プラレールセット品展示室その11:3編成セットシリーズ

プラレールの基本的な販売方法は、定番的な単品・セットを仕様を変えずに長期間販売し、必ずそれらはカタログに掲載されるという形でした
しかし近年、新しい販売方法がとられるものが出てきました
その一つは鉄道会社の特注品、そして一時期行われた「プラレールの日」の復刻版
そしてもう一つが「復活!プラ電動電車トリオ」から始まった「3編成セット」です。(一部2編成も含む)
これらは、基本的には1回生産のみで、市場在庫がなくなれば販売終了。
そしてほとんどがカタログに掲載されないという今までのプラレールセットと比較すると追いかけにくいセットです。
JR各社はもちろん、私鉄のセットまで、かなりの数が出揃ってきましたので、ここで整理してみたいと思います
(新動力系セットの続きは、10-2という形でいずれまた作成しますのでお待ち下さい)

復活!プラ電動電車トリオ(1999年)
プラレール40周年を記念し、復刻版として初めて発売されたもの
103系ウグイス・103系スカイブルー・103系オレンジバーミリオンの3種
厳密には、プラでんしゃなら昔の両運の金型なんですが…
中央線のオレンジは、実車には近いんですが、当時は赤に近いものが売られていました
屋根やライト・方向幕などに色差しがされ、屋根上のベンチレーターも濃いグレーで塗り分けられるなど
ディテールアップが図られているのが特徴
そのため「復刻」ではなく「復活」という名前にしたのかもね



みんながえらんだ復活トリオ(1999年)
40周年記念第2弾として、当時トミーが主宰していたプラレールファンクラブ上で人気投票が行われ、その上位のものが復刻されたもの
(といいつつ、なんか出来レースの雰囲気がプンプンするのは私だけなんでしょうかね…)
急行電車(457系ときわ)・103系エメラルドグリーン・103系カナリアの3種がセット
厳密にはエメラルドグリーンは過去に発売されていないはずですが…まあぁ103系が揃ったので良し!としましょう
103系は、復活トリオと同じく細かな色差しが行われています



JR九州スペシャルセット(2001年12月)
上記2種の「3編成セット」というフォーマットを使って発売された各社セットの第1弾
当時ユニークな車両を次々に投入していたJR九州の車両からの3種をチョイス
ソニックは通常品とは前面の塗りわけが違うなど差別化を図っている
まだ箱のデザインが確定しておらず、このセットのみこれ以降のものとデザインが異なるなど試行錯誤がまだみられる

JR西日本スペシャルセット(2002年10月)

前回の「JR九州スペシャルセットから約1年の間を空けて発売されたセット
箱のデザインなども、以降の3編成セットのフォーマットとなる形が確立した記念すべきセット
「ディーゼル特急」「寝台特急」という過去の人気車両の金型を利用した「いそかぜ」と「きたぐに」が入っていてなかなか豪華〜
特に、「きたぐに」は、これ以降のイベント限定品などでも発売されていない国鉄標準色で貴重ともいえる
逆にこのセットがあるからキハ181系の国鉄色が単品発売しづらいのかもね…
このセット以降、ほぼ年間数セットの割合で、3編成セットが発売されるようになった

JR九州スペシャルセット2(2002年11月)
JR九州は新型・新色車両が多かったせいか続けて企画されたもの
何気に単品発売されていない通勤電車が入るようになったのも、これまでの特急列車中心のラインナップを転換するターニングポイントとなった
「きりしま&ひゅうが」も485系の塗り替えながら派手な色使いが特徴
そのためか1より人気が高いという説もある


JR東日本スペシャルセット(2002年11月)
単品発売されていない「はやて」と復刻版ともいえる「200系やまびこ」がはいっているため、今でも人気が高いセット
特に200系は、以前発売されていたものに比較して細かい部分に色差しがされイメージアップされている
ただ、車輪が灰色でないのが残念
プラキッズが付属しているのだが、乗れる車両がないよ〜




JR北海道スペシャルセット(2003年7月)
スーパー白鳥はいいとして、DE11ノロッコ号とキハ40系急行利尻(中間車は24系寝台!)という新金型連発のファン驚愕のセット
DE11、キハ40はその後単品でも別仕様で発売されたが発売当初は「トミーもここまでやるようになったか」と話題になった

JR東日本スペシャルセット2(2003年11月)

流れ星のイラストが印象的なEF81北斗星専用機に金ラインのブルトレ、E231系の常磐線とイベント用DE10茶と旧型客車という
通常品では販売されていない3品のセットで好感度の高いセット(その後EF81はいっぱいつなごうセットでも発売されたが)


JR貨物スペシャルセット2(2004年8月)

