「ここがおかしい3園民営化」3つの論点
〜いま八千代市で3園民営化しても、何も解決しません〜
論点1 「子育て支援拡大という目的は正しいが、むしろ後退してしまう」
- 八千代市は子どもの数が多い(未就学児約1万3500人)。地域のすべての親子を支える子育て拠点を充実させる、という市の方向性は歓迎すべきだ。
- が、7圏域ごとに子育て支援センターになる公立保育園を1拠点にするのは、実態に合わずアンバランス。未就学児が350人の睦地域と4000人の大和田地域、3500人の高津・緑が丘地域は10倍超の開き。
- 民営化対象の公立3園はすでに地域の親子向け事業をしている。市内私立園の園長たちも「地域子育て支援、休日・一時保育などは、公立園でやってほしい」といっている。少なくとも民営化される3園では支援が後退するのは確実だ。
論点2 「民営化しても何も得られない」
- 民営化しなくても公立の人件費は激減する。公立保育士158人のうち105人が45歳以上(05年度)。10年で約100人が定年退職し、人件費は10億円以上減る。仮に退職者と同じ数、新人を採用しても人件費は半分ですむ。わざわざ1園1億円超の委託料を投入する方が余計な出費だ。
- 3園民営化して保育士が30人強浮いても、退職者と臨時職保育士の穴埋めで終わってしまう。市は98年度以降、正規職員の採用を凍結し、退職者の後を1年雇用の臨時職員約30人でまかなっている。60歳定年の前に現場を離れる保育士も多いことを考えれば、目的とする地域子育て支援に回る数はきわめて少ない。
- 3500〜4000人を対象とした子育て支援拠点がどんな事業をどの位行うのか、示されていない。
- 子どもを犠牲にする民営化という手段が許されるとすれば、保育サービスが拡充する場合のみ。保育も子育て支援も大した拡充にならず、新たな財政持ち出しが発生し、これまでの保育の質も継承されないとしたら、果実はどこにあるのか。
論点3 「いま民営化を急ぐのは市にとってマイナス」
- 大阪府大東市、横浜市に対し、保護者への損害賠償を命ずる判決が続いた。八千代市は「最高裁で確定していない」と軽視しているようだが、世間が騒いでいるのは勝敗ではない。民営化を強行する一方的な手法に司法が「NO」を突きつけた、という事実だ。
- まず、子どもの心身にダメージを与えた点。在園児がいるのに先生・運営主体を総入れ替えすることは、他の公共施設、学校ではあり得ない。
- 次に、保護者への説明が不十分だった点。横浜地裁判決では「保護者の疑問・不安を解決させるだけの具体性のある説明がされていたともいいがたい」とある。
また、横浜市の説明の仕方について「04年4月に民営化する方針を変更しない前提で、建設的な議論ができていない」とも断じている。
点。横浜市は03年4月に民営化を発表し1年後に実施した。判決では「特別に民営化を急ぐべき理由があったとは認められない」と言っている。八千代が6月議会に発表するなら、時期はもっと短い。
- 3園民営化についてまだ3度しか説明会を開いてもらっていない。が、なぜいま民営化なのか、納得できる建設的な説明はまだ出ていない。横浜市は11回開いて「説明不十分」と損害賠償を命じられた。「民営化」の行方が全国ニュースになっている中で、効果に乏しい計画を急ぐことは、逆にマイナスなのではないか。
「子どもの元気がみえるまち」は豊田俊郎市長の政策の柱。どうぞ、子どもたちや若い世代が未来に希望を持ち、八千代市を誇りに思えるような「英断」を下してください。
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