前田智徳選手インタビュー再録  

・・・07年9月1日に史上36人目の通算2000本安打を達成した前田智徳選手(広島)の試合後のヒーローインタビューを再現してみました。


試合後のヒーローインタビュー 2007年9月1日 広島市民球場 対中日戦終了後

−放送席そしてスタンドを真っ赤に染めてくれた前田選手ファンの皆さん、お待たせしました、ヒーローインタビューです。

(大歓声と拍手)

−今日のヒーローはもちろん、2000本安打、見事に達成されました前田智徳選手です!!

(大歓声に迎えられ、小走りにベンチを出た前田選手が本塁付近の特設ステージに登場)

−前田選手、本当に、本当におめでとうございました!

前田「有難うございます。」

(大歓声と拍手)

−今のお気持ち、いかがですか?

前田「いえね、あのう、えー、ね。凄い試合をみんなしてくれたんで、いやもうその事の方が、ちょっとびっくりしてるんですけど。えー本当にね、えー。えー本当にベンチにいる後輩達ね、凄いっすね。有難うございます。」

(歓声と拍手)

−少し前の事から振り返らせて頂きます。残り3本で地元広島市民球場に戻って来られました。昨日、どんなお気持ちでプレーされていましたか?

前田「そうですね、あのー、その前の試合ね。あのノーヒットだったんで。ま、予定では1本打つ予定だったんですけど。(スタンドから笑い)あのー私の責任でね、あのうチャンスで打てなくてね。えー本当にね、えー負けてしまったという事で、ちょっと引きずって来たんですけどね。あのー幸いね、試合があの、移動日じゃなく試合があったんでね、もうそのまま試合に入る事が出来たんで、何とか昨日あのう、2本ね。まあ打たしてもらったんですけど。ただね、あのー昨日もね、本当に惜しいゲームだったんで、出来れば昨日も勝ちたかったですね。」

(歓声と拍手)

−昨日2本打たれて残り1本。今日、球場に入られる時、報道陣の数、そしてファンの方が沢山いらっしゃいました。物々しい雰囲気の中での球場入りでした。どんな雰囲気で球場に入られましたか?

前田「あのう、やっぱり、ま自分ね、あのう個人の事でね。ここまであのう、えー騒がれるって言うか、取り上げられるって言うのはね、非常に自分としてはね、えー残念な事なんでね。えーここまでのね、チームの戦い方、えー考えるとね、非常に悔しい思いばっかりですけど。あのーまあ、その責任をね、非常に自分がね、あの今シーズン、いいシーズンを送っていないと言う事で責任を感じてます。」

(感情が込み上げ目頭を押さえる前田に大きな声援)

−前田さん、ぐるっと見回してみて下さい。広島市民球場、前田選手の偉業達成、こんなに沢山の方が見つめてくれています。

(大歓声と拍手)

前田「そうですね、本当に。えー本当ね、あのー怪我をして、(やや涙声で)えーチームの、えー足を引っ張って来ましたけど。本当にね、こんな選手をね、応援して頂いて有難うございます。」

(大歓声と拍手)

−8回の第5打席は、前田さんは9番目のバッターでした。あそこに並んでいる仲間たちが繋いで繋いで、前田さんに回してくれました。その時、打席に向かう時はどんなお気持ちでしたか?

(歓声と拍手)

前田「まあもう、本当にもう今日はね。本当にえー嶋がね、凄い逆転のホームランを打ってくれて、(柔らかい笑みを浮かべながら)これで勝ったなと思ってね。もう回って来ないと思ってたんですけ。えー本当にね、えーみんな本当に、東出にね、えーアレックスに新井にね、もうみんなに有難うございます。」

(大歓声と拍手)

−そして打席に入られて、ライトに鋭い打球が飛んで行きました。その打球を見ながら走っている時、どんな事を思われましたか?

前田「もうね、本当に最高の形で回してくれたんで、(笑顔で)えーもうここでね、えー打たないわけにはいかないと。まあ打てるシチュエーションは出来てるなあと、信じて行きました。」

(大歓声と拍手)

−チームメイトみんなの力、そしてこの沢山のファンの皆さんの後押し。素晴らしい2000本目になりましたね。

前田「そうですね。あのー本当に今日という日をね、もう一生忘れる事はないです。ありがとうございます。」

−思い返してみれば18年、いろいろな事があったと思います。改めて振り返ってみられていかがですか?

前田「いえもう本当にね、えー沢山の方にえー助けて頂いて、沢山の方にね、えー迷惑を掛けて来たんですけど。自分に出来る事はね、こうやって元気にグラウンドで、えー精一杯走る事。とにかく走れるようになりたいと言う事で、本当にね、トレーニング、いろんな事をね、出来る限りの事はやって来て、精一杯ここまで来る事が出来まして、えー本当に有難い、その気持ちだけです。その言葉しか、自分には言えないですけど、本当に有難うございました。」

(大歓声と拍手)

−今、前田さんの言葉の中にもありましたが、怪我をされてからこの日を迎えるのは夢のまた夢だとおっしゃり続けて来た事が、今日現実に変わりました。改めて今のお気持ち聞かせて下さい。

前田「もう本当にね、えーこういうチャンスをね、与えてくれた、えー、球団やね、スタッフ、選手のみんな、裏方の方ね、そして家族。いろんな事をね、支えてくれて、えー、いろんなね、もう全てにおいて嫌な顔をせずね、えー手助けしてくれた事をね、本当にここでね、本当に心から御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。」

(大歓声と拍手)

−今もずっと、沢山のファンの方が前田さんに声援を送り続けてくれています。最後に今一度、ファンの皆さんに一言よろしくお願い致します。

前田「えーと、チームはね、えーここまで非常に苦しい戦いをしていますが、まだまだあのう、1ヶ月以上残っています。選手はね、一つ一つコツコツとね、トレーニング、いろんな事をね、みんなトレーニングに励んでやっています。えー一つ一つ、えー一つの勝ちを、ファンの方にね、プレゼントする事によってね、本当に申し訳ない気持ちがありますが、まだまだ強い気持ちを持ってね、選手一人一人戦っていきたいと思います。有難うございました。」

(ひときわ大きな歓声と拍手)

−今日のヒーローは見事2000本安打を達成されました前田智徳選手でした!

(前田選手がスタンド各方向に礼をして、手を挙げてファンに応える。前田コールが続く。)