NOTHING


この手がつかもうとしたあの光・・・

届かないとわかったものが、なぜ・・・こんなにも眩しいのだろう

今、この手には何もない

この心には、光と呼べる欠片さえない

穏やかに眠る事もできず、いつのまにか心はひどく脆く・・・

拒絶した世界から切り取られ、居場所さえなくしてゆく



何も持てず、日々繰り返す声なき叫び

どこにも届かず、戯れに伸ばした手がつかむのは

色のない淀んだ空、この現実と同じ・・・

いつかはと、明日を見ていられたのはいつの事だったのか

今は何も見えず、その呼び声さえ遠く・・・

歩むのは終わりまでの果てなき道だと、

ただ静かに・・・眠れる時を待つ

2000.11.19

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