保育園廃止処分取消等請求事件(平成18年(行ウ)第67号)

1回口頭弁論傍聴概要報告(事務局長メモ[補足訂正協力ぜひお願いします。])

日時 2007年3月27日(火)午後2時開廷、午後2時半過ぎ閉廷

場所 千葉地方裁判所 第405号法廷

裁判長 堀内明 他2名?の裁判官

原告側 原告保護者(子ども連れ含む)、代理人(弁護士)秋元理匡他4名(柴田睦夫元衆院議員含む)

被告側 被告席0名(傍聴席に武田次長、宇井課長他数名の担当課職員)代理人(弁護士)西村文明?

    (3/28新聞記事によると、武田次長は4/1付けで部署異動とのこと)

上述以外に、速記者・司会と思われる人がそれぞれ1名

傍聴席 36席中記者席枠3名(記者席には2名着席?) 

    残り33席は満席(閉廷後に満席で入れなかった人も居たことを知る)

    確認できた範囲で、小川連絡会副会長はじめ、高津西,村上南,大和田西ほかから多数の保護者

    八千代市議3名(秋葉小林谷敷)、紺野県議候補、松原元市議

    横浜裁判原告代表で「ほうんネット」役員の佐藤さん。

 以下、断片的ながら法廷の様子を記します。私が理解しきれず意味不明な部分が多く、また勘違い等もあると思いますので、お気づきの際は、ぜひご指摘ください。

 裁判長より原告側弁護士に対して、原告側が提出した文書・書面について確認(単純な「て・に・お・は」、用語の使い間違いの訂正?)。同様に被告側が提出した主張書面?についての確認

裁判長:最初に次回進行について決めておきたい。主張立証計画を考えてきて、進行協議と弁論としたい。

被告側弁護士:準備に相当時間がかかるので、5月29日(火)にしてほしい。

裁判長:ゆっくりやっていられないものと考える。本訴については、細かく計画を立てたい。被告側準備書面は、出来るだけ早く頂きたい。

被告側弁護士:2ヶ月近い時間が必要。

原告側弁護士:1ヶ月で整理可能では?市の担当部が充分整理できているはず。

被告側弁護士:充分精査していない。原告側が「説明になっていない」と指摘している。

原告側弁護士:本件と深い関わりがあるので、質問しておきたいことだが、保育所としての施設認可は下りているのか?

被告側弁護士:今の段階で、そのことについて、被告側との確認はしていない。

裁判長:(準備書面は)いつまでに出せるのか?

被告側弁護士:5月上旬には間違いなく提出する。

裁判長:連休が挟まるので、5月11日(金)までに必ず出してください。では、次回公判は5月18日(金)午前でどうか?

被告側弁護士:被告側と連絡をとらないと…。火曜日のつもりでいたので…。

裁判長:では、5月25日(金)でお願いします。10:30から計画審理について話し合い、11:00から口頭弁論とします。

 原告側母親の一人より意見陳述

今まで4年間、安定した環境で子どもを預けていた。健康面についても、まめに連絡してもらえた。連絡帳を見ても、子育て相談を含め、心強い気遣いが感じられた。子どもの心のよりどころであり、親がいない間の寂しさを受け止めてくれた。

民営化については、2006年5月保護者掲示板で知った。7月14日の説明会で、高津西保育園が1園目と理解できた。キリスト系の幼稚園経営法人が受けると知って驚いた。10月投じ実態が無く、園長予定者のみ存在するだけなのに、「最高の法人を選んだ。具体的内容はこれから。」と言う市の説明は、保護者感覚とかけ離れていた。

12/26年の瀬の忙しい時期に、突然の合同保育説明会に無理をして出席したのに、配布資料は全く無かった。職員予定者からの簡単な挨拶のみ。園長予定者は、父母会が苦労して作った提言書に対して、「読みました。」の一言だけ。片隅に黙って座っているだけの市側担当者は、我関せずの姿勢。議事録も作成されず対話にならなかった。法人と父母会との協議の場を経てから合同保育開始を、そのために開始を延期して欲しいとの願いには、「1/9開始と議会答弁済みなので、変更できない。」との返事。その日まで、市と法人との協議もどの程度していたのか、理事長の的外れな話にあきれた。

1/9引継ぎ保育が開始されたが、新スタッフとはほとんど会っていない。今までの慣れた先生がいなくなる不安。新しく担当するはずの人が辞めた。他にも問題を隠している様子。市の都合で、不安定になるのは子どもたち。誠意が感じられない。民営化の経緯を知るほどにおかしいと感じた。市の暴走を受け入れることは出来ない。まともな説明が出来ず、害しかおよばさない民営化。事が起きてから後悔してでは遅い。おかしいことはおかしいと言うために裁判を起こした。

