週間報告(01年03月)

3月7日(水)
 さて今週は、クラッチダンパーをTypeR用に交換してきました。

 NSXは確かに素晴らしい車だと僕は思いますが、不満に思っている部分もいつくかあります。そのひとつがクラッチのフィーリングです。
 NSXに乗って最初に思ったのが「クラッチのつながる位置が高い」ということでした。踏み込んだクラッチペダルを大きく戻さないとつながらないので最初は半クラを探してしまい、結局いきなりエンストをやらかしてしまいました。これまで乗ったことのある車は、たいていが踏み込んだところからちょっと左足の力を抜いて足首を曲げた程度の低い位置に半クラがあったのですが、NSXの場合はひざを使って大きく足を戻さないと半クラがありません。渋滞などでこれを繰り返すのは結構大変です。でも攻めて走るなら高いほうがいいのかも…とも思いますが、根本的にペダルのストロークが大きいですし、ツインプレートクラッチということを考えるとしっかり踏んでやったほうがよいのかな?と思います。
 あと、クラッチをつないだ瞬間の駆動力が伝わるときに「ぐにゃ」というか「ぬるっ」というかちょっと違和感があります。たぶんこれによって街乗中のシフトチェンジがスムーズに走れているような気もするのですが、気持ちいいくらいのペースでワインディングを走り出すとちょっともどかしさを感じてしまいます。
 さらに、半クラの位置がわかりづらいです。これまで自分が乗ってきた車は半クラの位置でペダルの反力(踏力)が明らかに変わったし、教習所でもその反力が変わるところが半クラだと教わったのですが、NSXの場合はこの反力の変化が良くわかりません。というより僕には違いが感じられません。NSXは油圧クラッチなので仕方ない(?)のかもしれませんし、油圧でなければペダルが重くなってしまうのかもしれない(?)ですし、詳しいことは良くわかりませんが、とにかく結果としてこれらのことが重なって、僕にとってはクラッチのフィーリングがイマイチに感じられるんです。

 最初この話をいつものオートテラスでしたところ「じゃあ、ちょっと調整してみますね」とペダルの高さを調整してくれました。半クラの位置を変えることはムリにしてもペダルの高さでフィーリングを改善しようとしてくれたみたいです。メカさんは1〜2cmだと言っていましたが、確かにストロークが短くなった点で改善方向に向かいました。しかし、半クラの位置がさらに上になったように感じてもいました。確かにペダル位置だけが下がれば相対的に半クラの位置は上にくるのは当然ですもんね。そこで今度はこれを改善するのにTypeRのクラッチペダルを移植するという手を考えました。TypeRのクラッチペダルは総ストローク量が減るような工夫がしてあるんだそうで、それなら縮小されたストローク量に伴って半クラの高さも縮小されるのでは…と考えたんです。(これなら理想的?)

 で、その前段階としてクラッチダンパーを交換することにしました。実際に交換したTYIZさんによるとクラッチをつないだときのぐにゃっとした感じが改善して「ダイレクト感が増す」とのお話でしたので、交換経験の豊富なチューニングショップのKSPさんにお願いしてやってもらうことにしました。

左がR用、右が外したクーペ用(↓)
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リフトアップされたYAS号のトランク下辺りから左斜め前に向かって撮影しています。(↓)
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拡大図ここにクラッチダンパーが付きます。(↓)
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この部品持ってみるとR用がとても軽いです。R用はダンパーではなくタダのアルミの塊にオイルの通り道が掘ってあるだけなんだそうで、付け替えることによってダンパー機能を殺すことになります。だったらこんな部品つけなくっても取り外して直結しちゃえば…、とも思うのですが、入り口と出口で径が違っているので単純に直結は出来ないんだそうです。高価い部品ではないし、径の変換機と考えて素直にR用に交換してしまうのが良いのでは?とのお話でした。

交換後の感想は、まだ街乗りしかしていませんが、ペダル操作に応じてちゃんとクラッチがつながってくれるように感じられました。でも、本当に微かなフィーリングの部分の話なので、なんか自分の思い込みのような気がしないでもないのですが、気持ちいいくらいのペースに上げたらもっとしっかり分かりそうですね。週末が楽しみです。

3月14日(水)
 さて先週に引き続き今週もクラッチの話です。クラッチダンパーを外したYAS号は、クラッチのつながりがダイレクトになり、イイ感じになってきていました。ペダルに伝わってくるようになったシフトチェンジ時の微かな振動も、車からのインフォメーションと考えるととても貴重な情報源です。しかし、もてぎで乗ったTypeRとは明らかにクラッチのフィーリングが違います。
 TypeRのクラッチペダル…、初めて踏んだ時に空振りしたかと思ったほど奥にあってストロークが短く、感触が分かりやすく、上まで回してシフトチェンジすると「ジョリ!」って感じでびっくりするくらいの振動が足に伝わってきて、でもその振動がゾクゾクしちゃう様な……。ペダルひとつでそんなに変わるものなんでしょうか?もしかしたら、ペダル以外に何かあるのかも?でも、今現在で知っているRとの違いは、あとはペダルだけだし…。
 そんなことを考えながら、KSPさんからいつものオートテラス府中南に向かっていました。オートテラスに向かっていたのは別件で用事があったからなんですが、その別件の打ち合わせを済ませた後にさっそくペダルのことを相談させていただき、Rのペダルをオーダーしてしまいました(^^ゞ。別件と一緒にやってもらって部品の到着待ちも含めて仕上がりは金曜日。5日間のお泊りです。

