プラレール幻の逸品展示室:その28
電動プラ電車大集合

-「トミー電動プラ電車セット」-

1963年より、旧形国電の置換え用として首都圏各線に配置された103系は
今までの地味な塗装から、各線によってカラーリングを変えた斬新な塗装でした

首都圏で言えば…
中央線…オレンジ
山手線…ウグイス
総武線…カナリア
京浜東北線…スカイブルー

今までほぼ茶色一色だった国電それが一挙にこんな華やかな色になったのですから、
当時の鉄道少年にとっては、夢みたいな出来事だったでしょう

プラレールの世界でも翌1964年には、金型が作られたらしく、ひかり号が一緒にセットされた
「電動プラレールデラックスセット」に早くも赤色のものが入っていましたが、単品での販売はされていませんでした

実車の登場に遅れること約5年、プラレールの世界にもカラフルな103系がやって来ました
発売は1969年、プラレールの世界での名前は「プラ電動電車」といいました

「電動電車」というのもちょっと「馬から落馬」みたいで、おかしなネーミングのような気がしますが
これはすでに発売中だった「電動プラ汽車」「電動超特急」からの流れでこのような名前になったものと思われます


発売されたのは、実車の代表的な色をイメージした「赤」「黄」「青」「緑」の4色
中央線のオレンジをイメージした色が「赤」と思われますが、これはかなり実車と色合いが違います
しかしプラレールの世界ではほぼこの色のまま生産され続けて、本来の「オレンジ」となったのは
プラレール40周年を記念して発売された「復活!電動プラ電車トリオ」が初めてでした
これはおそらくオモチャの世界での色の対比を考えて「赤」としたのだと思います。
他の3色は、ほぼ実車のカラーに近いものでした。

車体のタイプはもちろん一番古い両運タイプ

以前は初期に発売されたのは「赤」「黄」「緑」の3色のみで「青」はメリーゴーランド時代からというのが定説でしたが
当博物館でも、数年前北海道の方から「青」を譲ってもらったことから、「青」も発売されていたたことが確認されたことは
かなりの驚きだったと記憶しています

電動プラ電車、なかなか縁のなかった「緑」を入手しましたので、今回は4色まとめて御紹介いたします

4色揃った電動プラ電車
緑のみ屋根スイッチとなっており、生産時期が多少古い


パッケージの4面写真
写真には屋根スイッチのもの3色が写っているので、当初発売されたのはこの3種と思われる
その後前スイッチに動力方式が変更されたあたりで「青」が追加されたものと思われる
車両単体のみなのに「セット」という名前が付いているのがこの時代の特徴


4色の箱を並べた写真
箱自体は全く同じもののため、中の色を示すシールが貼られているものがあるのに御注目

識別シールのアップ
他の2色も存在していたと思われるが未確認


103系をモチーフにしたこの車両は、その後ロングセラー商品となり、
商品名も「でんしゃ」「電車」と変更されながら金型も片運タイプの物が新造され新動力の時代まで生産され、
最後に残った「電車青」が1990年代前半に絶版になるまで約20年余に渡り生産されました

そして1999年、プラレール40周年記念の「復活!プラ電動電車トリオ」で「オレンジ」「ウグイス」「スカイブルー」がセット販売され
続いて「みんなが選んだ復刻トリオ」で「カナリア」「エメラルドグリーン」が販売され、首都圏の5色が全て発売されて有終の美を飾りました

まだまだ地方では活躍している103系、カラーバリエーションも増えてきているので
そろそろ特注でお呼びがかからないかと密かに期待しています(ね!トミーさん)

(2004年6月26日作成)