ナイフ X

優しい風の中で眠っていたい

・・・だけ・・・

ただ・・・過ぎ行く季節が送る風は僕には強すぎたから

冷たくて・・・

傷つける風に奪われて・・・

僕は・・・大切なものを手放してゆく

この風を受けて生きられるほど・・・僕は強くなかった・・・

僕は強くなかった・・・?

そう・・・逃げるように・・・

狂気に取り込まれてゆく

あの日から・・・心は死んだままなんだ

穏やかな時を失くした日から・・・

涙は・・・止まっているよ・・・?

・・・そう・・・生きる事が痛いの・・・

すべてを・・・瞳にうつる全てを・・・

ただ・・・壊し続けたとしても

この痛みは止まないの・・・

壊して・・・失くしてから・・・痛みとともに気付かされるの・・・

血を流し過ぎてから気付いた

この世界には誰もいないという事・・・

そして・・・僕のいる意味は消えてゆく

張り裂ける痛みを通して・・・

僕にナイフを向ける者よ・・・この鼓動を貫いて・・・

僕の全てを終わらせて・・・

・・・殺して

・・・これが最後の言葉・・・

さよなら・・・

1999.4.30

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