Wristcut Syndrome V


紅い傷痕が消えない・・・

この腕から零れていったものは、戻る事はない

見つめる度に忘れていたはずの狂気が心を冒して・・・

そして・・・どうしてなの・・・?

癒えてしまった傷が・・・疼く・・・

紅い傷痕が痛みを・・・血を求めて・・・

そしてまた・・・この夜に傷つけるの・・・?

それは・・・

死の感覚に近づく事・・・

生命を感じる事・・・

自分の罪への罰・・・

涙の・・・代わり・・・?



狂気に囚われる心は、唯、血を求めて・・・甘い痛みを刻み込む

眩暈の中で見つめた・・・血のはねた痕・・・

あぁ・・・、心の色が塗り変えられる

もう・・・終わりまで止まらない絶望に揺さぶられては

何故か、心は笑えと言った・・・

その声のままに笑ってしまうなら

この心は脆く、零れた血に溶かされ・・・欠けてゆく

あぁ・・・、心が殺されてゆく・・・

もう・・・未だ繰り返される声も届かなくなり

大切に抱えていた想いも共に、死んでゆくだけ・・・

そして・・・、唯、呼吸する身体が・・・少しずつ冷たくなり、

緩やかに・・・、静かに・・・、鼓動は止まる

2001.7.12

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