 

 原告側父親の一人より意見陳述

共働き家庭での子育て、勤務状況・生活環境・送迎の利便性さまざまな条件を考え、自らの意思で、(強い口調で)市立高津西保育園を選んだ。時間外保育士、担任をはじめ全職員が、世話をしてくれている。子どもの笑顔からも安心させられる。

平成18年5月緊急保護者会で初めて知る。その後、八千代市の以前の(大和田南保育園)民営化のことも知る。市側の説明は満足できるものは無く、情報も断片的。参加者の質問にもきちんと答えられなかった。父母側が要請して市長懇談会も開かれたが、日程調整も保育園保護者が参加できづらい設定で形式だけ。

6月議会では、相反する行政側条例案可決と父母側陳情採択と言う結果。市制(市の姿勢?)に疑問をもった。その後の市の説明会では、傲慢な態度。理解深める姿勢は無く、父母側の些細な不備を見つけては突付き、父母側の疑問・要望には「議会が決めたことなので…」と、議会をたてに利用する。行政の決めたことにただ黙ってついてくればいいとの姿勢。子どもに被害を与えるだけ。と思った。

 原告側代理人河本和子弁護士より意見陳述

違法性があり、取消を求める。

@                    児童福祉法24条に基づく保育所選択権の侵害→2007年3月廃止によって選択を一方的に破棄される。

A                    手続き的な権利の侵害→契約事項の改定だから、説明義務生ずる。被告側からの説明は皆無だった。父母側からの再三の要請による説明会が開催されただけ。説明責任を果たしていない。2/14保育園保護者も参画した「保育園作業部会」では、一園民営化を話題にしながら、同日開催の保育園保護者を入れない「受諾法人選考委員会」では、三園3年連続民営化について話し合っている。18回も説明をしたと言っているが、すべて条例成立後であり、遅すぎる。又、中身も無い。

B                    横浜地裁、神戸地裁でも…

C                    無理な民営化。共同保育を開始しながら、職員の雇用は一年契約で、保育士経験も確認していない事実が明らかになってきている。民営化の目的とされている「地域子育て支援の充実」も一向に明らかにされていない。

D                    保育園保護者という主体的な立場の者を置き去りにしての条例制定断行。近隣市の船橋・習志野が慎重姿勢をとっているにも関わらずである。公正かつ迅速な解決を望む。

予定時間をやや超過して閉廷。向かいの教育会館に移動し「報告集会」へ。

千葉地裁 第一回口頭弁論 報告集会 概要報告(事務局長メモ[補足&訂正協力ぜひお願いします。])

日時 2007年3月27日(火)午後3時より午後4時過ぎ

場所 千葉県教育会館2階会議室

参加者 原告保護者、傍聴席にいたほとんどの方々、原告側代理人(弁護士) 50名位?

秋元理匡弁護士より

 午前中に被告側(市側)答弁書を受け取った。(掲げて見せてくれたが、厚さ10cm以上はありそうな大量な資料)短時間で目を通すのは大変だったが、2/3は、最近行われた子育てフェスタという行事に関するもので、今回の裁判とはほとんど関係が無く、中身の無いものだった。つまり、訴状の骨子である@保育所選択権の侵害A手続き的な権利の侵害に対する答弁は無かった。市側は、「保護者に説明をする必要が無い。」と開き直っている。被告側弁護士は、「保育園として認可されているかどうか確認が取れていない。」と言っていたが、このままでは無認可保育園になるということなのか、不安になる。(追記:3/29に施設認可がおりた。)又、答弁書には何のための民営化か、書かれていない。

 執行停止仮処分の手続きもとっているので、今週中に結論が出るはず。

 市側の姿勢として、目的は「地域子育て支援」と絞り、財政面は全く触れていない。又、この裁判の進め方も、先延ばしを図っている。早期に解決できるよう最大限努力する。傍聴席が埋まり、皆さんの熱意が、裁判長の判断に好影響を与えていると思う。

 意見陳述では、保護者本人の訴えは、切実さが伝わった。執行停止の件は、判明次第すぐ伝える。

意見陳述をした父親の感想・意見

 緊張し、疲れたが、言いたいことは言えたかなと思う。昨日から明日にかけて、法人側とクラス懇談会が開かれている。裁判は裁判と切り離して、法人側職員と話をする。

意見陳述をした母親の感想・意見

 大変な思いをしていますが、今日は皆さん、どうもありがとうございました。

横浜裁判原告代表佐藤さんより激励

 全国的に見ても、八千代の民営化の進め方は一番ひどい。田舎政治の典型になっている。認可を受けていない保育園を選ぶなんてとんでもない。全体に負けられない裁判だ。これで負けたら、何をやってもいい状況になってしまう。横浜では、公立園では多様な保育ニーズに応えられないとの根拠が崩れている。引継ぎ保育のひどさも明らかになっている。3〜4ヶ月での引継ぎなんて不可能です。

