先端的代替医療
高密度焦点式超音波治療法(HlFU)
による前立腺治療
ソナブレイト(Sonablate)500 Version
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中目黒消化器クリニック 併設前立腺センター
センター長 鈴木 誠
03-3714-0422
中目黒消化器クリニックのトップページへ 鈴木誠センター長の経歴
2006/03/01
前立腺
前立腺は男性だけに存在する器官で、膀胱のほぼ真下に位置し、尿道の周りを取り囲んでいます。前立腺の主な働きは、精子の活動に必要な前立腺液を分泌することと考えられています。しかし、加齢とともに前立腺には肥大症やがん(癌)が発生します・その発生には、男性ホルモンをはじめ、色々な要因が関係しています。前立腺は内線と外腺に分けられます。みかんに例えると、内腺はみかんの実の部分で、外腺はみかんの皮の部分にあたります。内腺が肥大すると前立腺肥大症になります。外腺が肥大することはありませんが、そこからはがんが発生します。前立腺肥大症と前立腺がんは全く異なる病気で、肥大症からがんになるようなことはありません。ただし、両者が同時に起こることはしばしばあります。
代表的な前立腺の病気
前立腺の病気には、前立腺肥大症、前立腺がん、前立腺炎、前立腺結石などがあります。このうち代表的なのは、前立腺肥大症と前立腺がんです。
前立腺肥大症と前立腺がんは最近急激に増加しています。前立腺肥大症の受診者数はずいぶんと多くなっています。また前立腺がんによる死亡率も上昇を続けています。今後もさらに増加し、2015年にはl995年の3倍くらいまで死亡率が増加し、男性のがんの第一位になると予想されています。この死亡率の増加の程度は著しく、全てのがんの中で最も高い増加率となります。
急激に前立腺の病気が増えてきたのはなせでしょうか。その原因のひとつは、人口の高齢化と考えられています。前立腺の病気は60歳以降に急に多くなります。また、生活様式の欧米化、特に脂肪分をたくさん食べるような食生活の変化が問題とされています。
前立腺がん
前立腺の病気の中でも特に気をつけなければならないのは前立腺がんです。
前立腺肥大症では「尿の出が悪い」とか「トイレか近い」などの症状が出ます。しかし、前立腺がんは初期にはほとんど症状がありません。がんが進行して転移をおこし、その痛みからがんが見つかることもあるくらいです。つまり、症状が出るのを待っていたのでは、すでに手遅れなのです。より早期に、無症状のうちに、がんを発見することはできないのでしょぅか。PSA検査(下記参照)の登場で、それが可能となりました。
PSA(前立腺特異抗原)検査
PSAとは英語のProstate Specific Antigenの略です。PSAは前立腺で作られている蛋白質の一種で、前立腺にがんや炎症かあると血液中に出てきます。つまり、血液検査でPSAが高いと前立腺がんが疑われるのです。最近では、人間ドックなどでPSA検査を行うところが多くなり、がんの早期発見に大変役立っています。新宿区では2005年6月から検診に組み込まれ、多くの患者さんが見つかっています。
PSAの値と前立腺がんである確率の関係は、おおよそ下記のようです'
4ng/ml以下 陰性 (がんである確率は10%未満)
4.1~l0ng/ml 疑陽性 (がんである確率は20-50%)
l0ng/ml以上 陽性 (がんである確率は60%以上)
もしPSA検査でがんが疑われるならば、前立腺組織の一部を針で採取する「生検」という検査を行います。生検で取ってきた組織を顕微鏡でみて、がん細胞の有無を判定します。これを病理検査といいます。病理検査でがんが見つかれば確定診断となります。
前立腺がんの治療
前立腺がんに対する治療は病気の広がり具合、患者さんの年齢や体力などを考慮して選びます。がんが前立腺の外にまで広かっているときは、手術などで完全にがんを取り除くことはできません。その場合には、内分泌冶療で病勢を抑える治療が主体となります。前立腺がんは男性ホルモンがあると病気が進行しますので、男性ホルモンの作用を抑えて治療するのです。これに放射線治療を加えることもあります。
がんが前立腺の中にとどまっているときは(これを「限局性前立腺がん」といいます)、完全にがんを取り除くことが可能です。これを「根治的治療」といいます。
根治的治療には、下記の表のような方法があります。ただし、根治的治療は一般に体の負担が大きいので、高齢の方や他に病気のある方にはおすすめできません。また、根治的治療を受けても、がんが完全には取りきれないこともしばしばあります。その場合には、内分泌治療などを併用して病勢を押える必要があります。(天皇陛下の場合も手術後ホルモン療法が施行されています)
