佐倉市文化財ガイドブック(改訂版)
佐 倉 細 見 よ り

鷲神社の鳥居


この石造の鳥居は、江戸時代中期の寛文13年(1673)に建造されたものです。
明神鳥居の形式をもつこの鳥居は、高さ388cm、横幅577cmで、石造の鳥居としては
市内でも大きい部類のものです。
作者は、深河(川)の石屋五郎兵衛で、建立したのは定肴です。
この鳥居には、次の銘文がきざまれています。(右)  本願目宥法印
奉新造立石鳥居居一宇天下大平国土安全之倣
建立主     定宥
(左)寛文十三揆丑天
下総国葛飾郡庄内壮先崎村鷲王山正学寺鷲福院
深河
石屋五郎兵衛  作
六月吉日

鷲神社けや木の大樹



ケヤキは本州全土、四国、九州等の暖地に広く分布する落葉高木です。
強靭であるとともに美しい木目を持つことから建築資材として広く利用されています。
鷲神社境内地に存在するケヤキは、樹高16m、目通り幹囲6.3mを計る古木です。
「佐倉風土記」の中に鷲神社についての記載があり「承平7年(937)7月7日、慈恵僧正朱雀帝
の勅を奉じ、来りて此の神を祭る」とあります。
本樹が神木として、創建とともに植えられたものとすると、古木としてはもちろん、
学術上も貴重なものと考えられます。
老樹のため幹の内部は空洞となっていますが、樹勢は衰えていません。神殿に面した幹の北側
部分は、応永年間(1394〜1428)の神社火災により被災し、枯死したと伝えられています。
鷲神社境内には本樹の他にもスギの巨木が立ち並んでおり、神社の歴史の古さを今に伝えています。

元に戻る

案内地図

HOME