2005年3月11日朝日新聞千葉版「八千代市『臨財費』4億円余の過少案」

八千代市 「臨財債」

4億円余の過少案

    市議「痛み分け」に反発

 「財政危機」を訴え全部局の大幅な事業見直しを元に05年度予算案を編成した八千代市で、本来は計上できるはずの臨時財政対策債4億5千万円分が予算案に盛り込まれていないことが、定例市議会の審議で明らかになった。学童保育料の50%値上げや長寿祝い金廃止など、市民に「痛み分け」を求める案に対し、市議の間では修正案提出や予算案反対の動きが出始めた。

 臨財費は、地方の財源不足を補うため、使途を特定せず、起債できる赤字債。償還金相当額は後年度、地方交付税で措置される。委員会では「予算書には臨財債が12億円とあるが、実際にはもっとあるのではないか」と議員が質問したのに対し、市は予算案提出前の2月上旬、すでに県から過少計上との指摘を受けていたことを明らかにした。

 同市は昨年10月以来、財政再建のため初の「枠配分方式」を導入。補助金・扶助費138件、計6億9千万円を廃止・減額した。「聖域」とされた福祉、教育分野にも踏み込み、学童保育での障害児受け入れ中止や、児童発達支援施設の利用料補助廃止、公民館の夜間閉鎖などを提案。これに対し、市民の間からは、市長への見直し要望や議会陳情が相次いでいる。

 議会を傍聴した障害児支援のNPO「にじと風福祉会」の吉野真理子理事長は「予算案を提出した後で、4億円余もの起債可能額を明かすとは、先にサービス抑制を納得させる戦略だった、と勘ぐりたくなる」と憤る。

 市議の間からも、起債額を増やし、事業の一部復活を求めて修正案を提出する動きが出始めた。

 これに対し、竹之内正一・市企画財政部長は「現時点では記載可能額は資産でしかなく、当初案で満額記載は見送った。財政は非常に厳しく、一時的に歳入を膨らませても長期的には解決しない」と説明している。



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