俺の好きなプラレール:第7章

「近郊型でんしゃふみきりえきセット」
最終章


2003年も暮れようとする頃
そのセットはプラレール博物館にやって来た…


…思い起こせば2003年初頭、プラレール史43年の中でも謎とされてきた横須賀色の入った
「近郊型でんしゃふみきりえきセット」を入手(第5章)

…そして夏には、同時期に発売されたという「関西色」の単品と色違いの「ふみきりえき」を入手(第6章)

ここまでは前回、書かせてもらったわけだが、
俺としては、関西色の入ったセットの箱が果たしてどんな物だったのか唯一の心残りとなっていた


しかし、同じ年に3度も奇跡が起きるわけはないと、正直なところ俺も半分諦めていたんだが…

…そう、3度目の奇跡は起きた
「関西色」と色違いの「ふみきりえき」の入ったセットが、今俺の目の前にある


箱は、先に発売された横須賀色の電車が写っているものをそのまま使用していたことが判明した

ということは、俺の想像通り、関西地方向けに特別に少量生産されたセットという可能性が高い
おそらく、こんなやり取りがあったんだと思うな

トミー営業マン(以下「ト」)「こんど、プラレールの新しいセットが出たんですよ!仕入れてくださいな」
関西の問屋(以下「問」)「なんやこの青とクリームの電車は」
ト「いやこれは、関東地方では普通列車でよく使われている横須賀色と言うんですよ…」
問「こんな電車こちらでは走っとらんで!これでは関西では売れんがな」
ト「では、どうすればよろしいんですか…」
問「電車の色を、こっちで走っているものに変えてくれや…そうや、関西色がええな」
ト「わかりました、では電車の色を変更したセットを作ります…でも生産数が少ないので、箱はそのまま使わせてくださいね」
問「仕方ないのお、じゃせめて駅の色も変えてくれんかな」
ト「わかりました(これじゃ赤字だな…トホホ)」


もともと生産量が少ないセットの、さらに関西向けということで、このセットの生産数は本当に少なかったと思う
箱つきの状態で見つかるのは、まさに奇跡としか言いようがないぜ

このセットを譲っていただいた方の話では、当時お父さんが旅先で買って来てくれたものだったそうだ
それから30年近く、傷んだ箱を大事に補修しながら、大切に取っておいてくれたおかげで
車両や駅の状態もとても良いコンディションのまま欠品もなく残っていたんだ
まさに奇跡と言っていいだろう



それでは前置きが長くなったが、お見せしよう!
これが「関西色」の入った「近郊型でんしゃふみきりえきセット」だっ





プラレール史上の大きな謎とされてきた「横須賀色」と「関西色」の全貌が、こうして明らかになった
この2003年は、俺にとって生涯忘れられない年になるだろう
そして来年も、きっとまた新たなプラレールとの出会いが、俺を待っているぜ
よろしく応援頼むな!
(2003年12月20日ページ作成)