東京音楽祭 <日本武道館> (1988年5月31日)

[SET LIST]

1.ROCK ME NOW

3.SIREN SONG

2.TALKING 'BOUT YOU

4.HELTER SKELTER

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【そにっくさん提供による、ライブ・レポートです】
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 その日は生まれて初めてVOW WOWを生で見た日でした。東京音楽祭に参加するということで、演奏した曲目もとても少なかったのですが、私を虜にするには十分なパワーと迫力をもらいました。VOW WOWの他には日本人アーティストに聖飢魔IIや浜田麻里の姿もありました。席は1階。アリーナではなかったのですが、会場の雰囲気はヒシヒシと体で感じることができました。複数のグループが持ち歌を数曲ずつ披露していくという形式で進められ、トリの1つ前に彼らの姿は私の目に飛び込んできました。

 司会である小林克也氏のMCが入り、前のグループの説明も織り交ぜて、「次に演奏してくれるバンドも目が優しい人たちが多いバンドです。」の声と同時に会場からは拍手と悲鳴が上がりました。と、次の瞬間、空気が変わりました。小林克也氏が次に現れるバンドの説明を始めたのです。「さていよいよ!」と言ったところで、もう会場中拍手が響き渡り、「お〜すごいじゃない!・・・東京発ロンドン経由のみなさんです!」の声と同時に、ステージに取り付けてあるディスプレイからROCK ME NOWのプロモーションビデオが流れ始め、そのバックで小林克也氏がVOW WOWの説明を行っていました。その説明の間に、機材が乗った台がステージに現れ、その中央に置かれているドラムセットには「V」のマークが大きくその存在をアピールしていました。すべての準備が終わった頃、小林氏の解説も終わりに近づき「VOW WOW!」のかけ声と同時に人見元基が例のごとくボトルを片手に登場。バックではROCK ME NOWの演奏が開始されていました。そしてこれも例のごとく、元基はボトルの中身を口に含み大きく霧吹きをして歌い始めました。ROCK ME NOWの演奏が終わるとそのまますぐにTALIKING 'BOUT YOUへ。武道館を埋め尽くすレーザー光線の光は恭司さんのギターのフレーズにあわせて動き回りました。この曲のキーボードのバッキングって結構凄いことやっているな〜、と当時まだ玲衣さんの事をよく知らない私なりに感動したのを覚えています。TALKING 'BOUT YOUの演奏が終わると元基さんのMCへ・・・。「こんばんは。目の優しいVOW WOWです。」元基さんの第一声はこうでした。その後VOW WOWの現在の説明と当時出す予定のアルバムを引き下げてまた日本に帰ってくる事を約束し、次の曲であるSIREN SONGへ%%%。ナマで聴くSIREN SONGのパワー、スピードは他のどのバンドよりもかっこよく私の心をとらえました。それまでビデオの「LIVE」でしか見たことがなかったmoogのソロの凄さを再認識しました。SIREN SONGが終わると、不思議なフレーズが玲衣さんのシンセから流れてきました。浜田麻里やMOTLEY CRUEもカヴァーしたHELTER SKELTER。言わずと知れたビートルズのナンバーです。浜田麻里がカヴァーしたアルバムBLUE REVOLUTIONに参加していた玲衣さん。そのHELTER SKELTERとはまるで別物でした。かっこいい!この一言以外何も言葉がありませんでした。そしてこの曲が終わるのと同時に私の初めてのVOW WOWライヴは静かに幕を下ろしたのです。

 その時初めて生で見たVOW WOWに私はただただ興奮するだけで、メンバー一人一人の動きを追うのが精一杯でした。今回演奏された曲で、その時VOW WOWの曲として知っていたのはSIREN SONGのみで、SIREN SONGを生で聴いた時、私の中の何かがはじけ飛んだ気分になりました。CDなどで何度も聴いているはずなのにまるで新しい曲のような感覚。こんな音楽が世の中に存在していたなんて!とその時思いました。さらに演奏された曲の中に、その時まだ発表されていなかった曲もあったりして、聴く曲すべてが新しい刺激になり、たった数曲の、たった数十分の演奏が終わる頃には全身がVOW WOW色に染められていました。そしてそれから私のVOW WOW街道をひた走る生活が始まったのです・・・。

 東京音楽祭・・・この、私のVOW WOWとの出会いの瞬間を忘れる事はないでしょう。

 


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