８度（０１、０２、０５、０７〜１１）。ＷＢＣ出場１度（１３）、１３年大会でベストナイン。１９７５年５月１２日生まれ。右投げ右打ち。