独り X


何処に行こうとしているの?

僕にはわからない

その声は僕にはもう聴き取れないからね

何も見えなくても届く声はあったのに・・・

今では何を言ってるかわからない

少しずつ僕がずれていく

僕とあなたとの距離は少しずつ離れて・・・

あなたの言葉がわからない

僕の言う『助けて』が届かない・・・

それは絶望・・・誰もいなくて何もない

紡ぎ出された言葉は血に塗れた痛み

暗い影の中で泣いてるの

いつのまにか、誰の心の側にも近づけなくなって

心の一番深く大切なところを誰にも近づけさせないで

僕は独りになった

もう・・・怖いんだよ・・・この心にふれられるのが・・・

この世界の流れに置いていかれたままの僕には

僕には居場所のない世界

たとえ涙を流せても

そこから未来(さき)は変わらないだろう・・・

だから・・・涙を捨ててしまったのかな・・・

それは大切なものなのに

たとえ未来は変わらなくても・・・

大切なものはやっぱり大切で・・・

自分にとって大切なものの証が涙だというのなら

僕は・・・大切なものをすべてなくしてしまったのだろう

大好きだった・・・あの人も・・・

大切だったものも・・・

錯覚してたのか?・・・そう思えるくらい

何もないよ

焦燥感による曖昧な痛み

自分勝手な被害妄想

唯それだけを遺して・・・

独りになって消えた心・・・

2001.12.5

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