木星プロジェクト 著:グレゴリー・ベンフォード 訳:山高昭 早川

2011.05.28

しばらく前に、江古田の古本屋で買って読んだ。

木星調査ステーションで生まれた少年たちが、
親の都合などで反目し合ったり、協力しながら青春に迷い、過ごし、
親友の死を乗り越えて、将来を決めて行く話。

点稼ぎの上手いライバルに腹を立てたかと思うと
そこの家庭の事情が「ちょっとそりゃねーよ」といった感じだったり
あとは性関係の話とかもニヤリとさせられる。

主人公は、ここでずっと暮らせたらいいや的なノリなのだが、
最後にそれを奪われそうになり、命がけで取り戻す事で
本当にやりたい事になる、みたいな。
(現実には木星探検は今後何十年も本当の冒険以外の何でもないが
 そこが日常となった所で描かれる冒険。SF的感覚を持ちながら人間を描いている。面白い所である)

最後に、木星軌道上の生命の痕跡、その根源に未知の文明の痕跡と
風呂敷を広げてドカーンと終わるあたりも、面白い。


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