超・合金のページ1
DXポピニカ NEWゴッドフェニックス火の鳥バージョン
〜ガッチャマンは待っている〜
地球を滅亡させるブラックホール作戦のカウンターは
残り2秒のところで停止していた
「0002…ジョーの 番号やのぉ」
自らの命と引き換えに、羽根手裏剣で地球滅亡を食い止めたコンドルのジョー
「彼らは今も飛んでいます 地球の平和のために…」
そんな南部博士のセリフの中
写しだされるゴッドフェニックスのコックピットのジョーの席は空席のまま…
1974年9月27日 こうして「科学忍者隊ガッチャマン」は
数々の名シーン、名ストーリーを残し、その幕を閉じた
当時としては驚異的なレベルの作画とストーリー
緻密な設定に裏づけされたゴッドフェニックスやギャラクターの鉄獣メカ
まさにタツノコプロの金字塔と呼ぶにふさわしい作品であり
メンバーの1人が死んだ以上、続編が作られる可能性はありえない
だれもがそう思いつつこの作品を心に刻んだ
その後タツノコプロは、設立者の吉田竜夫の死去
優秀なスタッフの流出などもあり
それなりの作品を世に出し続けてはいたが
正直「科学忍者隊ガッチャマン」を超える作品を作ることはできなかった
しかし4年後の1978年10月
折からのアニメブームと呼応するようにまさかの続編の制作が決定
コンドルのジョーはサイボーグとして復活>おいおい
「科学忍者隊ガッチャマンU」として放映が開始された
メインメカは、全て一新され、スポンサーであるポピーの村上克己氏のデザインとなった
前作の中村光毅氏の流れるようなメカデザインと比べ
どちらかというと無骨なそのデザインは
正直、アニメ作品のメカとしては違和感があった
NEWゴッドフェニックスも、機首に鳥のマーキングを施した派手なカラーリングとなり
ガッチャマンという作品世界の中では正直、浮いたデザインとなっていたように感じる
それはおそらく、他の作品でも言われているように
村上氏が玩具として立体化されたときのイメージを優先してデザインしたものと思われ
実際、DXポピニカとして発売された「NEWゴッドフェニックス」は
不思議なことに画面上の安っぽさとは全く正反対の
重厚感のある立体物としての輝きを放っていた
(もちろん、今でもコレクターにかなり人気のあるアイテムである)
三作目の「ガッチャマンF」のメインメカ「ガッチャスパルタン」に至っては
アニメファンからは「紙飛行機みたい」と酷評されたが
「DXポピニカ5連合体作戦ガッチャスパルタン」はその出来の良さから
かなりの高額アイテムとなっている
そう、やはり村上氏のデザインは立体物向けなのだ
その「NEWゴッドフェニックス」であるが、伝説のアイテムがあった
旧ガッチャマン時代より、必殺技として受け継がれた
「科学忍法火の鳥」
その真っ赤に燃える状態を再現した限定版の「NEWゴッドフェニックス」があるという
カタログには掲載されていたが、あまりにも生産数が少なかったせいか
その実物の写真は、未だに世に出たことがないと言われている
あれはカタログに掲載されただけで、実際には発売されなかった
そういう者も数多くいた
だが、それは実在した
「G−1号ギャザー! 科学忍者隊出動せよ!」
「ラジャー! ゴッドフェニックス発進!」
「科学忍法!火の鳥!!」
真紅のボディとそこから尾を引く火炎を表現したマーキング
このバージョンがどのような意図で、いくつ作られたのか
現在詳細は不明だが、カタログにも掲載されていたところをみると
極めて少数だが一般販売されたのは間違いないようだ
通常品と全く違うそのマーキングをたっぷりと堪能して欲しい
パッケージにも通常品と違いがある
上が「火の鳥バージョン」
下が通常の「NEWゴッドフェニックス」だが
「火の鳥バージョン」はパッケージ左上に誇らしげに
「火の鳥!!」と記入されたシールが貼付されている
これが「火の鳥バージョン」シール |
通常品との比較写真をいくつか掲載しよう
通常品は、アニメ設定に忠実なマーキングとなっているが
火の鳥バージョンはアニメ設定を無視した
自由奔放なデザインとなっている
これがまた、魅力の一つとなっている
また、もう一つの謎として、既に4年前に放映が終了していた
旧作ガッチャマンの「ゴッドフェニックス」がポピニカで同時に発売されたことがある
作品世界としては続いているものの、全く新作には出てこない(47話を除く)メカを
新たに金型を起こしてまで造ったのか?
それにしては、G−1号の合体ギミックが全く再現されていないなど
(従って、中央の垂直尾翼がない)
当時としてはやや甘いディテールガ目立つ
一説としては旧作放映当時のグリップ版の金型を流用したので
比較的低コストで販売が可能だったという説もあるが
これも今となっては真相は不明である
ただ、ポピー:タツノコもガッチャマンUと「旧ゴッドフェニックス」の関連を持たせるためか
(むろんファンサービスの意味もあったかもしれない)
第47話「2羽の火の鳥」で南部博士の別荘に保管されていたという設定で
「旧ゴッドフェニックス」を登場させている
この時とばかり、旧作のボブ佐久間のBGMと共に発進するシーンは
一瞬とはいえ、旧作ファンの目頭を熱くしたことだろう
「ガッチャマンU」47話「2羽の火の鳥」の再現 (^_^;) |
今日、「ガッチャマン」といえばほぼ第1作のことを指すファンが多く
「U」や「F」のことを語る者は少ない
手元にあるガッチャマンのムック本でも
第1作のことは作品世界やメカ解説
各エピソードの詳細が多くのページに渡って語られているが
「U」や「F」についてはサブタイトル紹介のみという
まさにファンの気持ちを代弁したような内容となっている
アニメ作品の評価としては、私も同じ思いを持たざるを得ない
だが、おもちゃの世界では「NEWゴッドフェニックス」や「ガッチャスパルタン」は
非常に高い評価を得ているのもまた現実である
(2007年3月9日ページ作成)