MOON DANCER LIVE 1980 (新宿アシベ(ACB)会館)

[SET LIST]

1. サイレン

2. レイ ダウン

3. カーテン コール ソング

4. フォロー ザ ウインド

5.(曲名紹介なし)

6. Bランクのゆりかご

7. ギターシンセソロ

8. キフキュリーヌはセクシーぺディキュール アレクシーヌはジャッキーバリキュール(曲名は聞き取りによるものです)

9. ナイト ハート バレリーナ

10. 虹をつかむアナベラ

11. とらと花束


 MCで「今日は新しい曲をやります。」と言っていましたがこの日はなんとアルバム収録曲を1曲も演奏していません。僕のようなファンにはうれしいプログラムですが初めてコンサートにきた人はとまどったのではないでしょうか?

 以下、1曲ずつ印象を書いて行くことにします。

1. サイレン
 シンセによるサイレンのようなSEにのって曲がスタートします。間奏ではギター、シンセ、ベース、ドラムスの順番に各メンバーが短いソロを披露しました。同じようなことをあのYESがラウンドアバウトのライブでやってます。軽快でとてものりやすい曲です。ところで演奏後、「新しい曲です。」と紹介していましたが管理人さんのリストにあるサイレンとは別の曲なのでしょうか?ちなみに厚見さんはサビの部分で「セイレーン」と歌っています。

2. レイ ダウン
 「次のシングル用の曲です。」と紹介されたこの曲はミディアムテンポで覚えやすいメロディのとても明るい曲です。初めて聞く曲なのに客席から手拍子が起こったのもうなずけます。なぜ発表してくれなかったのかな?MCで次のシングル用としてつくったがレコード会社がOKしなかったため「それじゃあ捨ててしまえ(Lay Down)」と思いこのタイトルをつけたなんて言っていますが、これはジョークでしょう。最初からこのタイトルだったはずです。だって、詩や曲を作ってからレコード会社に持ち込んでいるはずだし、歌詞の中で頻繁に「レイ ダウン」て言ってますから。それにしても、この曲がNGならばいったいレコード会社はどんな曲をバンド側に要求していたのでしょうか?未発表曲を含めてもこれほどシングルに向いている曲はないと思うのですが。

3. カーテン コール ソング
 ギターの沢村さんがリードボーカルを担当するこの曲はご存知かもしれませんが後にタキオンで「ただいま」として発表されたものの歌詞違いバージョンです。間奏部ではギターとシンセが交代でソロをとります。「ただいま」とは若干アレンジが異なり、こちらの方がハードに聞こえます。

4. フォロー ザ ウインド
 そのまま沢村さんがリードボーカルで演奏されたいかにも沢村さんらしいしっとりした曲です。イントロのギターのアルペジオがちょっとEL&Pの「賢人」(展覧会の絵)に似ています。多分ファンだったのでしょう。

5.(曲名紹介なし)
 リードボーカルが今度はベースの下田さんに交代し自作の曲を披露してくれました。ベースが大活躍かと思ったら以外にもフォークっぽい曲だったのでびっくり。なお、曲名紹介はなくただ「ワルツをやります。」と言っただけでした。

 6. Bランクのゆりかご
 今度は厚見さんのソロでピアノの弾き語りです。相変わらずのすばらしいピアノを聞かせてくれました。さすがです。でも「Bランク」って何?

 7. (ギターシンセソロ)
 厚見さんのピアノの伴奏にのせた沢村さんのギターシンセソロです。バイオリンの音色を使ってクラシカルなソロを展開しています。途中からベースとドラムが加わりますが決して派手に盛り上げることなく静かに曲を終えます。

 8. キフキュリーヌはセクシーぺディキュール アレクシーヌはジャッキーバリキュール(曲名は聞き取りによるもの)
 再び下田さん作詞作曲とリードボーカルで早口言葉のようなタイトルの曲が演奏されました。僕にはこのように聞こえますが本当は違うのかも知れません。MCでどこやらの詩人がどーたらこーたらと言っていたので海外の詩に登場する言葉だとおもいます。曲は前の下田さん作のものとはうってかわってドラムの「どんたた どんたた」というリズムにのったとても軽快なものです。ちなみに作者本人もタイトルを言うとき舌がもつれてお客さんに笑われていました。

