長野 久義(ちょうの ひさよし)

 福岡・筑陽学園高から日本大、ホンダを経て09年ドラフト1位で巨人に入団。大学4年時に春秋連続首位打者で2季連続ベストナイン受賞。秋はリーグトップの5本塁打と長打力も発揮した。06年日本ハム4巡目、08年ロッテ2巡目と2度のドラフト指名を蹴って、3度目の指名でのプロ入り。1年目から19本塁打・打率.288と活躍し、新人王に輝いた。2年目の11年も打率.316で首位打者獲得。リーグ2位タイの19盗塁にベストナイン・ゴールデングラブを獲得と走好守3拍子揃った外野手として評価は高まった。

 12年は全試合出場し173安打で最多安打のタイトルを獲得。2年連続3割に自己最多の20盗塁でチーム3年ぶりの日本一に大きく貢献した。13年は前半戦不振だったが、後半戦の巻き返しでリーグ2位の166安打を放ち、打率.281と3年連続ベストテン入りを果たした。
 14年は5月末で.260とスタートに失敗したが、6月以降は.325と本来の打撃を取り戻した。最終的には打率.297と3割は惜しくも逃したが、チーム内の最高打率でリーグ3連覇に貢献した。
 15年は前年オフに右膝と右ひじの手術をした影響か打撃に精彩を欠き4月末で打率.192、5月末で.217と不振に陥った。6月に月間.275、7月に.284と巻き返したが最終的に109安打の打率.251と、共に自己ワースト記録。盗塁もわずか3個と入団当初からは激減した。
 16年は3年ぶりの全試合出場を果たし、打率.283と復調ぶりを見せた。反面、11本塁打・42打点は不調だった前年をも下回る自己ワーストとなり、主軸打者としては物足りない数字に終わった。

 17年もシーズンを通じて打撃の調子が上がらず、入団からの100安打と二桁本塁打は継続したが、打率.261は15年に次ぐ低い数字。得点圏打率.204とチャンスに結果を出せない1年だった。18年は打率.290と4年ぶりに2割9分台の打率を残したが、9年目で初の規定打席不足。この年オフにFAの人的補償選手に指名され、広島カープに移籍した。

 11年10月22日の横浜戦で史上15人目の代打サヨナラ満塁本塁打。13年5月22日・23日の楽天戦と17年7月12日ヤクルト戦・17日中日戦で2試合連続先頭打者本塁打。

 新人王(10)、首位打者1回(11)、最多安打1回(12)。ベストナイン2度(11、12)、ゴールデングラブ2度(11、12)受賞。オールスター出場3度(11〜13)。WBC出場1度(13)。1984年12月6日生まれ。右投げ右打ち。

年度別打撃成績(赤字はその年のリーグ最多記録)
    試合 打数 得点 安打 二塁打 三塁打 本塁打 塁打 打点 盗塁 犠打 犠飛 四死球 三振 打率(順位)
10 巨人 128 430 66 124 24 3 19 211 52 12 2 0 27 72 .288(20位)
11 巨人 140 519 58 164 20 4 17 243 69 19 3 2 54 85 .316(1位)
12 巨人 144 574 84 173 29 2 14 248 60 20 2 1 76 100 .301(4位)
13 巨人 144 590 82 166 21 3 19 250 65 14 3 0 49 101 .281(10位)
14 巨人 130 472 67 140 29 1 13 210 62 8 4 2 45 75 .297(13位)
15 巨人 130 434 49 109 20 3 15 180 52 3 5 2 38 81 .251(22位)
16 巨人 143 576 58 163 28 4 11 232 42 8 1 3 38 78 .283(15位)
17 巨人 134 463 52 121 20 3 16 195 46 6 1 1 51 98 .261(22位)
18 巨人 116 383 49 111 16 0 13 166 52 3 0 1 42 69 .290
                                 
9年 1209 4441 565 1271 207 23 137 1935 500 93 21 12 420 759 .286