 川崎では執行停止仮処分の判決で、父母側が落胆しているが、父母の選択権や説明義務の必要性は認めている。負けた理由としては、「回復不可能な重大な損害が生ずるという証明が出来ない」とのこと。この点では、八千代市の場合も、執行停止は難しいかもしれない。

原告側代理人の鈴木弁護士より

 原告団の皆さん、意見陳述をしたお父さんお母さん、ご苦労様でした。今後、開廷を早め、早期に結論が出るよう努力します。市が経営する保育園といえども、保護者に押し付けてはいけない。市の裁量権を逸脱している。不安の中、預けつづけねばならない心中察する。法廷を傍聴する保護者で埋める効果は大きい。必ず裁判官に伝わる。被告側弁護士との日程調整のやり取りで、期日訂正を求めたのもその現われと思う。

原告側代理人の河本和子弁護士より

 8年間保育所を利用した経験がある。子どもが笑ってバイバイしてくれると1日安心して仕事を出来る。子どもの安定が親の安心。子どもを預けながらの闘いは大変だろうが、声を上げなければ変わらない。最後まで裁判所にきちんと伝えて欲しい。

谷敷八千代市議より(弁護団に質問)

 市議会における採決の際の賛否の数の違いは、裁判に影響するのか?

秋元理匡弁護士より(回答)

 裁判官は、判決が社会的に受け入れられるものかどうかは考慮するが、議会で決めたこと自体を正しいかどうかを判断することになるので、議案採決の数はあまり影響しないと思う。

松原のぶよし元八千代市議より

 父母の皆さん、ご苦労様でした。民営化に対しては、政治決着を図るべく市長選に挑んだ。八千代市民が八千代市を訴えるという方法は、できればしない方がいい。最初のボタンの掛け違いか。しかし、もはや千葉県最初の保育園民営化裁判で、全国的にも注目されている。弁護団の方々もよろしくお願いします。

司会(村上南保育園保護者)

 本当は原告になりたかったが、資格が無かった。高津西の方がはじめてくれ、自分の気持ちも代弁してくれる。八千代市は学童保育に対しても冷たい。県では、「4年生以降も柔軟に」と言っているのに、機械的に切り捨ててくる。今後も支援していく。

「支援する会」代表から

 最新情報として、

@2月から入ると言われていた引継ぎ職員の一人は、病気療養中と伝えられていたが、「一身上の都合」で辞退し、3月から新しい引継ぎ職員が入った。

Aいまだに、法人と父母会の懇談会は実現していない。

Bクラス懇談との形態で、親子で法人職員との個人面談が実施されている。(3/26〜3/28)その際、クラス懇談会はそのクラスの親が対象で父母会としての出席も傍聴もだめとの事。

C3月に入ってから社会福祉法人として認可されたが、施設認可はまだ。職員名簿と給与規定の書類が、県にまだ提出されていない。

以下、関連参考資料

@3/30朝日新聞「ちば」版記事

A弁護士秋元理匡のブログ七転八倒の記録 (以下関連部分引用コピー)

八千代市立保育園民営化差止訴訟・第1回弁論が、昨日、千葉地裁でありました。この種訴訟では必ずと言っていいほど行う、意見陳述をやりました。原告2名と原告代理人1名です。やはり、原告本人の肉声による訴えは感動的です。僕が保育運動に関わるのは、この裁判を受任してからですが、日頃住民運動やなんかは関係ないと思っていたママ・パパが、わが子のために誰よりも強くなる姿は、見る人、聞く人の心を打ちます。

なぜ民間保育園ではなく公立保育園がよかったか。身分の安定した保育士さんたちがきめの細かい保育をしてくれた。それがわずか3か月の引継でかわってしまう。こんなことがあっていいのか。大丈夫なのか。現にいろんなトラブルがある。市の対応は「もう決まったこと」の一点張り。私の子はどうなるの?議会で通った以上、もう裁判しかない。

これを司法が受け止めなくてどうする。ここで司法が動かなくてどうする。司法は、多数決原理に押しつぶされる個人の尊厳を回復するためにある。本件で司法に期待されるのは、行政の暴走を止めること。これが弁護団の意見陳述の要諦です。