 9. ナイト ハート バレリーナ
 前曲とメドレーで演奏されたこの曲はかなり人気曲らしくイントロが始まるとお客さん大喜びです。確かに今日が初披露の曲が多い中で演奏も構成も完成度が高くギター、シンセのソロも絶品です。なかなかドラマティックで複雑な展開をみせるこの曲。発表してほしかったなあ。ナイト ハート バレリーナ、かっこいい曲ですよ!僕のお気に入りのひとつです。ハモンドとソリーナ ストリングス アンサンブルによる荘厳なイントロ(UKのアラスカと言えばイメージ伝わりますか?)に突然、他の3人が切り込んできます。アップテンポですが、単純な8ビートとかではなくイントロ、歌のバック、間奏、・・・と次々にリズムを変化させながら曲が進んで行きます。こういう展開は「悪霊の森(Forest of the Evil Ones)」にもいえることでこちらも大好きな曲です。ちなみに、両曲とも英語の歌詞です。作詞者の沢村さんは英語が得意みたいですね。ただし、かなり速い曲なので歌詩はほとんど聞き取り不能です。-注-これは決して厚見さんは、英語がヘタと言っているのではなく、あくまでも僕のヒアリング能力不足に原因があるということです。念のため・・・(笑)

 10. 虹をつかむアナベラ
 実はこの曲、MOON DANCERの曲の中で僕がもっとも気に入ってる曲です。MCでは単に「アンナヴェラ」と紹介されていますが多分、管理人さんのリストにある「虹をつかむアナベラ」と同じ曲だと思います。(歌詞の中で・・虹を操り、つかむ君・・というような部分がありますから。)この曲のイントロには2つのパターンがあり、いきなりシンセのアルペジオで始まるパターンと7のようにピアノの伴奏にギターシンセのバイオリンでサビのメロディを奏でそれからアルペジオに行くパターンです。今日は後者のイントロですがこちらのほうがこの曲には合っているように思います。イントロ後の弾き語り部分での厚見さんのピアノもかっこいいし間奏での沢村さんのギターソロも最高。このドラマティックな「アンナヴェラ」こそMOON DANCERの最高傑作と言ったら言い過ぎでしょうか?実際、以前のライブでセカンドアルバムに入れる曲と紹介されていたのでメンバーもお気に入りなのでしょう。私事ですが、僕は以前この曲のサビ部分を携帯の着メロにしていました。(現在はEL&Pの「シェリフ」のCoda部分)

 11. とらと花束
 「新しい曲です。」と紹介されたラストナンバーは前曲と切れ目なしに始まりました。後になってわかった事ですが、この曲は「カーテン コール ソング」と同様にタキオンで発表された「ガイガーカウンター」の原曲でやはり歌詞が異なるバージョンです。間奏部はギターとシンセのソロでアレンジもかなりハードロック的なものになっています。ラストナンバーとしては申し分ないと言えるでしょう。

全体的にみて今回のライブは未発表曲のみというのもありますが、各メンバーの曲や見せ場を用意したという印象です。そのためいままでより少し厚見さんが引っ込んだ感じもうけるのですが、メンバー間の関係もよさそうでまさかこの半年後解散してしまうとは夢にも思いませんでした。管理人さんのリストとあわせると「中近東幻想」もすでにMOON DANCER時代に演奏されているので全てのライブに通った訳ではありませんがタキオンのアルバムに収録された曲の内、最低でも3曲はMOON DANCER時代の曲ということになります。多分、この時点では解散は考えていなかったのでしょう。実際、新曲ばかりのこの日のプログラムをそのままスタジオ録音すればすばらしいセカンドアルバムになったとおもいます。何らかの形で発表してくれませんかね。

                           (by ウラドラセブンさん!)