 NSXが無い5日間。ご近所の目が気になります。同じパターンで週末まで預けてイジってもらう事が多いので、車庫に無い日が結構多いですから、仕事もしないでちょくちょく旅に出かけてるとでも思われてるかもしれません(^^ゞ。でも実際、イジるお金を使ってれば旅に出かけることもできるのかな?まあ、そんなこと気にしててもしょうがないですね。

 金曜日、仕事を速攻であがって、YAS号を取りに行きました。支払いを済ませて早速乗り込み、発進!
 

ガックン!ガクッガク…。
 ひぃ〜(^^;;いままでのつもりでクラッチをつないだら、慣れてる位置より早くつながってしまってギクシャクした発進になってしまいました。はずかしー!半クラが遥か下です。イメージ的には今までの半分くらい?(オーバーかも(^^ゞ)でもって半クラの範囲も今までの半分くらいです。これは慣れるまで結構シビアかも…、もてぎではサーキット走行だけで低速では乗ってなかったので、ここまでとは思いませんでした。でも、半クラの位置がわかりやすいです。ペダルの反力で分かるようになったし、ダンパーが無いのでダイレクトだし…。まあ、ストロークが短くなった分ちょっとペダルが重くなったような気もしますが、十分許容範囲内です。
 全部総合した感想は…
最高ぉ〜!!スポーツカーっぽいタッチになりました。街乗りでは中途半端な操作を許容してくれなくなって、すぐギクシャクしそうになりますが、短くダイレクトなタッチはシフト時間の短縮につながっていると思います。いままで4>3>2速のシフトダウンでは、「よっこいしょ〜、よっこいしょ〜」ってな感じで長いストロークを踏んでいたんですが、今度は「パン!パン!」と落とせます。シフトアップでも「グンッ!」と前に出て行くのが感じられます。

 こんなにも違うんですね。クーペにも最初からコレを付けてくれてれば良かったのに。でも、NSX発表当時の社会情勢や「扱いやすいスポーツカー」というコンセプトを考えると、クーペのクラッチペダルの方が正解なのかもしれませんね。確かにノーマルの方がラフな操作も許容してくれて扱いやすいし、軽いし、ペダルへの振動もないし、街乗りでスムーズに走るにはとても良いです。でも僕としてはRのペダルの方が好みです。高回転まで回した時のペダルへの振動も、もう痺れちゃいます!(#^^#)

 コレはお奨めチューンだと思います。とくにスポーツ走行をしたいと考えている方には、まず最初にやってしまっても良いかもしれません。車本来の動きが分かるようになると思います。パーツ代も安いです。Rペダルが『ペダルCOMPクラッチ[46910-SL0-J00]\6400』、Rクラッチダンパーが『ジョイントASSY[46993-SL0-J01]\7500』となっていて、これにクラッチオイルと工賃がかかります。

(クラッチオイルなんかは、気をつけて定期的に交換している人はあまりいないと思いますし、YAS号の場合も前のオーナーさんからずっと変えてなかったんでしょう、恐らく10年モノのオイルはドロドロでした(^_^ゞ。)

 お奨めチューンはあと2つあります。実はコレが<別件>なんですが、こちらはまた別の機会に書きたいと思います。

3月28日(水)
 さて今週は、前回ちょろっと書いたおすすめチューンの続きなんですが、まずはもてぎでNSX-Rに乗った時の事から書いてみましょう。

 NSX-Rのサーキット試乗で、クラッチに次いで驚いたのが<ステアリング>でした。あ゛、別にmomoのステアリングに驚いたわけではありませんよ。僕も、シルビアに乗っていたときにはパーソナルのグリンタ(?)を使っていたので、小径ぎみのステアリングでもOKです。
 じゃあ、何に驚いたかというと、回した時の感触…というか精度というか…ん〜なんか適切な言葉が見当たりませんが、とにかくステアリングを切っていくときの感触がクーペと全然違うんです。例えてみるなら、カートのステアリング?ステアリングとタイヤが<直結>してる感じで、ステアリングが回る中心軸が誤差なくピタっと一定している様にも感じます。あいまいな部分が排されて、こちらのステアリング操作にタイヤが遅れなく連動して動いているかのような(←ちょっとオーバー(^_^ゞ)、タイヤの向きがステアリング越しに見えてくるような(←さらにオーバー(^_^;;;;)、そして結果として、とても操作しやすいステアリングだったんです。

