八千代市公立保育園民営化ガイドライン
1 ガイドラインの性格
このガイドラインは、本市の公立保育園の民営化を行っていく上での基本となるルール、基準であり、より良い民営化を進めるための基本的な指針となるものです。民営化にあたり、このガイドラインを基本として、子どものことを最優先にし、保護者の意見・要望を伺いながら民営化を実施していきます。
2 ガイドラインの目的
このガイドラインは、民営化に対する保護者の不安を解消し、円滑な移行を進めるとともに、より良い社会福祉法人の参入を図ることを目的としています。
3 ガイドラインの効力
このガイドラインは、平成21年度までに計画している公立保育園3園の民間移管について適用します。
4 民営化対象園の選定
市内を生活圏ごとに7つの圏域に分け、子育て支援と子ども支援の中核となる機関・施設を公立保育園内に整備し、社会福祉法人の新しい力を既存の公立保育園に借りることにより保育サービスの活性化を図り、質の向上に努めます。したがって、民営化対象園の選定は、7圏域の中核施設を除いた園とします。
5 対象園の決定と説明会の実施
平成18年6月八千代市議会第2回定例会に「八千代市保育園条例の一部改正」について上程し可決されました3園は、順次民営化を図っていきます。(高津西保育園 平成19年4月1日移管、大和田西保育園 平成20年4月1日移管、村上南保育園 平成21年4月1日移管)
なお、該当保育園職員・保護者及び父母会連絡会に説明会を実施します。
6 民営化の手法
公立保育園を民営化する手法は、民間移管方式とします。(対応は以下)
(1)土地については、市有地は無償貸与とし、それ以外の土地については、受諾法人が土地所有者と賃貸借契約を結び地代を支払うものとし、その後、市が補助の対象とするものとする。
市有地については、行政財産から普通財産に変更し「土地使用貸借契約」を締結する。
*根拠規定:「八千代市財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」(普通財産の無償貸付又は減額貸付)に該当
*市有地以外の地代は、民間保育園運営費補助に項目を新設し対応する。
(2)建物については譲与とする。(6月議会に議案上程)
*前回民営化の際と同様、建物の譲与は保育園条例に下記のように規定済み。
・・・市は、保育園としての用途を廃止した後の当該保育園の用に供していた建物を社会福祉法(昭和26年法律45号)第2条第3項第2号に規定する保育所を経営する事業を行う社会福祉法人の保育所の用に供するため社会福祉法人に譲与することができる。・・・
(3)備品等の物品の譲与について
*「八千代市財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例」(物品の譲与又は減額譲与)により無償譲渡とする。
7 運営主体
運営主体は社会福祉法人とします。(新たに社会福祉法人を設立する者についても応募を受け付けます。また、新たに保育園を設置する社会福祉法人の応募も可能です。なお、新規に社会福祉法人を設立する場合、応募の段階で法人認可の準備書面を提出していただきます。)
8 受諾法人の公募
移管した保育園が良好に運営されるためには、優良な社会福祉法人を選考することが、何よりも重要であることから、公募の範囲は限定せず市内外から広く募集します。多くの社会福祉法人に応募していただくために、インターネット・記者発表、市広報等広く情報提供を行い、応募期間も2ヶ月程度確保します。
また、募集要領を対象保護者に公開し、対象園保護者の意見・要望を反映します。
9 受諾法人の選考基準
公立保育園の保育水準を満たし、保育の質を維持・向上できる受諾法人を選定したいと考えています。そのためには、事業の継続性や安定性等とともに、保育園運営上の内容(保育の質)を中心とした審査を行い、優良な社会福祉法人を選考します。選考では以下の点を重視します。
(1) 児童福祉の理念・公共性・公益性を持ち、八千代市の保育行政をよく理解し積極的に協力する法人であること。
書類審査、理事長・園長予定者ヒヤリング、また既存法人は施設見学を行い、運営の透明性や経営体質を確認します。
(2) 保育内容については、保育所保育指針と八千代市保育ガイドラインを基本とし、子ども本来の発達・育ちを重視し、子ども中心の保育を実施すること。併せて、公立保育園の保育内容を継承しつつ、保護者の理解と協力を得ながら法人独自の運営を取り入れていくように努力していくこと。
(3) 職員構成については、公立保育園の配置基準に準ずること。また、配置予定職員の年齢・経験年数のバランスをとり、園長予定者には保育園での保育士経験を7年以上とし、保育士は6年以上(10年以上の経験を有する者を含む)の保育経験を有する者が全保育士の1/3を占めるとともに職員の雇用形態や定着等を確認していきます。また、近隣への配慮として、朝夕の送迎に自家用車を利用している者の交通整理のため、交通整理員を配置すること。また、公立保育園に勤務していた職員(正規職員以外)の継続雇用を検討すること。
(4) 職員の人材育成や園運営に職員参加がなされていること又はそのような考えがあること。
(5) 地域の社会活動の拠点としての役割を果たしていること又はそのような考えがあること。
(6) 利用者の意向や苦情を積極的に受け止め、サービス改善に努めること。(苦情処理の仕組みが整備されていること。)
(7) 給食の自園での調理を行い、公立保育園と同等のアレルギー対応や病児食に対応できること。
(8) 市が指定する引継ぎ期間において、当該保育園に勤務する予定の職員を配置できること。(市において予算措置済み)
なお、選定にあたっては、「八千代市公立保育園民営化ガイドライン」を重視し行います。
―保育士の配置―
0歳児:3対1、1歳児:5対1、2歳児:6対1、3歳児:15対1、4歳児:25対1、5歳児:30対1とする。
―次の正規職員を配置する― 園長、フリー保育士、看護師、栄養士、調理員、その他必要な職員 (嘱託医)
10 受諾法人の選定
保育園受諾法人選考委員会が選考し、市長が決定します。
受諾法人が決定した段階で、対象園の保護者だけでなく、広く市民にもお知らせします。また、対象園の保護者には、受諾法人からの説明会を行います。
11 引継ぎ
円滑な引継ぎを行うために、保護者、受諾法人、移管対象保育園(公・私)の職員、市の5者による話し合いの場を設定し、引き継ぎ全般についての協議を行います。
また、引継ぎ期間は原則3ヶ月とし、1月から3月までは、対象園で合同保育の形で保育の引継ぎを行います。さらに、一人一人の子どもの様子や保護者の不安や意見を真摯に受け止め、子どもや保護者の負担を最小限にするため、4月以降は、必要に応じ臨機応変に対応します。
12 移管後の市の責任
(1)公立保育園の保育内容を継承し法人独自の保育運営に繋げるため、受諾法人に対し、公立保育園の園長会議、保健会議、栄養士会議、研修への参加を保障します。
(2)保護者と新園において問題が生じた場合は、市が共に解決に向け努力します。(受諾法人及び当該保育園保護者、市の三者で協議会を設置します)なお、苦情解決の仕組みを新園に義務付けます。
(3)民間保育園運営費補助要綱に基づき市単独補助を行います。
13 民営化園の評価と情報の公開について
市全体の保育内容やサービスの状況を定期的に確認し、市全体の保育の質の向上を図るため学識経験者、保育関係者、保護者代表等からなる協議体を設置し評価を行っていきます。
なお、民間移管園については、移管後1年以内に保育園受諾法人選考委員と上記協議体の委員により民間移管園を訪問し、移管条件の確認や状況把握・保育内容等を検証し、今後の民間移管や保育園運営の参考とします。