手術には腹腔鏡で行う方法(お腹に小さな穴を開けて内視鏡で前立腺を摘出する手術)もあります。(某大学病院で死亡事故があり大問題となった)また、放射線治療には小線源治療(放射線を出す金属の小片を前立腺に埋め込む治療)もあります。しかし、これらの治療は従来の治療と比べて際立った利点はないようなので、当院では行っていません。治療を受けるご希望があれば、受けられる病院をご紹介いたします。超音波で前立腺がんだけを焼いてしまうHIFUについては。次でくわしく説明します。各治療の位置関係をイメージすると、下の図のようになります。
限局性前立腺がんの根治的治療
治療方法 |
方法 |
長所 |
短所 |
手術 前立腺全摘出術 |
下腹部を切開して前立腺、精嚢を摘出します。 |
もっとも広く行われ方法も確立している |
入院期間が長く、尿失禁や尿道狭窄が2割に起こる。インポになる。 |
放射線治療 |
40回くらいに分けて放射線を前立腺に当てる |
外来通院でも可能。週5回5-6週間。 |
膀胱炎、直腸炎など放射線障害が何年たっても起こり難治性。アメリカの調査では3万人以上の放射線治療を受けた患者から953人の直腸がんが発生したという報告がある |
重粒子治療 |
加速器を用いた大掛かりな設備で元素を前立腺に当てる。 |
従来の放射線よりも効率がよい。周辺臓器への障害が従来の放射線治療に比較すると少ない |
国内では6箇所でのみ。関東では千葉県稲毛。300万円以上かかる。1.5ヶ月入院。ホルモン療法は継続。 |
小線源療法 Brachytherapy (ブラキー) |
放射線を出す線源を60-100本ほど前立腺に打ち込む |
出血は少ない。入院期間も1週間と短め。 |
現在では、単独では効果が不十分でホルモン療法や放射線療法が追加されている |
HIFU (ハイフ) |
超音波で前立腺を高温に加熱する。 |
入院は3-4日で、体の負担も少ない。 |
後遺症として尿道狭窄が約2割におこる |
新しい治療―HIFU(ハイフ)
高密度焦点式超音漣治療法(HIFU)
前立腺がんの理想的な根治的冶療とはどのようなものでしょうか。それは身体に傷をつけず、効果は高いが合併症のない治療でしょう。高密度焦点式超音漣治療法(HIFU)には、これらを達成できる可能性があります。
HIFUの原理は、例えて言うと、太陽の光をレンズで集めて一点だけを高温にするようなものです。高エネルギーの超音波を発生させ、それを体内の一点に集めるのです。そうすると、その点の温度が90℃以上になります。図のように超音波が収束された部分だけが高温になり、他の組織にはダメージはほとんどありません。この温度の高くなる点を前立腺内にもってくるように調節すれは、前立腺がんを治療することができます。
もちろん、体の他の部分か高温になっては問題です。超音波の発生や誘導はコンピューターで正確に制御され、かつ、モ二ター画面で医師が照射の様子を常に監視します。
この治療の際立った長所は以下のような点です。
(l) 身体に傷がついたり、出血したりしない
(2) 合併症が少ない
(3) 入院期間が短い
(3) インポになりにくい
また、効果が不十分なときには何度か繰り返して治療ができます。お年寄りでも手術や放射線治療、小線源療法の後に再発した場合でも、治療が可能です。
当院ではこの治療機器を導入し、前立腺がんに対する治療を行います。
治療成績と副作用について
国内で27施設の大学、総合病院ですでに1500例以上の患者さんがHIFUの冶瘠を受けています。導入されている施設では手術が減り、HIFUが増える傾向が顕著です。治療後にはがんの病勢を示すPSAが低くなります。約l年後には、90%以上の患者さんでPSAは完全に正常になっています。ただし、治療前のPSAが高い人(例えば20以上)では効果は落ちるようです。この効果の程度は、手術による前立腺全摘術の場合とほとんど変わりません。
入院期間はほとんどの場合3-4日くらいで済みますので、手術の3週間に比べるとはるかに短いです。治療のときの合併症もほとんどありません。治療のあとは、前立腺がむくんで一時的に尿が出なくなるので、尿道に力テーテルを2週間くらい入れておく必要があります。ちなみに、手術、小線源療法でも同じくらい入れておく必要かあります。
もっとも多い後遺症は、尿道が狭くなって尿の出が悪くなることで、2割くらいの患者さんにおこります。これは外来で尿道を拡張する処置をすれば、ほとんどの場合良くなります。勃起の障害も同じくらいにおこりますが、時間が経つともとに戻ることが多いようです。あとは、膀胱炎や精巣上体炎といった感染症がたまにおこりますが、これらは薬で治せます。
治療の後遺症でもっとも困るのは、尿道と直腸の間に穴が開いてしまうことです。これは、高温となる焦点がずれて、直腸が焼けてしまったためでしょう。最悪の場合、一時的に人工肛門を作って穴をふさぐ治療が必要になります。ただし、この後遺症は非常に稀です
