上手く言葉が届かなくなって、澄んだ声が聴けなくなって

どれくらい過ぎたのだろう

歌えない鳥がその存在を示す術をなくすように

僕は僕である意味をなくしているのか

冷たい風が吹く季節になって、どこかに手を伸ばしたいのかもしれないけど

自分でも何処に行くのかわかってさえいない

唯・・・沈んで、霞んで、溶けて・・・

色も・・・容も・・・時もなくして

痛みから解き放たれゆく

静かに・・・穏やかに・・・すべてが消えてゆくのなら、滅んでゆくのなら・・・

きっとすべてを受け入れよう



生命の綻び・・・時は澱む事なく流れては、それを少しずつ白日のもとにし

すべては砂になり、土に還り・・・凪に埋もれる

まどろみに包まれるように少しずつ瞳を閉じて、その瞼に映るのは終わる世界か

すべてを忘れて・・・白く白く・・・消えてゆく中で星に還る

・・・僕が抱えていた世界は終わりの時に・・・滅びの時に

きっと初めて綺麗に輝き・・・唯一の意味を抱きしめて終わらない眠りへ・・・

愛しき生命の意味は、その眠りの先で抱きしめていて

2005.12.1

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懇意にしていただいている詩のサイト様にて即興で載せたもので
当時はタイトルすらないままだったのですが、気に入っていただいたようで
ページ内に載せていただきまして・・・
何年か前の作品ですがせっかくなのでUPいたします。
タイトルは悩んだ末につけてみましたがどうもはまってない感じ。
滅びとか、綻び・・・無気力に静かに崩れていくような感覚にしたかったのですが
まだ重い感じが残ってますね。もっと削ってもよかったかもしれません