パラドックスの中のロザリオ U 〜 ロザリオにかけた祈り 〜


何?          終わらない日々

何?         繰り返す日々

それは・・・何?          必要ないもの

それは・・・何?          見えない鎖

君は・・・誰?          君を知らない

僕は・・・誰?          僕を知らない

壊れた時計は時を刻む事を忘れ メビウスの輪は鎖によって繋がれる

同じ毎日がストーリーを止まらせる

ただ・・・死を刻む秒針が、その鼓動と共に僕たちを殺してゆく

時の奴隷は同じ道を歩き・・・同じ場所で眠りにつくのか

君を知らない・・・知っていた・・・?忘れた・・・?

僕を知らない・・・知っていた・・・?

わからない・・・見つからない・・・届かない・・・

大切なものは時と共に風化し・・・いつか・・・忘れられてゆく

抱き締めた想いは・・・心は・・・簡単に消されてしまう

壊れた心を引き摺って・・・ただ意味もなく歩くのか

僕は・・・鏡に映らない・・・疲れて眠る・・・その顔は誰・・・?

今も止まらない秒針は・・・これからも生命を刻む

逃れられないルールの中で出口を探して見つけるのはナイフ

血と共に消える生命の破片・・・それは・・・左手にロザリオを刻み・・・

消える事もなく・・・その痛みが見えない涙を誘う



時代に記憶は刻まれる・・・数えきれない血と・・・涙と・・・想いを重ねて・・・

綴られた記憶は・・・いつしか始まりに還えり・・・そして時代は繰り返す

世界は始まり・・・そして・・・終わる

その中に取り残される記憶に・・・人はいくつの答えを見つけるのか・・・

今はまだわからない

しかし・・・虚無の中で見つける答えは虚無でしかなく

混乱の中に見出すのは混乱だけ・・・

何も・・・見つからない



いつか世界は終わりを告げ・・・

収縮する世界の中・・・膨張する虚無の中で・・・世界は時代を始まりに戻す

次の世界でも・・・僕たちは生まれるのだろうか・・・・

閉鎖された時の中で・・・無限に自分で在り続け・・・自分自身を繰り返すのか・・・

見つけたナイフも・・・次の痛みへの始まりでしかないのか・・・

そしてただ・・・時代と運命に従うのみ・・・

流した血も・・・流された血も・・・全ては新しき始まりのため・・・

同じ時は・・・同じ場所で・・・同じ生命の鼓動を刻み・・・

それ自体が1つの閉鎖された空間として在り続ける

閉じ込められた無数の『君』が・・・『僕』が・・・『世界』が・・・

ただ継続的に続くものを時代と・・・歴史と呼び・・・

いくつもの自我が出会う事もなく・・・違う・・・同じ時を生きる



終わりなどない・・・始まりなどない・・・

全てはそこに在って・・・僕たちは消える事もなく彷徨うだけ・・・

死は死で在り続け・・・生は生で在り続ける・・・

その中で・・・ただ狂ってゆく真理は・・・パラドックスにのまれる



血のロザリオにかけた祈り

それは・・・

いつまでも・・・


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