費用、治療上の注意事項
●健康保険は申請中ですので現時点では適用されません。自費診療になります。140万円です。ホルモン療法は3割負担で月3万円弱で済みますが、3年間で100万円となり、通常効かなくなるまで続けます。重粒子療法は300万です。尿路結石の治療は体外衝撃波砕石術が今は保険で8万円ほどで施行されますが、導入された当時は自由診療で1回100万円でしたが、開腹手術を嫌って、結石患者の医者が衝撃波を選びました。手術の後遺症は一生続くものもあり、それを一番知っている医者はたかが結石の治療でも100万円を惜しまない例です。
■薬剤アレルキーの方またはラテックス(ゴム)アレルギーの方は、お申し出ください。
●短期入院(2-4日)が必要です。
ほかの施設との優位点
2006年現在、東京では東海大学、帝京大学、日赤医療センター、北里研究所病院、大和病院等でHIFUは導入されています。当院では最新型のHIFU Version 4を使用。Version4はVersion 3に比べ、照射パターンを改良したことで治療時間を半分に短縮。その分、体の負担が減り、麻酔も腰椎麻酔で済みます。これまでは治療時間が長いため全身麻酔でした。内田教授が東海大八王子病院で調整しながら治療されてきましたが、当院での導入が日本で最初になります。
HIFUは東海大学の内田助教授が10年間に渡って開発、治験、紹介に携わってきました。これまでに500例のHIFUを施行し、世界中から患者さんが治療に来日しています。今回のクリニックでの最新型HIFU開始においては、内田教授が直接指導、治療していただけます。
大腸ファイバーをHIFU前後に施行。これにより、HIFUの障害となる残便、腸内ガスが残らず、スムーズにHIFUが中断されることなくできる。また、前立腺がんができたようながん体質の方には大腸ポリープができやすく、この検査もできる。術前に承諾いただければその治療も同時に行います。HIFUの稀ではありますが最も注意しなければいけない合併症は直腸が超音波で焼けてしまうことですが、HIFU後拡大内視鏡で異常のないことを確認いたします。これを行う中目黒消化器クリニックの田淵院長は、世界で最も多くの患者を診てきた無痛大腸 内視鏡検査の達人で、両上皇陛下の検査も担当しました。
中目黒消化器クリニックはプライベートクリニックで、携帯電話、PC(無線LAN)が24時間OK。家族も希望があれば2人部屋に変更の上、宿泊できます。患者さんと同じベッドです。食事は、患者さんと同じ低残渣食なら食べられます
。周辺にはコンビニ、24時間営業のファミレスなど多数ありますので、そちらを利用することをお勧めします。他の病院では、携帯電話の使用、付き添いの宿泊は一切できません。(乳幼児の手術の付き添いを除く。その場合でも簡易ベッド)費用は1日1万円いただきますが、遠方からの方で家族が付き添う場合周辺のホテルを利用するのと比較しても大変便利かと存じます。
Version:06.02.27
中目黒消化器クリニック 併設前立腺センター
* 社会保険中央総合病院は社会保険庁の監督下にあり、現在保険診療を申請中の最先端の治療などは、保険診療と同時に行うことが混合診療になるということで、診療ができません。東大の同級生である中目黒消化器クリニックの田淵院長の協力を得ることができ、保険外の診療を中目黒消化器クリニックで始めました。
* HIFU 高密度焦点式超音波治療法 前立腺がんの最新治療
住所〒153-0043
中目黒駅から歩くと10分ほどかかります。クリニックには駐車場が1台しかありませんが、山の手通りにでた交差点には(クリニックから30m)100円パーキングがあり、12台駐車することができます。また、この100円パーキングが目印となります。パーキングの黄色い看板がある路地の左を除くとクリニックの看板が見えます。
院内案内 (7床) 個室2、 2人部屋1、 3人部屋1、
2人部屋 3人部屋
待合室 受付
1人部屋 2人部屋
その他、当院で提供できる治療内容。
* HIFU 高密度焦点式超音波治療法 前立腺がんの最新治療
* ED バイアグラ、レビトラの処方(2006当時) 2024年現在、バイアグラの価格は50㎎1錠3000円です。副作用は心筋梗塞(特にNO剤服用患者はハイリスクです)。レピドラは2023年に発売終了となっています。
*ED治療については、低用量のバイアグラ系製剤が、前立腺肥大の治療薬として保険適応されています。処方前に診察を受けて、前立腺肥大がないか、心臓に問題がないかチェックしてください。
*包茎手術、パイプカット
詳細は、tabuchi.masafumi@gmail.comまでお問い合わせください。