見えない糸を手繰り寄せれば・・・

腕はからめとられ、

目指した場所へ歩けば・・・

凍てついてゆく歩み

磔になり、いつしか動けなくなったのは

心を知らないでいたから



時は唯、この身体を生かし続けた

人を象り、その色に染まり

そう在ろうとして、演じ続けることが全てだった

生きているふりさえ出来れば、

感情も表情も、その場に合わせて写し取れていれば

迷いなどなかったのでしょうか



それは・・・ただ、脆かっただけ・・・

それだけの事なのでしょう

劣化して生まれた僅かな亀裂は

そこから容易く壊していった

何かが違う・・・そう白日に曝されて光を恐れた

壊したものと壊されたもの・・・

心という錯覚を知った



この時は何だったのか

この呼吸は、鼓動は・・・

巡る血は何をもたらしてきたのか

理由を持たずに動きすぎた

気がつけばそこに意味などなく

何処に向かうのかもわからないままで

歩みは・・・止めるしかなかった



持たざるものとして、似せて造られたのか

遠い過去に壊してきたのか・・・

足りないものがある事

欠けている事だけが真実で

それでも棄てられないのなら・・・

さ・・・笑ってごらん?

正しく笑えるまで・・・鏡に映して

2002.11.22

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