 私たちは、早期解決を求めて、計画審理を裁判所に要請しました。計画審理は、まかり間違えばベルトコンベアーになる危険がある。でも、物言えぬ子どもたち、日々成長する子どもたちのことを思えば、チンタラ訴訟している場合ではありません。スピーディーに訴訟を進行させることを前提に、裁判所を説得しなければならないのです。

 裁判所も、計画審理のアイデアに乗ってきました。とにかく、やります。ことはかねの問題ではない、かけがえのない子どもの保育の問題なのです。 投稿日時 2007年3月28日 (水) 23時06分

B3/28朝日新聞「ちば」版記事

C3/28しんぶん赤旗「南関東のページ」記事

Dブログ「ママが裁判に挑んだ理由」(以下関連部分引用コピー)

 2007/3/28「社会福祉法人の認可」  

社会福祉法人としての認可は、3月13日におりました。施設認可は、まだ、おりていません。この二つの認可が、4月から必要となります。

 親にとってみれば、この認可の時期が、なんと冷たくうつることでしょう。もしかしたら、認可申請がおりないないかもしれないという不安を抱えている という利用者の心理を、少しも、ご理解いただけないようです。

 保護者に、丁寧な説明を行うことが出来ていない証拠です。

 昨日、県の情報公開によって、社会福祉法人のときの給与規定や就業規則などを手に入れました。これも、見せるように市に要望しましたが、見せてくれません。(県の情報公開も、決定までに、一ヶ月かかるというのは、これまた、時間がかかりすぎですね。3月23日付けで開示決定が出ました。)

 さて、その中で、給与表を見たのですが、事務長、事務長補佐は、5級?6級?にあたるのでしょうか?一年目だとしても、30万円弱になります。事務長、事務長補佐は、なんの仕事をするのでしょうか?どんな事務があるのでしょうか?

 一律、一年間の雇用と言われた、その他の職員との差がありすぎるように思うのですが?そして、時間外保育の職員の給与表は別になっており、それは、開示されませんでした。また、請求しなければいけないかもしれません。

 2007/3/27「第一回口頭弁論」

 第一回目の口頭弁論がありました。陳述は、原告二人です。30分の予定でしたが、15分ぐらい延長となりました。しっかりとした堂々とした陳述になりました。傍聴席は満席、開廷したら、交替はできないということで、傍聴席に入れなかった人もいました。メモをしましたので、2〜3日中には、議事録はできる模様です。

今日、市からの意見書が届きました。これまた、すごい内容です。がっかりするのが、園長が書いたという陳述書です。子どもの名前がなぜかときどき間違っています。そして、事実が、違っています。そして、なにより、とんちんかんな話題がわんさか。うーーん。

 なんといっても残念なのは、裁判を引き伸ばそうとしか見えない市の態度です。忙しいのは、働く私達も同じです。移管が予定されている園に私達は、子どもたちを預けながら、この裁判をしているのです。

そういう親子の非常事態を、市は、痛くもかゆくもなく、責任もないと思っているのでしょうか。

 5月25日が、次回の公判となりました。

3.小林市議HP (http://members3.jcom.home.ne.jp/emiko-924/)報告(以下関連部分引用コピー)

☆3月27日(火)★公立保育園民営化中止を求める裁判を傍聴

千葉地裁405号法廷で1回目の口頭弁論が行われました。

傍聴席はお子さんを連れたお母さんなど大勢が詰めかけ、入場しきれないほどの関心の高さでした。

 原告のお母さんとお父さん二人が、裁判を起こした思いを話されました。二人とも、公立保育園での我が子と職員との関係を高く評価し、公立保育園での継続した保育を望んでいます。

 それに引き替え、行政の民営化に伴う説明責任の不十分さも浮き彫りになりました。

 また、弁護士同士のやりとりで、四恩福祉会が、未だに保育園としての施設認可が下りていないことが明らかになりました。移管期日の4月1日まで平日は3日しか有りません。本当に大丈夫なのでしょうか。心配です。いかに不正常な民営化か、現時点でも明らかです。

 聞いていて、親として市民として当然の願いであり、何としても勝って、民営化を止めされたい、そんな気持ちは更に強くなりました。精一杯の支援をしたいと思います。

弁護団も、元日本共産党衆議院議員の柴田睦夫弁護士など、6名が入廷し、河本弁護士の主張は、納得のいく内容でした。

 子ども達の発達への悪影響を何としてもくい止めたいものです。

 八千代市議会議員は私と、会派「ひろば」の秋葉・谷敷両議員が参加、他には、県議候補として活動をしている紺野さん、市長選を戦った、松原さんも参加されました。

父母会連絡会のトップページに戻る