左瞳


その瞳が映したものは歪んで見えて・・・

正しい世界と、虚ろな世界が僕の中で交錯する

ノイズ雑じりの現実に・・・この瞳は痛んで・・・

流した涙さえ紅く映るの・・・?

痛む瞳をおさえても・・・

左手を伝い・・・雫が零れ落ちるだけ

痛みの中で・・・笑っていたの・・・僕・・・?

ふるえた指でふれてみた・・・

その口元が歪んでる・・・

笑って・・・笑っていたのは僕・・・?

狂気を見つめた左瞳は・・・

もう・・・正しい色を知らない

瞳をおさえた左腕を伝う雫は紅く・・・唯、紅く・・・

痛みだけが加速した

眩暈に囚われ・・・

それでも眠らない瞳は・・・狂気に冒され・・・

気がふれたように笑う事しかできない僕は

加速する痛みにさえ笑ってみせて

零れ落ちる雫が血だと知る頃には

もう・・・終わっているのね・・・

2001.12.3

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