初のJR貨物のセットにふさわしく、EH200は単品発売されたものとマーキングが異なる試作901号機
DE10は更新後のニューカラー192号機、EF81は今や姿を消しつつある伝統のローズピンクにJRFの宣伝ロゴ入りの10号機と
なかなかマニアックな選択が大人のファンにアピールした製品で売れ行きも良かったようだ

鉄三勇士セット(2004年9月)

C62−3、D51−498、C57−1という現存する動態保存機をプロトタイプにしたユニークなセット
これが初デビューとなるC57は、スリムなボイラー形状を再現するため、今までのSLと違い初のテンダードライブという
意欲的な製品でディテールや細部の色入れも素晴らしい
片やC62も逆に太いボイラーを強調し、中間動輪まで再現した力作
こうなってくると、旧来のD51が相対的に見劣りしてくるのが残念
D51は元々プラレールの汎用SLとして使われてきたものだけに(旧動力時代はC58やC62に化けたこともある)
専用ボディの開発を考えてほしい(今だったら、サウンドスチームD51のボディがあるか…)

新幹線開業40周年スペシャルセット(2004年10月)

0系と100系のラストラン仕様と700系の「AMBITIOUS JAPAN」をセットし、車輪も灰色に揃えた超マニアックなセット
0系も新金型のものを使用しているため再現度が高く、発売当時もすぐに店頭から消えた今でも人気の高いセット

プラレール45周年記念セット(2005年1月)

復刻版電動プラ汽車にトミーの新旧ロゴとプラレールの新旧マークを入れたコンテナ
そして発売当時の原色の度合いが強い電動電車赤と電動電車緑の再現とイベント色の強いセット
…だが、色差しを全くしていない電車など見方を変えると「手抜き」ともとられたのか、割高感が強く売れ残りが多かったようだ
箱の裏面にロゴマーク等の解説が書いてある

東武鉄道スペシャルセット(2005年3月)

私鉄シリーズ第1弾
スペーシアの他、通勤電車を2種も入れた意欲作
トミーとしては冒険だったかもしれないが、ファンには受け入れられ売れ行きが良かったため、この後私鉄セットもシリーズ化された

名古屋鉄道スペシャルセット(2005年3月)

近畿地方の雄、名鉄の車両をセットにしたもの
全て既存の発売車両だが、パノラマカーは白帯なし、モ510は赤一色の旧塗装と仕様変更されなかなかツボを押さえたセット
このセットも売れ行きが良かった


小田急電鉄スペシャルセット(2005年6月)

私鉄シリーズ第3弾は大方の予想通り小田急
…だが、50000系は中間車が逆向き、10000系は登場時のマーキングというイマイチインパクトに乏しいセット
どうせなら、10000系は側面の印刷を少し変更して8000系にするとか、工夫してほしかった
2600系は、通常塗装と旧塗装が既に特注品で発売されていたのでフラワートレインとは…ひねりすぎ

山手線環状運転80周年記念スペシャルセット(2005年8月)

ただの山手線セットではなく「環状運転80周年セット」というネーミングがマニア心をくすぐる
103系は、旧来の「電車」の金型を使用せず、高運転台仕様を新金型で開発したインパクトが大きかった
今に至るまで、新金型の103系は通常販売されておらず、この3編成シリーズと大阪環状線仕様の特注品のみとなっている
通勤電車3種という渋い内容だが、ファン受けはきわめて良好で、あっという間に姿を消した


JR四国スペシャルセット(2005年9月)

JR各社シリーズのラストは四国 
このセットの完全オリジナルはキハ40四国色のみで、他の2種は単品発売されているものの仕様を変更しただけなので
今ひとつパワーの弱いセット
イベント用のキハ181四国色あたりを持ってくれば良かったのに…とちょっと残念

京浜東北線スペシャルセット(2006年3月)

103系・209系・209系-500という山手線セットに続く通勤電車3本セットという内容
そのためか人気も高く、すぐに見かけなくなってしまった逸品
しかし時代は進み、今や最新型E233系が投入される時代となってしまった
全然関係ないが、通勤で毎日乗っているのだ>あれはTVが付いてなかなか良い車両だぞ

歴代つばめスペシャルセット(2006年3月)

C62はまだしも、青大将と583系の3代の「つばめ」がセットになったまさにマニア向けとしか思えない濃い濃いセット
あまりに濃すぎて、お子ちゃまへの売れ行きが芳しくなかったのか比較的売れ行きが鈍かったが、今では探している人もいるはず
EF58はお召し機を作るときに側面帯を金型にわざわざ入れてしまうという暴挙をやってしまったので帯のモールドが残ってしまい
とっても残念…こういうのを蛇足っていうんだよね


スペーシアきぬがわ&485系日光号ダブルセット(2006年9月)

2編成セットだが、1回生産しかされていないのでご紹介
JRは自前の日光線がありながら、東武線に乗り入れするという画期的な運用と、それと合わせた485系日光号の登場
そして新宿へのスペーシア乗り入れという話題性の豊富な中で発売され、しかも485系も新金型の更新車という渋いセット
どうして再生産しないのかな〜