 なんでこんなに違うんでしょう?見える部分としては、ステアリングそのものがmomoに変わっているくらいですけど、僕の感じた操作感の違いはたぶんステアリング自体とは直接関係ないのではないかと思います。もちろん、momoの方が軽いでしょうし小径ですから、その面では大きな効果があるでしょう。でも、きっともっと根本的な部分ではないかと思います。(それに、クーペのステアリングデザインって僕は結構好きですし、サーキットとかを走ってもステアリング自体に今のところ目だって不満を感じた事はありませんから、変えたいと思っていないんです。よって、現状ではステアリングはイジらないつもりでいます。)

 Rとクーペの違いで最大のモノは、もちろん、総合的な軽量化でのバランスの違いでしょう。でも、コレはどうしようもありませんよね。とりあえず、前後バンパービームとリヤスポは軽量化部品に変えましたが、Rの軽量化は多岐&細部にわたります。とても全部やるなんて出来ません。軽量化それ自体はモノを外せば出来るでしょうが、バランスからくるステアリング特性だとすると実現不可能です。まあ、ムリなものはしかたないですよね。諦めましょう。よって軽量化説は却下。

 次は、Rに追加されている<ラジエター前の追加補強バー>。実はコレ、バンパービームを軽量化部品にしたときに、一緒に組んでもらいました。(どうせバラすんだから工賃が安上がり(^o^)♪)ということで、修理から上がってきて期待して乗ってみましたが、残念ながら特に変化は感じられませんでした。後から聞いたんですが、この補強バーは「軽量化されたバンパービームの剛性を補うもの」という話もあるそうで、直接ステアリングの感触にまで影響を与えるものではないようです。

 そして今回やったのが、コンプライアンス・ピポット下を左右に繋ぐ第二の追加補強バーです。フロントサスペンション左右についているコンプライアンス・ピポットの下にコレをボルトで固定することで「サスペンションの無駄な動きを抑えよう」というモノだそうです。そういえばシルビアの時は、フロントのタワーバーが定番ライトチューンメニューでした。フロント周りの剛性確保に効果があるとの事でしたが、アンダーが強くなるとのウワサもあって僕は入れてませんでした。だから、フロントの剛性強化がどんな効果があるのか体験していなかったので、少々不安もありましたが、こと「Rで変更されたメニューに関しては意味の無いことはしてないだろう」とのほとんど盲目的な信頼に基づいての決断でした。

こんなパーツです。

 当初、固定元のコンプライアンスピポットの品番がクーペとRで違っていたので、取り付けるならピポットも一緒に替えないといけないのかと思い、費用面から諦めていました。しかし、後日、「ピポットの違いはブッシュの硬さの違いだけ」との情報を得て、今回再チャレンジとなりました。取り付けに際し、テクニカルの方から「やわらかいクーペのブッシュだと大きな効果は期待できないかもしれない」とのお話があったそうですが、まあ、効果ゼロならスグに外せる部品ですし「試しにやってみましょう」ということで、いつものオートテラスでお願いしました。

 そして、仕上がったYAS号に乗り込みます。シビアになったクラッチにてこずりながらオートテラスを出て、最初の左折…。

   おおおぉぉ〜!!変わってる!そうそう、Rのステアリングってこんな感じ(^o^)

 コレだったんですねぇぇ!ピポットのブッシュはクーペのままですが、これなら充分!変わりました\(^o^)/。ここまで効果テキメンとは思いませんでした。ボディー剛性確保というより、サスペンション自体がガチッとしてヨレなくなったためにフィードバックが直に伝わってくる感じです。というか、今までがそんなにヨレていたんですねぇ。確かにステアリングが動く(ような)感じはあったのですが、これまで乗った車はどれもそうでしたし、「こういうモノ」と思っていたんです。でも、やってみるとすっごくイイ〜です(^o^)。(シルビアでステアリングブッシュを強化品に替えた時に近い感じはありますが、変化のレベルが全然違います。)副産物的効果で、ステアリングが軽くなったような気もします。無駄な動きがなくなったからでしょうか?車の動き自体に変化があるかどうかは、まだギリギリまで試していないので分かりませんが、コレだけダイレクト感が出れば自分の操作の反応も早くなるでしょうし、変化があってもあとは慣れの問題でしょう。費用対効果でも抜群です。部品代が『バー、コンプライアンスピポット[74675SL0900]¥4700』ですよ!取り付けはお願いしたので工賃¥4000でしたが、ピポットのボルトを緩めて共締めするだけなので、自分でも充分出来そうですね。ほんとおすすめメニューです。クラッチのR仕様と並んで、スポーツドライビングをするには欠かせない基本メニューかもしれません。僕としてはスプリングやダンパーをイジる前にコレをやってみることを是非おすすめしたいです。

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