総武線スペシャルセット(2006年11月)

E217というと横須賀線のイメージが強いし現行品だし、205系も以前発売されていたので
目玉が103系しかないのがイマイチ弱いセット
やはり201系のカナリア色をセットして3代に渡る通勤電車という渋〜いセットだともっと良かったと思うぞ


常磐線スペシャルセット(2007年1月)

京浜東北・総武線と来て次は常磐線と順当なセット
しかしグリーンライナーはイマイチ区間的に違和感があるので、ここは地下鉄乗り入れ用103系か往年の415系ブルーラインを
入れてほしかったところかな〜


中央線スペシャルセット(2007年3月)

新型のE257系あずさと新規投入されたE233系、そして定番の高運103系のセット
しかし中央線といえばやっぱり201系を入れてほしかったな〜
プラレールの世界でも201系は最後まで「ドア開閉通勤電車」として地味な生涯を送っていたし
103系も金型の都合で戸袋窓を省略しているので、前面を201系にするだけで新規金型の201系ができたのに
E257あずさは、単品販売と中間車の塗り分けパターンと貫通と非貫通を変えているのがご愛嬌


JR西日本スペシャルセット2(2007年6月)

0系新幹線は、イベント用に新規製作された金型を使っているし103系もJR西日本特注の低運の前面を使っている何気にイイ!セット
103系も0系も新金型が製作されるなんてまさに夢のような時代が来たもんだねぇ


JR貨物スペシャルセット2(2007年6月)

EF63の側面に新規金型でEF651000番台の前面を取り付けたEF65−1042号機がメインのセット
その他の2種も、プロトタイプの号車指定までしていながら、やはり中国製のためか仕上げが甘いのが難点
レッドサンダーのロゴは印刷か、せめてクリアシールにしてほしかった
先日「レッドサンダーふみきりセット」のみに入っているEF510-1号機を手に入れたが、側面のシールの有無と車番の違いだけで
あまり差別化が図られていないのが残念
EF65-1000番台の今後の活躍に期待したいところだ


長野新幹線10周年スペシャルセット(2007年9月)

長野新幹線開業10周年ということで、旧塗装風にしたEF63と国鉄色の旧「あさま」と「E2あさま」をセットにしたもの
サウンド連結EF63セット+E2新幹線なのに合計金額が多いという謎のセット
ここはED42あたりを新規金型で起こして「惜別碓氷峠」というセットで出してほしかったな〜


鉄道博物館開館記念スペシャルセット(2006年10月)

大宮に開館した鉄道博物館の開館記念に、展示されている実車にちなんだ車両をセットで発売したもの…
というと聞こえはいいが、既成の金型を流用したある意味寄せ集めなセット
しかも中国製のためか、仕上がりが雑でさらに評判を落としている
どうせやるなら、昔の「てんしゃだい」を復刻して、その周囲にジオラマ風に車両を飾れるセットにすればよかったのにと思うのは
私だけではないはず
せっかく別売でC57も発売したのに何とももったいない…

JR東日本新幹線アニバーサリーセット(2007年11月)

E1Max、つばさ、200系の周年記念と銘打って発売されたセット…なのだが
Maxはこのあいだまで通常品で発売されていたものと同じだし、つばさも連結器が付いたとはいえ、昔発売されていたのと同じ仕様
唯一の目玉とも言える200系K編成(連結器付)も中国製なためか塗りが甘くて残念
Maxをやめて、短期間だけ発売された「ニュー200系」をセットすればもう少しバリューのあるセットになったと思うのだが


地下鉄銀座線ダブルセット(2007年11月)

2008年は地下鉄の年だぜ! と言わんばかりに発売された地下鉄シリーズ第1弾
銀座線の2000系はこのセットのみの発売となりそう
01系も単品販売されているものの、品番が入っていないのでいつまで生産されるか不安でしゅ


JR雪国列車スペシャルセット(2008年1月)

キハ183の旧塗装がメインのセット>断言!
単品では新塗装を発売したのでまさにベストチョイス
それに彩りを添えて、単品では発売されていない485系2000番台の金型を使った「白鳥」と
冗談のようなキハ40「エビ・カニ・イクラ」>それじゃ寿司だって〜ぢゃなくて「カニ・キツネ・イカ」の3両セット
マニアックさとお遊びが微妙にマッチングしたセンスにチョットトミーを見直したぞ
しかしこれ以降3編成セットが発売されていないのが残念(2008年5月現在)


地下鉄丸の内線ダブルセット(2008年3月)

いまだにファンの多い丸の内線の旧塗装500系と新型02系のセット
01系は単品販売されたが、02系は単品販売されなかったのでこのセットでしか手に入らないため
先に出た銀座線セットより先に完売してしまったのもうなずける